こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は試験が近い高校生から相談がありました。

勉強中にどうしてもスマホを見ちゃうんです。つい、Twitterを開いてあれこれ見てたらLINEが来て、友達と喋って…気が付いたら結構な時間になっていて。結局勉強できない。いい方法ありませんか?
勉強とスマホ。これはなかなかに大変な問題です。
勉強嫌いさんが勉強をしよう決めたとき、最初の大きな敵として立ちはだかるのが、スマホやゲーム等の誘惑ではないでしょうか。
勉強しようとしたのに、スマホが気になって仕方がない。例えばこんな感じで。

あ、LINEきた
友達からだ、返信しとこ

あ、ゲームの特別ダンジョンきてるし

うげ、いつの間にかもう23時
…なんてやっているうちに、時間はどんどん過ぎていきますよね。
きちんと勉強するためには、スマホと戦わなければなりません。これはスマホを持つ誰もがぶつかる壁だと思います。
そこで、スマホの誘惑を断ち切る方法をご紹介します。
スマホ依存の原因は?
スマホに依存してしまう理由のひとつは刺激です。
ポップアップが出たり、バイブが鳴ったり、音が出る。これは脳を刺激し、ドーパミンが出ます。
ドーパミンは快楽物質です。出ると嬉しい、楽しい気分になります。それだけなら問題はありませんが、やり過ぎると大変。やりすぎると依存症になります。
ゲーム依存も同じ原理で、キラキラしたり、ピカピカしたり、軽快な音楽が鳴るとドーパミンがでて、嬉しくなっちゃうんですよね。で、もっともっと刺激が欲しくて依存する。
スマホもゲームも、ドーパミンが出るように作られていますので、依存症になりやすいのです。スマホを常に見ている人は、スマホが鳴るのが嬉しい、その刺激を求めているわけです。
覚えておきたい「20秒ルール」
重要なポイントを一つお伝えします。それは「20秒ルール」です。
人間は、20秒以上かかることを「面倒くさい」と思ってしまうことが心理学の実験で分かっているんです。ココ重要なので覚えてくださいね。テストに出しますよ(出ません)。
だから、やめたいもの、離れたいもの、誘惑になるものは「取り出すのに20秒以上かかる場所に置く」といいんですよね。
勉強中にスマホを触らないようにするには、
- スマホを物理的に遠ざける
- 電源を落としてしまう
- いつも使うアプリをログアウト
などなど、とにかく触るのに時間がかかる状態をあえて作る!20秒以上かかることは、面倒くさくなるのでだんだんやる気をなくしていくのです。
スマホを遠ざける方法
スマホをどうしても見てしまって勉強できない人は、スマホをとにかく遠くに置きましょう。遠ざける方法としてはこんな方法があります。
預かってもらう
一番いいのは、誰かに預かってもらうことですね。人に預けてしまえば、簡単に「返して下さい」と言いにくいですね。うちの生徒さんだと、試験前は親に預かってもらっていた子がいました。これなら簡単に「返して」と言えないのでかなり有効です。でもこれは結構難しいし、これは最終手段かもしれません。
一番効果的ですが、結構ハードルが高いので、もっと簡単な方法も紹介します。
箱に入れる
スマホをケースに入れ、箱に入れ、ポーチに入れ、バックに入れ、クローゼットに放り込む。
…マトリョーシカみたい(笑)。
想像しただけで、超面倒くさくないですか!?
これでもう取り出したくないですよね(笑)。
かなり最終手段っぽい雰囲気がありますが、こんなものもあります。
時間設定をつけて、その時間まで絶対に開かない箱です。
これに入れてしまえば、もう触ることができません。どんなに通知が来ても、電話が鳴っていても。どうしてもダメならこういうものに頼るのも一手だと思います。成績が下がるよりずっと安い。
アプリの設定
スマホ側やアプリの設定も重要です。どうしてもTwitterやLINEなどのアプリを見てしまうなら、アプリをフォルダの奥底に沈めましょう。開くのを少しでも面倒くさくするのです。ゲームやメッセージアプリがホーム画面の特等席にあってはダメです。とにかく奥底へ!
そしてそれでもダメなら、アプリごと削除を!アプリを削除しても、またインストールすれば普通に開けます。試験期間中など、本当にマズイときだけ消してしまうのもオススメ。
他にも、
- 開く時にパスワードを入れる設定にしておく
- アプリではなくブラウザで開く
- ID、パスワードをめちゃくちゃ長くする
こんな感じで「開くの面倒くさい」と思ってしまいそうな設定をつけておくのもいいですね。ちなみに私のSNSパスワードは20桁です。開くのがめちゃくちゃ面倒くさくなるのでおすすめ。
勉強動画を撮影する
最近、勉強しているところを撮影した動画「勉強動画」が流行っているそうです。
誰かの勉強動画を見ながら勉強したり、自分が勉強しているところを動画で撮影するというもの。そんなことしてどうするの?と思いませんか。
勉強中にスマホで手元を撮影していると、その間スマホを触れません。スマホをいじるためには録画をストップしないといけないので、20秒ルールのせいで面倒くさくなっちゃうんですね。
さらに、撮影していると誰かに見られているような緊張感が生まれるので、勉強に集中できる!と話題なんですって。
