こんにちは。ココアが大好きな佐々木(@kateikyo_megumi)です。寒くなってきたので喫茶店でココアを注文しました。数学の勉強の合間に飲んでみたら、なんだかすごく幸せな気持ちになりました。
やっぱり勉強の合間はココアですね!
さて、親御さんから相談がありました。
子どもの意思を尊重した子育てをしたいと思っています。
子どもには自分で進路を決めてほしいのですが、いつもぼんやりしているというか、「なんでもいい」「どうでもいい」しか言いません。
進路はある程度親が指針を示した方がいいのでしょうか。
とのこと。
自分で決められる人になってほしい。子どもの意思を尊重したい。素晴らしい親御さんですね。
しかし、尊重しようにも、お子さんに意志がない場合はどうしたらいいのでしょうか。
私には子どもがいないので、子育てに関するアドバイス等はできないのですが、心理学、教育学の観点からアドバイスしたいと思います。
進路を決められないときに知ってほしいこと:自己決定の重要性
自分のことは自分で決めること、これを自己決定といいます。
自己決定できるように支援してあげることで、子どもは自分の選択に自信を持ちます。「自分で決めた」という実感を持つことで、決めたことをやり遂げようという意識が生まれるのですね。
お子さんが何歳であれ、自分で決めること、それをやりとげることを教えるのはとても大切なことです。
進路を決められない理由:決められないのが人間
とはいえ、子どもが自分で決めるのは至難の業です。正直、大人だって、選択は非常に難しいものです。「やりたいこと」「そのためにすべきこと」を明確に答えられる大人がどれだけいるのでしょうか…。
たとえば、いまから転職しようと思ったら、
・どんな職につけばいいのか、
・本当に今の仕事をやめていいのか
・給料とやりがいのどちらを優先するか
すごく悩みますよね。
特に子どもは視野が狭いので、見えている世界は大人のそれに比べてすごく小さいです。
大人からすると「たいしたことではない」ことでも、子どもにとっては重要視することもあるでしょう。
お子さんの年齢が幼ければ幼いほど、自己決定は難しいので、サポートが必要です。
進学先が決められなかった女子生徒の例
一例を話させてください。ある中学生の生徒さんの話です。
公立中学校の生徒さんなので、高校を受験しないといけないわけですが、なかなか志望校が決まりませんでした。あまりにも決まらないので親御さんから相談を受けまして。
そこで、その生徒さんと一緒に学校を見に行くことにしました。
私としては、その生徒さんにはA高校が合っているだろうと思いましたが、本人が気に入るかどうかはわかりません。そこで、A高校とはタイプの違うB高校とC高校を勧め、一緒に見に行きました。
彼女はずいぶん迷っていましたが、最終的にA高校を選択しました。
子どもが進路を決められない理由
彼女が志望校を決められなかった原因の一つは、情報量にあります。
彼女は、受験制度をほとんど知りませんでした。
受験制度をほぼ知らないうちに受験について考えるのは無謀です。進学先の情報をほとんど知らないのに、進学先を決めるなんて無理です。
そこで、授業の合間の時間に受験制度について説明する時間を設け、休日に学校見学に行きました。
そうして見に行っているうちに、「その学校に通う」イメージがわいてきたようで、この学校のここがいいとか、こういう学校に通いたいとか、そういう軸ができてきたように思います。
「自己決定に任せる」の難しさ
「子どもの自己決定に任せる」というのはすごくカッコいいことに思えますが、意外と「子供に任せています」で何もしていない方がいらっしゃいます。
何もしないのであればそれは「任せる」のではなく、「丸投げ」です。任せるのではなく、丸投げしまっている人が意外と多いのです。
情報が少ない中で「どこの学校にする?私はあなたの決定を応援するからね」と告げても、決めるのは無理でしょう。
子どもに自分で決めてほしいのであれば、まずは情報を与えてみてください。
子どもが決められないときは、
・選択肢が少なすぎる
・選択肢が多すぎる
上記のどちらかである可能性が高いです。
まずは情報を与える
人間は、未知のものに対して恐怖心を抱きます。
子どもがなかなか決められない場合、躊躇している場合は、対象について情報が少なすぎて、恐れている場合がほとんどです。先の生徒さんも、必要以上に受験を恐れ、根拠もなく「私には無理だ!」と決めつけていたところがありました。
受験制度を知り、実際に学校に行ってみることで、少しずつ意識が変わっていくのがわかりました。
あの学校はここがいいけれど、自分には合わないだろうとか、ここの学校はここがいいけれど、自分に入れるのだろうかとか。
今までは食わず嫌いだったわけです。
どんどん情報を与えてみましょう。
進路を決められないときは:選択肢を与えてみる
たとえばですが、「今日何食べたい?」っていう質問。
これって食べたいものが明確にあればいいのですが、そうでない時は結構困っちゃう質問です。食にこだわりがなかったら「なんでもいい」って言いたくなる。本当になんでもいいと思って「ステーキ食べたい」と言ったら怒られたりするかもしれないから、答える方もなかなか気を遣うし。
だから、「何食べたい?」よりもせめて、洋食がいいとか、和食がいいとか、そういう選択肢というか縛りが欲しいところ。
いきなり「何食べたい?」「どこに行きたい?」と聞いても、何も出てこないのです。それは仕方のないことです。
「あなたの好きな場所に連れて行ってあげる」と言われると、嬉しいような気がしますが、実は結構困っちゃいます。
子どもが消極的なら、大人が情報を与えましょう。
その際に、まずは選択肢を与えて選ぶことから始めてみてください。
AとBならどちらがいい?
と普段から問いかけて、その理由も聞いてみてください。
理由を聞くと、本人がどこに惹かれ、何を重視しているのか、反対に何が嫌なのか、見えなかった価値観が見えてきます。
こうして、選択肢から選ぶことで、自分で選んで決める練習を重ねていくうちに、自分の意見を持てるようになります。
こんなことをしてみたいとか、こんな学校はないのかとか。今の学力で足りるのか、等。
このくらいになれば、お子さんも主体的に考え、自分で決められるようになります。
子どもが進路を決められないときにすること まとめ
- 人間は自分で決めたい生き物
- 丸投げにならないよう、情報提供をしたり選択肢を用意して考え方の枠組みを与える
- 選択のたびに理由を聞けば判断基準ができる
「自分で決めてほしい」のであれば、そのまえに子どもに十分に与えているかを確認してみてください。
自分で決める、自ら積極的に動くことを教えたいなら、まずは情報を与え、選択肢を与え、選ぶ練習から始めてみてください。
これを繰り返すことで、進学に消極的なお子さんも、意見を持つようになりますよ。
学校選び、志望校の決め方について、ご不明点がある方はぜひご相談ください。
性格、状況、学力にあった受験対策が可能です。
以上、横浜プロ家庭教師佐々木でした!