こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師の佐々木です。
今日は小学生のお子さんをお持ちのお母様から質問です。
うちの娘は面倒くさがりで、算数の問題で途中式を書きません。そのせいで計算ミスが多いです。
計算ミスを減らすためにも途中式を書くようにいうのですが、なかなかできません。
何かいい方法はないでしょうか?
算数・数学で途中式を書かない・・いますよね、こういう子。そして親御さんが書きなさいと言っても、頑なに書かない。困ったものです。
私がみてきた生徒さんにも、そういう子が何人もいました。
あれこれ指導して、どうにか、ちゃんと書いてくれるようになりました。
そこで今日は、どうすれば途中式を書きたくない子が途中式を書いて計算するようになるか、そのポイントを紹介します。
なぜ途中式を書かない?
まず、計算の途中式を頑なに書きたくない子は何を考えているのでしょうか?
彼らは大体「面倒くさいから書きたくない」と言いますし、みている大人の側も「面倒くさがっている・・」という見方をしてしまいがちです。
ですが、彼らのいう「面倒くさい」には結構種類があります。たとえば、
書いている暇がない!
鉛筆を削りたくない!
など。
小学生の場合、他に言葉が見つからないから「面倒くさい」と言ってしまうことがあります。
でも、よくよく状況を見ていると、面倒くさいというよりも「書きたいけれど書いている時間がない」だったりしますし、計算式を書くことよりも「鉛筆削りが嫌」だったりもします。
さらに、途中式を書きたくない理由として、こんなことを言っていた子もいました。
「暗算したい!」
→途中式を書いて計算するのがダサいと思っている。なぜか小学生男子に多い。
「ノートをきれいに書きたい!」
→途中式や筆算を書くとノートに秩序がなくなるのが嫌。女子に多い。
「ノートがもったいない!」
→途中式を書くとノートを消費する。だから嫌。男女問わず時々発生。
実際、面倒だから…という理由で書かない子は確かに多いのですが、意外と「ノートをきれいに」「ノートもったいない」勢もいます。
だから途中式を書いていない子を見て「面倒くさがり!」と判断するのはちょっと早計で、「面倒くさがるな!」と怒鳴るのも親子関係的によろしくないかもしれません。
なので、まずは「途中式を書かない→面倒くさがり」と決めつけず、なぜ途中式を書きたくないのか観察したり、お子さんに聞いたりしてみましょう。
相談者のお子さんは小学生なので、明確な理由を説明できないかもしれないので、観察するのが有効です。塾や学校の先生に話を聞いてみるのもいいですね。
解決策
理由がわかれば、もうほとんど解決したも同然です。小学生の場合、なんで書かないのか明確にならないことが多々あるので・・・。
書いている暇がない!という理由なら、授業中に時間の余裕がないのかもしれません。
授業中に板書丸写ししなくていいよとか、重要なところを書かなくていいよとか、教科書に書いてあることは書かなくていいよ!としてもいいかもしれないですね。
途中式をたくさん書いて鉛筆の芯を丸くしたくない!という子には、削るのが早い鉛筆削りを導入するとか、そういう方法が考えられます。
おうちの計算ではボールペンを使っちゃおう!としてもいいかもしれません。
暗算がかっこいいと思っている人には、「暗算でミスったらダサい」と伝えるか、途中式を書いてもダサくないことを伝えてあげるのもいいですね。
ノートをきれいに書きたい、ノートがもったいない!という人には、ノートとは別に落書き帳みたいなものを使うのがおすすめです。
無印良品に「らくがき帳」が売っていますので、こっちに途中式を書くようにしましょう。
80枚120円で安いので、思う存分書き殴れます。らくがき帳だから美しさとか気にしなくていいですしね。ノートには重要な公式とか要点とかそういうものだけを書くようにするのもありです。
途中式を書くのが面倒!という人には
途中式を書くのが「ガチで面倒くさい!!」というタイプももちろん存在します。
彼らには、「途中式を書かないともっと面倒なことになる!」と説明するのも一手です。
途中式を書かないで計算を間違えたら、何を間違えたか分からなくて、最初からやり直しになるよ。とか。
少々力技ではありますが、家庭教師先の生徒さんには「途中式を書かなかったら受け取らないよ!全部やり直しにしてもらうからね❤︎」と言うこともあります。
途中式を書かなければ、「全てやり直し」という超ウルトラスーパーめんどくさい状況が待っているぞ!と伝えることで、それなら最初から書くか・・と思ってもらう。
途中式を書いたらちゃんと褒める
どのタイプ、どういう理由で書かない子であれ、あの手この手を尽くして途中式をちゃんと書いたら、きちんとフィードバックしましょう。
「いいね!途中式書いてるね!」だけでも十分です。ですが、私の場合はこんなことを言ったりします。
「途中式が書いてあると、頑張ってるなあって感じがして素敵だよね!」
「うわー途中式いっぱい・・いっぱい考えて計算したんだね頑張ったね」
「途中式書いてあるとすごく助かるんだよねありがとう」
「がんばってるのがわかって嬉しいわ〜その調子だよ」
「惜しい!計算ミスしてる!でも途中式書いてあるからがんばったで賞あげるね(といいつつ途中式にピンクの花まるをつける)」
「途中式書いてるとさ、『私算数できてる!』って気分あがらない?素敵ですね」
みたいなことを言ったりして、途中式を書くことは素晴らしいと伝え続けます。
途中式をちゃんと書いていたら絶対に見逃さず、いいよいいよ!と言い続けましょう。
まとめ
そんなわけで、「娘が算数の途中式を書きません!」という相談に対する答えはこんな感じです。
・途中式を書かない理由は「面倒くさい」だけではないです
・よく観察して理由を探りましょう
・途中式を書いたらコメントをしましょう
ざっとこんなところでしょうか。途中式を書かないという現象ひとつとっても、その裏にある気持ちは多種多様です。一体何が嫌なのか、理解してあげれそうならぜひ寄り添ってあげてください。
ちなみに、「途中式を書いて」は英語で「Show your work」というそうです。「努力したことを見せて」というニュアンスだとか(google先生の生成AIより)。途中式を書くことを「努力を見せる」という考え方は面白いですね。
途中式を書くことで計算の過程を示すことも大切なのですが、それを書くことで「努力した」ことが伝わります。途中式を書きたがらない子には「面倒くさがるな!」と言うよりも「あなたの努力が見たい」と言ってあげればすんなり受け入れてもらえるかもしれません。