こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
例えば、学校の授業の終盤に、先生がよくこう投げかけますよね。
わかりましたか?
生徒たちは
わかりました!!
と元気に答えます。そんなに元気に答えてくれたら、「あ、生徒たちはわかってくれたんだ!」と思うじゃないですか?
しかし!
実際にテスト受けたら、全くできなかった!
みたいな経験、ありませんでした?ありますよね?勉強を教えていると毎日のようにあります。
あるいは、会社で、部下に仕事を教えたときに、上司が部下に「わかったか?」と問いかけます。部下は「はい、わかりました。」と答えます。
しかし、数日後、部下はこう言います。
すみません、あの件もう一度教えていただけないでしょうか…
えーーーーーーまた教え直し!?
人に何かを教えたことがある人なら、こんな経験、あるあるですよね!「わかった」と言ったのに、実際には分かっていなかったということ。これだと説明し直しで、二度手間ですね( ゚д゚)
これを防ぐためにも、相手の理解度をきちんと確認したい!と思うじゃないですか。
そこで今日は、歴10年のプロ家庭教師が研究に研究を重ねてわかった「理解度を確認する方法」をご紹介します。
・二度手間を回避!もう「すみませんもう一度…」と言わせない方法
・相手の理解度、わかり具合を確認する方法
理解度を確認する方法を知りたい方必見。
①理解とは何か?
そもそも論ですが、理解とは何なんでしょうか?理解という言葉を理解するために、辞書をひいてみると…
- 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。「―が早い」
- 他人の気持ちや立場を察すること。「彼の苦境を―する」
コトバンク「理解」より
このように、道理や筋道が正しくわかることを「理解」というのだそうです。理を解するのが理解なのですね。
ものすごく平たく言うと、「なぜそうなるのかを、きちんとわかっていること」と言えそうです。
筋道が正しくわかることが重要なんですね。
②「わかっていない」のに「わかった」と言ってしまう理由
では、なぜ人はわかってもいないのに「わかりました」と言ってしまうのでしょうか?
そこで考えたいのは、答え方。
「わかりましたか?」の質問の答えは、二通りです。「わかりました」あるいは「わかりません」のどちらかですね。
ここで気をつけたいのは、「わかった」と言っていても、「わかっていない」場合があるということです。
相手の状況と答え方をパターンにすると、こんな感じです。
①本当にわかっていて、「わかりました」と答えた場合
②本当はわからないけれど「わかりました」と答える場合
③本当はわかっているけれど「わかりません」と答える場合
④本当にわかっていないので「わかりません」と答える場合
このうち①は理想ですね。④も正直なのでOK。③についてはこんな人は滅多にないので置いておくとして、問題は②です。
つまり、厄介なのは、本当はわかっていないのに、「わかりました」と言ってしまう人がいることです。
その理由はさまざまですが、ざっとこんな感じ。
「わからないと言って、ダメなやつだと思われたくない!」(プライド型)
「そのときはわかったつもりだった」(理解したつもり型)
「わからないことがわからない」(無理解型①)
「何を聞いたらいいかわからなくて、とりあえずわかったと言ってみた」(無理解型②)
「そもそも、どういう状態を『わかった』というのかわからない」(無理解型③・レアケース)
などなど、その人の性格や状況によって違います( ゚д゚)
多くの人が「わかっていない」のに「わかりました」と言ってしまうので、理解をチェックするための「わかりましたか?」「わかりますか?」という質問には意味がないのですね…。
教える人は、その言葉を鵜呑みにして安心してしまわないようにしましょう。
大抵の人は「わかりました」と答えるので、質問に意味がないんですよね…。
③理解できたのかを確認する方法
そこで、相手が本当に理解できているのかを確認する方法をお教えします。
それは「相手に話をさせること」です。あなたが話すのではなく、教えた相手に話をしてもらうのがポイント。
説明を終えたあとに、「わかりましたか?」と質問し、「わかりました!」と相手に言われたら、こう続けてみてください。
「自分なりに説明してみて」
「要点を3つ言ってみて」
「まず最初に取り組む作業を教えて」
と、相手に話をさせます。自分で話ができれば、筋道が理解できている証拠です。これなら合格ですね!
「わかった」と言いながら、全く話ができなかったり、的外れなことを言っていたら、理解できていない証拠です。加えて、その人は「わかっていないのに、わかったと言ってしまう人」だとわかります。
話をさせてみれば、その理解の程度がどのくらいなのかが、よくわかりますよ!!(ここ重要)
教えることに熱心な人ほど、「しゃべりすぎている」傾向にあります。自分が話さなきゃ!説明しなきゃ!と一生懸命なんですよね。その間、聞き手が置き去りになってしまっているかもしれないのです…。
もしかしたら教わる人は、その後のデートのこととか、今日のランチは何にしようかなとか、全然関係ないことを考えているかも!緊張感を持って聞いてもらいたい!
相手も、「この人は説明の後に話をさせてくる」とわかっていれば、緊張感を持って、あなたの話を聞くでしょう。必要とあれば自主的にメモを取ってくれるかもしれません。こうなってくれれば教える人も嬉しいですよね!
説明が終わったら、相手に質問して話してもらいましょう!
まとめ「理解しているかを確認する方法」
- 「理解」とは、話の筋道がわかること
- 「わかりましたか?」という確認にはほとんど意味がない
- 理解を確認するためには「相手に話をさせる」
「わかった?」と相手に聞いても、「わかりました(わからないけど)」みたいな対応になりがちです。相手が本当に理解しているかどうかを確認するためには、相手に質問をして、内容をきちんと復唱できるかどうかをチェックしましょう。
ちょっと手間ではありますが、手戻りや二度手間を防ぐことができるし、説明する側のあなたも楽になるはず。お試しあれ。
余談:勉強にも使えますよ
これは自分が勉強するときにも使えます!何かを学んだら、その内容を誰かに話してみてください。話すことができれば、理解ができた証拠。話せなければ、まだ理解が甘いということですね。
誤った理解をしない、させないためにも、説明が終わったら「話す」習慣をつけてみてください♪
教え方の本を出しました。教え方、説明の仕方をもっと知りたい!という方はぜひご一読ください。