こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は親御さんからの相談というか悲痛な声を頂戴しました。
うちの息子ですが、テスト前なのに全く勉強しないんです。それどころか試験前で焦っている雰囲気すら感じられません。
私が学生の頃は試験前は不安だったから勉強していたのですが、勉強しないで平気でいられる気持ちが全くわかりません。一体どういう心理なんでしょうか。
「試験前なのに全然勉強をしない」その心理状況とは一体どうなっているんだ!?ということですね。
試験前に計画を立てて真面目にコツコツ勉強するタイプの人間にとって、こういう「試験前なのに勉強もしないし焦りもしない」タイプの人間は、はっきり言って理解不能だと思います。
子どもに話を聞くと「面倒くさい」という一言に集約されてしまうのですが、その裏には結構いろいろな心理が複雑に絡んでいたりします…。
子どもたちは、そのときの自分の心理がどうなっているかなんて説明してくれません。自分の中で何が起こっているのかよくわからないし、わかったとしてもそれを説明する語彙力がありません。なので周りの大人が推測するしかないんですね…。
「めんどくさい」も奥が深い。
そこで、テスト前になっても勉強しない生徒さんたちとコミュニケーションしてわかった「面倒くさい」の裏側にある「テスト前に勉強しない理由」をご紹介します。
テスト前に勉強しない理由① 重要性がわかっていない
テスト前なのに勉強しないのは、テストの重要性がわかっていないからです。彼らはテスト勉強がそんなに重要だと認識していません。
勉強?今はいいでしょ。受験生になったら頑張る〜
みたいな感じですね。
高校生なら、推薦で大学に行きたいなら1年のうちから成績をしっかりキープしておかないといけないのですが、「せっかく高校入ったんだし遊びたい」みたいな人がいます。
というか、「1年のうちから好成績を取らないといけない」ことをわかっていない人っているんですよ実際。で、3年生になってから「そうならそうと言ってくれればよかったのに!」などと言う。
多分、「今が一番大切!」みたいな感じで、将来のことまで考えられないんでしょうね。まあ、私もかつてそんな時期がありました…。めっちゃ後悔しています。
対策
もし、試験の重要性がわかっていないようなら一度きちんと話し合ってください。
夕食を食べながら話すとかそういうレベルでは通用しません。テレビも消して、雑音がない状態で、きちんと時間をとって、家族会議を行いましょう。
彼らは本当に「わかっていない」です。なぜテストが大事なのか、テスト勉強をしないとどうなるのか…。
そのあたりを伝えてあげてください。将来後悔しないためにも。それらを話して、「どうするか、勉強するのか」を本人に問うてみてください。自分で考え、自分で決めることが大切です。
勉強しないとどれだけ恐ろしいことになるか「わかっていない」。
なのでその危険性を教えてあげてください。
テスト前に勉強しない理由② テスト前くらい休みたい(?)
テスト前だけは部活が休みになるので、その日は張り切って友達と遊ぶ!みたいな考えをしている人がいます。
部活が超忙しくてほとんど休みがないから、遊びに行けるのは試験前だけなんです(だから遊ばせてよ)
忙しい部活をやっている子の場合、普段から休みなく部活に参加していて、部活が休みになるのがそのタイミングだけということもあるので、「試験休みくらい休みたい」と思うのだそう。
あるいは、別の部活の子と遊べるのはテスト休みだけだから…ということらしいですね。
そんなに部活が忙しい時点で本末転倒な気も…。
対策
これは怒っていいです。テスト休みはテスト勉強するための休みなので、遊んでいる場合ではありません。
あと、このタイプの場合、部活中心に生きているので、部活を頑張りすぎて授業中寝ているかもしれません。
寝た結果、内容が理解できなくなり、何をやったら良いかわからない状態に…という可能性もあります。
というか、その学校生活のうちの部活の比率が高すぎるかもしれません。そもそも学生の本分は勉強です。当たり前ですが。
だから、「試験前くらい遊びたい」なんて言っているなら部活との向き合い方を考え直しましょう。勉強をおろそかにして部活に打ち込み、部活が休みなら遊ぶ!は確実におかしいです。よく考え、話し合った方がいいですね。
部活も大事だけれど、本業は勉強ですよ?
