こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師の佐々木です。
今日は中学生の生徒さんからこんな相談がありました。

勉強は嫌いです。中3になって進路どうする的な話を親としましたが、「勉強が嫌なら進学しないで就職しなさい、学費がもったいない」と言われました。確かにそうだと思います。でもまだ働きたくはありません・・。
でも高校でやりたいことがあるわけでも、やりたい勉強があるわけでもないです。勉強嫌いだし。
親の言うことを聞いて就職するしかないんですかね?
とのこと。
正直、こういう感じの人はたくさんいます。「勉強したくないけど就職は嫌、高校は行きたい」的な。
今回は、この「高校に行きたい、でも勉強は嫌い」な人は今後の進路をどう考えればいいのかについて考えたいと思います。
「勉強したくないけど進学したい」とは?
多くの人が「勉強したくないけれど進学したい」と言います。まずはこの言葉について、少し紐解いてみましょう。
彼らの本音は大きく分けて3つです。
ひとつは、「勉強はしたくないけれど、就職するのが怖い。だから進学する」という、逃げ型。
お金をもらうのには責任が生まれる。その責任を背負うのが怖いから、背負わなくて良い学生になりたい。そのために、とりあえず学ぶという人。
ふたつめは、「みんな進学するし、とりあえず進学しないとマズイ気がするし…」という、流され型。
みんなが進学する中で、自分だけが「就職する!」という道を選ぶのは、はっきり言ってとっても難しいことです。みんなが右へ進もうとしている時に、自分だけ左へ進むのは勇気のいることですね。
そしてもう一つ。「親がそう言うから。先生がそう言うから。」という、指示され型。
中学生はまだまだ子どもです。親や先生などの大人に守られなければ社会で生きていけません。未成年は法律的には親が代理人であって、未成年の一人では何もできません。
だから親の言うことを聞くことも、とても重要です。
「就職しろ」と言う親側の本音も知ろう
ただ、親御さんの気持ちもぜひ理解してほしいです。
おそらく、あなたの家がお店をやっているとか、農家をやっているとかそういう特殊な環境でないかぎり、親御さんも、子どもに「高校に進学してほしい」と考えています。「中卒で就職しろ」なんて思っていません。
なぜか?
それは親だって「違う道は怖い」からです。
他の家のお子さんがほぼ全員高校に進学するのに、自分の子どもだけ中卒で働かせます!というのは親にとっても怖いことです。みんな右へ行くのに自分だけ左へいくことに他なりませんから。
だから、本音の本音では「働け!就職しろ!」とは思っていません。
親の願いとして、「やりたいことを見つけてほしい」というのがあります。
やりたいことがない。勉強も嫌いだし、試験前にも勉強するそぶりなし。受験勉強も後ろ向き。でもみんな高校行くから自分も進学を・・という態度をよく思っていないだけです。中途半端は良くない。
それにそんな態度ならお金出したくない・・。と思うのも自然なことです。価値が感じられないものにお金を払うことはできません。それは理解しましょう。
やりたいことがあって、「これをやりたいから高校に行く」ならちゃんと話を聞いてくれる親がほとんどです。
もちろん、中には「高校は勉強するところだ!勉強したくないなら進学するな」タイプの人もいますけどね。
高校に行く目的は?
というわけで、まずは高校に行く目的を言語化してみましょう。内容は何だっていいです。
「みんな行くから行きたい」なのか、「先生が言うから行きたい」なのか、「働きたくない」なのか。
もちろん学生の本分は勉強ではありますが、高校に行く目的ってそれだけではありません。
友達を作るとか、部活をやりたいとか、行事に全力を注いで思い出作りたいとか。やりたいことがまだ見えないからもう少し勉強してから社会に出たいとか。
「働きたくない」というと後ろ向きですが、「もう少し知りたいことがある」「もう少し考えておきたい」というのは前向きな理由になりえます。親側から見た印象も全然違います。
そんな感じで、なんでもいいから、「前向きなやりたいこと」ないですか?
進学先次第で勉強を好きになるかも
もうひとつ、あなたが勉強を嫌いな理由はなんですか?勉強したくないと思うのはどうしてでしょうか。
勉強がわからないから?
みんなよりも成績が悪いから?
一生懸命勉強したのに、成績が良くなくて挫折したから?
私がこれまで勉強嫌いな人を見てきて思うのは、勉強が嫌いなのは、勉強そのものが嫌いというよりも、「わからなくて嫌いになった」とか「評価されるのが嫌」とかそういう理由もあったりします。
もし、そういう勉強そのものではない理由で勉強が嫌いなら、進学先をよく考えることで克服できる可能性があります。
あなたが今公立の中学校にいるなら、同じ学校にいる子は近所の子達です。成績で分けられたわけではありません。勉強が得意な子もいるし、勉強な苦手な子も同じ教室で勉強し、同じ試験を受け、同じ基準で評価されます。
自分が中〜下くらいの成績で、落ちこぼれ扱いされると勉強が嫌にもなります。
しかし、高校は受験して同じくらいの成績の子が集まるので、授業のレベルもすごく高いわけでもないし、すごくできる子がたくさんいるわけでもないので、よほど無理して高いランクの高校に行かなければ、そこまで落ちこぼれてしまうこともありません。
少々成績に余裕のある学校を選んで、きちんと勉強すれば、平均〜上くらいになれる可能性もあります。
いい成績を取れるようになると、勉強に対する気持ち、考え方も変わってくるかもしれません。
もし自分が成績上位になれるとしたら、どうですか?
少しは勉強をやってみてもいいかな・・みたいな気持ちになれますか?
もしそうなら、本当に本当に勉強が嫌い!というわけではないのだと思います。
道は自分で決めよう
勉強が嫌な気持ちも、でもみんな進学するし自分も高校には行きたいし・・みたいな気持ちも、よくわかります。というかそういう人が大半だと思います。そして、「だったら就職しろ」と言う親御さんの気持ちも理解できたと思います。
あとは自分次第です。
あれも嫌、これも嫌・・と言っていては楽しくありません。せっかくならもっと楽しく毎日を過ごしたいし、周りの大人もそれを願っています。
なので、勉強以外でもいいので、高校進学して何をしてみたいのか、前向きに考えてみましょう。
また、進学先をちゃんと選べば、勉強が少し楽になって気持ちも変わってくる可能性があります。そういうこともぜひ知ってください。
あなたが少しでもポジティブな気持ちで前に進めますように。
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