こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
高校2年生の生徒さんからこんな質問をいただきました。
化学がとても苦手です。
問題文すら読む気になれず、なかなか勉強に手が出せません。
試験でも、「うわ、無理」と思って飛ばしてしまった問題があるのですが、実はすごく簡単で解ける問題だったと後でわかりました。
この苦手意識、なんとかならないでしょうか。
「うわ、無理です」
生徒さんが苦手な文章問題を見ながらつぶやきました。
理科の問題で、文章がずらずらと長い問題がありまして。文章が10行ぐらい書いてありました。理科の問題なのに。
正直、長すぎて、読むだけでも嫌になりそうです。
私たちは、パッと見た印象でものごとを判断しがちです。長い長い問題文を突きつけられると、それだけで「ああ、無理だ…」とあきらめてしまいがち。
こういうふうに諦めてしまうのは、苦手意識のせいですね。
今日はこの苦手意識とどう向き合っていくかを書いていきたいと思います。
シャッターが閉じる瞬間
いちど「難しい」スイッチが入ると、シャッターが閉じるように、その問題を解くことができなくなります。それがたとえどんなに簡単な問題であっても。
私はこれを「宇宙語」と表現しています。
自分の母語だと思えないくらい、問題文が読めなくなる感覚ですね。
ひとたび、日本語の問題が「宇宙語」になってしまうと、もう読解するのは難しい。
宇宙語はなぜ生まれる?
日本語を宇宙語に変えてしまうものは、何でしょうか?
問題が難しいのは、もちろんその問題自体が難しいということもあるのでしょうが、それだけではありません。
意外と多いのは、「自分自身がその問題を難しくしてしまっている」という場合です。
大概の問題は、文章量が多くて読みたくないから「無理だ!」と思いこんでいるだけ。というか、思い込みたいだけだったりします。
「無理」と決めつけてしまえば、その長ったらしい問題文を読まなくて済むわけですから。
まずは読んでみよう
私、世の中には3つの問題があると思っています。
ひとつは、難しい問題。
ふたつに、簡単な問題。
そしてもう一つ、難しそうに見える問題。
とくに数学と理科の問題では、冷静に読んでみると、大したことない問題がほとんど。冷静に数字を拾っていって、あとは公式に当てはめるだけ…ということが多々あります。
だから、生徒さんが嫌そうな顔をしたら、「まずは一緒に読んでみよっか!」と声を掛けます。一緒に音読しつつ、大切な数字を拾っていきます。
そうすると、解決の糸口が見えてくるもの。
「うわ、無理そう…」と呟いた生徒さん。
ですが、その後、こう言いました。
「無理そう…に見えたんですが、できる気がします。難しそうに見える問題にかぎって、よく読むと簡単なんですよね。まずはしっかり問題を読んでみます。」
そして、問題を読むこと、数秒後。
「…なんだ、簡単ですね。これならできますよ。」
今までのその子だったら、「無理だ」と飛ばしていたかもしれない問題。
ですが、一緒に問題を解いていくうちに気がついたようです。「長い問題も、きちんと読めば難しくない」と。これはその生徒さんにとっては大きな発見で、成長の第一歩です。
勉強も、決して難しくないのです。
難しくしているのは誰だ?
私は思う。これは勉強に限ったことではないと。
人間関係で、難しいトラブルがあったとする。たとえば、クレームをつけられた等。クレーマーは何を考えているのかわからない。厳しい言葉で口撃をしてくる。相手の言い分は理屈が通っておらず、わけがわからない。だんだん、宇宙語に聞こえてくる。
解決するのは難しいように思えます。
でも、実はそんなことはないのです。
実は、クレーマーの言葉を真剣に聞くと、そこにあるメッセージは宇宙語では無かったりします。
シンプルに「僕の話を聞いてよ!」「かまってよ!」「こんなに大変だったの!認めてよ!」だったりするわけですよ。だったら、しっかり話を聞いてあげれば解決できます。
問題を難しくしているのは、問題ではなく、自分自身かもしれません。よくよく問題を見て、背景にあるものを拾っていくと、実は大したことないのかもしれません。
必ずできると信じよう
「うわ、無理かも!」
そう思ってしまったときは、ちょっと立ち止まって、考えてみてほしいのです。
「本当に難しい?難しそうに見えるだけじゃないのか?」
まずは状況を整理して、状況をよく読んでみてください。
そうしたら、大したことない問題だと気がつけるかもしれません。
本当に無理な問題なんて、ありません。
私達の前にやってくる問題は、私達に解決できるものだけ。だから、大丈夫。
まずは視点を変えてみましょう。「うわ、無理」じゃなくて、「きっとできる。」
そう思えば、本当にできる気がしてきますから。
大丈夫。
ともに乗り越えましょう。