テスト前に勉強しない理由③ 何をやったらいいかわからない
テスト前なんだから勉強しろと言われるけれど…
大人が勉強しろしろ言ってくるけど、何をしたらいいかわかんないんですよね。教科書読んでたら「読むだけじゃダメでしょ」とか言ってくるし、ノート書いてたら「そんなんじゃ頭に入らない」とか言われるし、もう何なんだって感じです
これは、中学生になりたての人に多いですね。小学校から中学校に上がって、テストの方法が変わりました。範囲も広くなるし、科目数も多いので、何をどうやったら良いのかわからないのでしょう。
学校で勉強は教えてくれても、勉強のやり方までは教えてくれません。計画表が配られ、計画を立てるよう促しますが、計画の立て方も教えてもらえませんね。
定期テストに向けて何をしたら良いか、わからない。
「何をやったらいいかわからない」→「何をやるか考えたくない」→「めんどくさい」に至る人も。
対策
勉強が得意な子と一緒に勉強すると、勉強のやり方がわかります。まあ、彼らは学校授業でほとんどインプットが済んでいるので、もうアウトプットするだけなんですけどね。
あとは、学校からワークが出ているなら、それを1回と言わず2回解いてみるなど、学校から出ているものをしっかりやるのも大切です。
もし、やる気があって、やるべきことがわからない人であれば、事情が許すのであれば塾などの教育機関を頼るのも一手ですね。
試験前は、試験範囲と同じ場所の問題集を解く。持っていないなら今すぐ買いましょう。どうしても無理なら塾などを頼るのもあり。
テスト前に勉強しない理由④ 無理だから投げた
「もう無理だ」と思ったら、人間は諦めます。
少し努力すれば達成可能な目標なら人間は頑張れるのですが、「これはどう頑張っても無理」と思ったとき、人間は「諦める」という選択肢をとります。開き直りですね。
学校の授業がわからなさすぎて辛いです。問題集を解こうにも、そもそも先生が何を言っているかわからないんで無理です
たとえば、「漢検2級に挑戦しましょう」という課題があるとします。漢検準2級に合格している人は「よし、頑張ってみようかな」と思うかもしれません。頑張れば達成できる気がするからです。
一方、漢検5級の人は「2級とかwwwwちょwwwww無理ゲーwwwww」ってなりますよね。
逆に「俺は受かる」とか言い出したら怖いレベルです。
新しい課題と、自分の現状とのレベルに差があると、投げ出してしまうもの。
レベル差もですが、課題の量でも同じことが言えます。「2周間以内に解かないといけない問題集が1冊」だったらやっても良いかもしれませんね。
「問題集5冊、あと3日で」と言われたら、無理ですね。こうなると人は投げます。
対策
やることの多さに参っているようなら、やることを細分化してみては。
せめて苦手な数学だけはちゃんとやっておこうとか、理科は範囲が狭くて点が取れそうだからやってみようとか。
レベル差に悩んでいるのであれば、的確な目標設定を。
全部をやろうとしても苦しいだけですよね。
できることだけやってみましょう。まずは問題集を1ページから始めてみましょう。
テスト前に勉強しない理由⑤ 失敗したくない
失敗したくないから勉強しない。これはちょっと複雑な心理です。
「勉強しないで赤点」なら納得できるけど、「勉強して赤点」だったらつらすぎて立ち直れません。
「テスト勉強をしない」ことと「良い点が取れない」こと、この2つには因果関係が成り立ちますね。「テスト勉強をしない」だから「良い点が取れない」と。
しかし、「テスト勉強した」ことと「良い点が取れない」ことには因果関係があるでしょうか。
普通は、勉強すれば点が取れるはずですよね。
でも、そうならないこともあります。
勉強した範囲があまり出題されず、ノーチェックの場所ばかり出題されたり、やたら問題が難しかったり。
「勉強した」→「できなかった」とき、その理由は何か。ここで「自分は無能だから」と結論付けることになります。
一方、「テスト勉強しない」で「良い点が取れた」としたら、どうでしょうか?
自分は天才だと思いますよね。
このように、テスト勉強をしなければ「やったのにできない=自分は無能だ」とレッテルを貼られることはありませんし、もしうっかり良い点が取れれば「やってないのにできた=自分は天才だ」と思うことができます。一石二鳥なのです。
一方で、勉強してしまったら、成果が出なかったときに「自分は無能だ」という悲しい現実に向き合わなければなりません。これはあまりにも辛いことです。
まあつまり、「失敗するくらいなら挑戦しない」という心理です。これをセルフハンディキャッピングといいます。
▼ 勉強してないアピールをするあの人の心理 セルフ・ハンディキャッピング
対策
もしこの状態になっていたら結構大変です。
もしお子さんがこの状態なら、「なぜそんなに失敗を恐れるのか」を理解することが大切です。
結果が出ないことをしても仕方がないと思っている合理主義なのか、怒られるのが怖いのか、周囲から無能認定されるのが怖いのか…。
この状態で放っておくと、勉強が嫌いなまま大人になるだけでなく、失敗を極端に怖がって何もしない人になりますので、少しずつでも対策が必要です。
「失敗しても大丈夫だよ」と教えてあげながら、少しずつ取り組むようにサポートしましょう。
このタイプなら「絶対失敗したくない」と考えています。失敗しても大丈夫、それ以上に努力することが大事!と伝えましょう。
テスト前なのに勉強しない子どもの心理 まとめ
勉強しないのにも、あれこれ理由があります。
ただ単に疲れている場合もあれば、やり方がわからない場合もあれば、諦めている場合もあれば、失敗したくないからやらないという場合もある。
同じ「テスト前に勉強しない子」でも、どの理由なのかで対応が変わります。
もし、「やり方がわからない」「あきらめ」のであれば家庭教師などの教育機関を上手に使えば場解決できます。
失敗を恐れているのであれば、きちんと子どもの気持ちに寄り添った対応が必要です。対応に迷う場合はぜひ一度ご相談ください。
以上、横浜プロ家庭教師佐々木でした!