ツイッターやインスタグラムを見ていると、「勉強タイムラプス」を掲載している人がいます。それをみるとなんだかやる気が湧いてくるというか、自分も勉強しなきゃ!と思えるから不思議です。
「#勉強垢」などで検索してみてください。たくさん出てきます。
関連記事:勉強を撮影しただけの動画「勉強動画」が流行中!そのワケと効果とは?
完全禁止は危険
とはいえ、完全に禁止してしまうのも危険です。
なぜなら、禁断症状が出るから。「ああああ、スマホが気になる気になる気になる!!!」と、もう何も手につかない状態ですね・・・。
取り上げて何日も見られない状態が続くと、かえってスマホが恋しくなるので危険です。
禁止されるとより気になってしまうことをカリギュラ効果といいます。「押しちゃダメ」と言われると押してみたくなる・・・あの心理ですね。
なので、試験前だからと全く触らせない、全く触れない状態も、かえって危険です。
ただし、完全に断ち切るとリバウンド状態になってしまうので、思い切りスマホで遊ぶ時間を用意する休憩時間も用意するといいですね。
スマホ依存の直し方 スイッチング
スマホ依存の原因は、ズバリ刺激でしたね。
では、それをどうすれば解消できるか。
多くの人は、スマホを一切触らないようにするとか、刺激を完全にゼロにしようとしますが、取り除くのは難しいです。脳が「うれしい」と思ってしまうわけですから、「うれしい」がなくなったら、つまらないし、イライラして結局元通りでしょう。リバウンドというやつです。
刺激を別のもので補います。これを「スイッチング」といいます。
たとえば、スマホを見るのをやめて、別のことをします。
マンガを読む。テレビを見る。運動をするなど、熱中できることを見つけて打ち込む!
いきなり完全に遮断すると失敗しやすいです。別の刺激を入れて、スマホの刺激から少しずつ離れていきます。
私の場合は、読書したり、ポメラ(ネットに繋がらないメモツール)を使って文章を書くことで、刺激を補うようにしています。
スマホをご褒美にする
勉強する時間を決めて、その時間しっかり勉強したら、そのあとの時間は好きなだけスマホを触る、というのもいいですね。依存してしまうくらいスマホが好きなら、スマホに触るために勉強を頑張るはず!
箱に入れたり、親御さんに時間を決めて預かってもらって、そのあとはスマホで遊びましょう。そうすれば「スマホを触ること」が「勉強のごほうび」として機能します。
こうして、「勉強がおわったらいいことがある」というふうに思えると、勉強を始める腰が軽くなる効果があるんですよ!だから勉強が嫌いな人は「終わった後のごほうび」を自分で用意しておくのがいいんです。そのごほうびをスマホにしてしまえば、誘惑もされないし、勉強も捗って一石二鳥ですね!
20秒ルールの応用方法
勉強の習慣づけにも使える
「20秒ルール」は応用が効きます。
スマホを断ち切って、勉強する習慣をつけたいなら、「20秒以内に手に取れる場所」に勉強道具を用意するのがオススメ!
具体的には、常に見える場所に勉強道具を置いておくことが大切です。
多くの人が、勉強道具を手元から遠くに置いています。だから勉強をするのが嫌だし、面倒くさいと思ってしまうもの。
いつでも勉強できる机にしておく
例えば、問題集やテキストを机の上に開いたまま置いておく。ペンも筆箱に入れるのではなく、そのままテキストの横に転がしておく。
机についたらすぐ勉強ができる環境を作っておくのです。
今私のデスクには、仕事道具だけでなく、勉強したい内容のテキストが手を伸ばせば届く場所にあります。
やりたくないことをやるコツ
ちょっと話は逸れますが私の話も。私は勉強法のYouTubeチャンネルを運営しています。ですが正直動画撮影は、、できればしたくないです。
その日の朝は少々憂鬱で「サボりたいサボりたいサボってしまえ」と私の中の悪魔がささやいてきます。大人だってそんなもんです。
サボらないために、あれこれ工夫を凝らしました。
動画撮影の日の前夜に、動画撮影に必要な機材を一式詰め込んで、目立つ場所に置いておきます。できれば自分がお気に入りのバッグに。
翌朝、とりあえず何も考えずにそれを持って家を出ればいい状態にしておく。
こうすれば、雑念が生まれずに「とりあえずやる」状態に心を持っていけるから、オススメです。
まとめ
- スマホの誘惑を断ち切る方法は「遠ざける」こと
- スマホを触るのに「20秒以上かかる」環境づくり
- 勉強を習慣づけるなら「20秒以内」に配置
勉強が続かないのも、誘惑に負けてしまうのも、あなたの意志が弱いからではありません。勉強が続かないから、勉強するための環境ができていないから。あるいは、その作り方を知らないからです。
意志の弱さは、環境でカバーできます。
20秒ルールをうまく活用して誘惑を断ち切り、まずは勉強に集中できる環境を作りましょう。
環境にこだわれば、気持ちが楽になり、少しずつ変わっていくはずです!
■関連記事
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◆参考文献
20秒ルールはこの本で知りました。詳しく知りたい方はこちらをお読み下さい。20秒ルールのみならず、幸せになるヒントが多数。
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