こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は生徒さんからこんな相談です。
高校に入ったら成績がガクッと下がりました。
中学まではそこそこできたし、「頭いい子」扱いだったのに、高校ではできないグループみたいな扱いです。なんだかテストのとんでもない点数やら見たことのない順位とか、周りからのあまりの扱いの違いに挫折感というか正直自信がなくなっちゃいました・・・。
せっかく高校に入ったけれど、もう勉強するの嫌です。どうしたらいいでしょう?
中学まで成績がすごくよかったのに、高校生になったらテストで点が取れなくなる人っていますよね。特に進学校に進むと、この傾向が強いかと思います。
私のところにも、中学までは勉強でほとんど苦労しなかったのに、高校に入ってからつまずいてしまった人から相談されることがあります。
せっかく得意だったことができなくなると、ショックも大きくて、挫折感も強くなります。
先に結論を言ってしまうと、こういう場合、勉強のやり方に結構問題があったりします。
高校に入ったら、丸暗記に頼る勉強はやめましょう。
ということですね。高校に入ると丸暗記だけでは対処しきれないことが増えます。ではどうして高校に入って成績が下がってしまうのか。その理由と、勉強法について紹介します。
高校に入って成績が下がる理由 記憶力の問題
子どもと大人の覚え方は少々違います。
子どもは暗記が得意
子どもは年齢が幼いほど「丸暗記」が得意です。子どもはアニメのキャラクターのセリフを意味が分からなくてもそのままコピーして覚えてしまったりしますよね。つまり、子どもは「意味が分からなくても覚える」ことができます。これを専門用語では意味記憶といいます。
大人の記憶力
一方で、大人はつなげる記憶が得意なんです。「これはこれと似ている」とか、「あの日見たあれとほぼ同じ」とか。大人になればなるほど知識が増えるので、つながりで覚えていくようなスタイルが得意になるのですね。
つまり、つながりをつくれないこと、もっと言うと意味が分からないことを丸暗記することができなくなります。これを専門用語ではエピソード記憶といいます。
記憶にも成長期があって、中学・高校生あたりから覚え方や覚えられる方法が変わっていくんですね。そこでうまく順応できるかが結構大事なんです。
つまり、どういうことですか?
高校生くらいから、覚え方がちょっと変わるんです。丸暗記は厳しくなってくるので、別の方法が必要ですね。
高校で勉強ができなくなる理由
というわけで、高校生になると、中学生の頃とは覚え方がちょっと変わります。
丸暗記ができなくなる
高校生になると、さまざまな理由から丸暗記が厳しくなります。
中学生の頃、英語ってどうやって勉強してました?
え、教科書ひたすら丸暗記してました。暗記力にはそこそこ自信があって
なるほど、暗記力にかなり自信があった感じですね?で、同じ方法で高校を乗り切ろうとしたらダメだった的な。
そうなんです。覚えきれない。
もしかして歴史も「泣くよウグイス平安京」とか覚えられても平安京がなんなのか知らなかったり?
あうあう・・・
ああ・・・なるほどね・・・
小学生、中学生のうちは一夜漬け丸暗記でも点が取れてしまうんですよ。
英語が特にわかりやすいです。中学の英語は文法をよく知らなくても「教科書の和訳丸暗記」あるいは「教科書の英文丸暗記」で結構点が取れてしまうんです。分量も数ページ分ですし、教科書ガイドがあればなんとかできてしまうところがあるんですよね。
その感覚で高校の英語の教科書を開いてみると大変なことになります。1ページで扱う単語数も多いし、文章としてもとにかく分量が多いし、意味も結構難解だったりする。
さらに、教科書そのまま出題されることも減り、かわりに応用問題が出てくる。
こうなると、教科書の丸暗記だと破綻するのがわかると思います。
高校くらいになってくると、教科・科目が増えて覚えることも多くなりますし、内容も高度化していくので、きちんと意味を理解していないと点が取れないんですよね。
成功体験
そのうえ、年齢とともに丸暗記する力である意味記憶は衰えていく一方なので、丸暗記がどんどんできなくなっていきます。
小、中と「丸暗記勉強法」で突破できたら、調子に乗るじゃないですか。その方法をずっと続けていけばいいと思ってしまうんですよね。
人は、成功体験というか、勝ちパターンをなかなか捨てることができないものなんです。悲しいことに。
これまで培ってきた「丸暗記勉強法」から抜け出せず、高校でも同じ感じで勉強していると成績が伸び悩んでしまいます。
同じ方法の繰り返しではダメ、ってことですね
そうそう。ポジティブに考えると、つまづいた時こそ「今の方法を変える」いいタイミングなのかもしれませんね。
そのままだとヤバイ
その勉強法を続けていくと、入試でも相当苦労することになります。
丸暗記は忘れやすい性質があるので、テストのその日はなんとか回避できても、受験まで記憶が持たない可能性が高いです。
入試に対応できない
高1で学んだ世界史の知識をすべて忘れて高3になってしまったら、イチから勉強し直しですもんね…それはつらすぎる。
さらに、入試はマークではなく論述形式のものもあります。「○○事件が起こった理由はなぜか」みたいなものですよね。
これって、○○事件がどんなものか理解していなければ太刀打ちできません。背景にある知識が入っていないとどうにもならない…。
つまり、できるだけ早く「覚えるだけの勉強」から脱却しないといけないんです!
高校で成績が下がったらどうすればいいのか?
高校で成績が下がったら、どうすればいいのか。
で、どうしたらいいんですかね
「よくわかんないけど暗記する」のをやめることですね。
①丸暗記をやめる
丸暗記で何とかしようとか、一夜漬けでなんとかしようとか、そういう考えは捨ててください。後で大変になります。
②意味を理解する
そして、意味を理解するように努めましょう。
歴史を覚えるにしても、「〇年に〇〇戦争が起きましたー」だけではなく、「○年に○○戦争が起きました。きっかけは○○事件で、原因はA国とB国の対立です。その戦争が引き金になって国際情勢がこう動きました」
みたいな感じで、ストーリーを意識することがコツです。
意外なことに、これは数学にも言えることです。とにかく手を動かすだけでなく、その計算はどんなときに使うものなのか、なぜその計算が必要なのかを理解していることが求められます。ストーリー性ですね。
③変化への対応
誰でもそうだと思うのですが、人は何かがうまくいくと、その方法を何度も繰り返したくなります。
ですが、記憶の仕方も、学ぶ内容も大きく変わるので、あなた自身にも変化が必要なんですよ。
もし、中学からのやり方でうまくいかないと感じたときは、思い切って方向転換しましょう。
騙されたと思って、丸暗記に頼る勉強法を一旦やめて、ストーリーを意識する方向に舵を切ってみてください。
まとめ
- 高校で成績が下がるのは、勉強法が違うから
- そのままだと受験も苦労するから早めに軌道修正を
- 丸暗記に頼らない!意味、ストーリーの理解に注力する
これらを意識して、勉強法を修正していってください。
小学校・中学校でいい成績を修めていた、賢いあなたならデキるはず!
応援しています!