こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
受験生になると、学内でも学外でも、模試が増えますよね。今日はそんな模試について生徒さんから相談をいただきました。
高校生です。数学の模試の点数がなかなか上がっていきません。普段の定期テストではできるのに、模試になると途端にできないんです・・・。
学校の試験なら範囲が決まっているからそこをちゃんと勉強するのですが、模試って、「今まで習ったこと全部」が範囲だから、何を勉強したらいいかすらさっぱりわからないです。全部やってたら膨大な時間がかかるし。どう対策していけばいいですか?
このお悩み、結構多いですね。
今日は、模試や総合問題ができない理由と対処法についてご紹介します。
模試になるとできない原因
定期テストとはどんな試験?
ですが、この生徒さんのいう通り、定期試験と模試は全く違う試験なので、違う対策が必要ですね。
定期試験では、問題を見ても、「これは関数だ」とか、「この問題は方程式だ」とか、問題のパターンもすぐに読めるはず。
英語も同じで、定期テストでは「これは関係代名詞」とか、「これは不定詞」というのがすぐに分かるから、とりあえずwhoを入れればいいとか、toにすればいいとか、ぱっと判断がつくと思います。
つまり、パターンで理解しているということ。
このような問題解決の考え方の枠組みをスキーマといいます。
模試が難しい理由
一方、模試は「それまで習ったことすべて」が試験範囲になるので、問題のパターンがつかみにくいですよね。
模試などの試験範囲が広い試験では、「スキーマをたくさん持っている人が有利」なのは言うまでもありません。
模試が苦手な人は、問題をパッと見たときに、
・これは何の問題なのか
・何を聞かれているのか
・どのスキーマを使えばいいのか
このあたりがつかめない、あるいは掴むのに時間がかかっている可能性大。
総合問題や模擬試験になると解けない人は、問題解決の枠組みであるスキーマが見いだせずに混乱するのかもしれません。
たとえ話
野球に例えるなら、バッターボックスで、投手のボールを見極めるようなことです。
野球の試合では、飛んでくるボールが直球なのか変化球なのか、遅いのか速いのか、その辺を見極めながら、打つのか打たないのかを決めますよね?
全部のボールを打っていたら、すぐに三振します。フォアボールで出塁できたかもしれないのに!
模試や総合問題に弱い人は、一心不乱にバットを振りがちです。ボールが見えていないのです。
定期テストでは「直球」しか飛んでこないのですが、模試などでは「随分前に教えてもらった変化球」みたいなものまで飛び出してくるから大変です。
模試や総合問題では、たくさんのスキーマを使いこなさなければなりません。学校の試験ではできるのに、模試などではできない人は、スキーマの使い分けに時間がかかりすぎていたり、昔に獲得したスキーマを忘れてしまっていたり、あるいは考えずに「とりあえず」で問題にあたっているかもしれません。
見極める練習を
打てるようになるためには2つの能力を伸ばす必要があるんです。ボールを「見る」能力と「打つ」能力です。
おそらく、「模試になるとできない」ということは、裏返すと「範囲の決まったテストはできる」のだと思います。それはつまり、飛んできたボールを「打つ」能力はすでに高い証拠ですね。
ということは、様々な球種が来たときに、判断が遅れたり、打ち返せていないことが問題の根本になりそうです。
模試でできるようになるための練習法
パターンを「見抜く」練習
つまり、模試などが弱い人は、選球眼を鍛えるのがいい方法です。まずは冷静に、ボールを見る目を養いましょう。
そのためには、ボールを見る練習だけをすることです。打つ練習は、ボールを見る練習がある程度できるようになってから。
「見極め」と「打つ」の両方をいっぺんにしようとするから、わけがわからなくなるのですね。
だから、まずは問題の見極めだけをしてみてください。
よく、「全てを復習し直します」という方がいらっしゃいますが、問題と知識がリンクしていかなければ、無駄な努力になってしまいます。すべてを復習し直すなんて、時間がどれだけあっても足りないし…。
受験前の貴重な時間に、無駄なことはしたくないですよね。
勉強法
具体的にどうすればいいのかというと、模擬問題や試験型問題を用意して「問1は単純計算、問2は方程式、問3は図形・・・」のように、問題の種類を書き込んでみてください。
あるいは、問題の聞かれている箇所、要点などに内容に線を引くなど、問題を解かずに、「パターンを見極める」だけの練習を何回かやってみてください。
解いてはいけません。判断するだけです。こうして、判断だけに特化した練習を行います。
これを繰り返していくと、「何を聞かれているのか」「何を答えればいいのか」がだんだんわかるようになり、判断のスピードが上がります!
この練習を、まずは繰り返してみてください。
まとめ!
- 模試で点が取れないのは、問題のパターンの読みがニガテだから
- 問題を「見る」ことと「解く」ことは別の能力と心得よう
- 問題を「見る」ことに特化して練習してみよう
すべてを復習し直そうとするのは膨大な時間がかかるし、勉強が嫌になります。
だから、「どこが問題点なのか」を見極めて、そこに特化した練習が有効です。定期試験が強くて模擬試験に弱い人は、沢山の選択肢から見極めていくことだけが苦手なはずなので、問題と知識が結びつくようになれば、おのずとできるようになります。
自分の得意と苦手を上手に見極めましょう!
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