こんにちは!横浜・鎌倉プロ家庭教師 佐々木です。
今日は生徒さんから質問をいただきました。
勉強をしないと最終的にどんな問題が起こりますか?
みんな勉強しろ、将来のため、と言ってきますがいまいちイメージがわかなくて。勉強ができなくてバカだから人気があるアイドルとかもいるし、勉強ができなくても人生どうにかなる気がします。だから正直勉強にやる気が出ません。
勉強しないとどうなるのか、具体的な話を聞いてみたいです。
「勉強しないと、どんな問題が起こるのか」についてですね。
確かに、将来の可能性が狭くなるのはもちろんあります。ただ、テレビを見ていれば九九を言えないアイドル、漢字の読めないタレントがバズって大人気になったりもして、「勉強しなくても生きていける気がする」と思ってしまうのも無理はないのかも。
しかし、テレビに出てくるおバカアイドル?みたいに、「勉強ができなくて成功する」人は超レアです。SSキャラ。何万人に1人とかでしょうから、彼らを見て「勉強しなくても人気になれる」とは思わない方が吉でっせ。
一般の人、多くの人にとって「勉強しないこと」には色々と問題が起こる可能性があります。そこで今日は勉強しないとどうなるのか、具体的な話をしてみたいと思います。
①勉強しないとすぐに起こる問題
まずは、わりとすぐに起きる問題を取り上げましょう。
勉強をサボると、まずシンプルに学力が低下することが挙げられます。そうするとこんな問題が起こりそうですね。
授業がわからなくなる
学校の授業は次第に難易度が上がっていきます。基礎がしっかりしていないと、新しい内容を理解するのが難しくなります。
そうなると、学校授業がわからなくなり、授業がひたすらストレスになります。何を言っているかわからない時間が1時間近く、あるいは半日近く続くのは修行です。苦行です。辛い。
学校生活の充実感の低下
学力が低下すると、授業に対する興味や楽しさなんてほぼゼロになります。学校生活全体の充実感が損なわれ、学校に通うこと自体が苦痛になってしまうこともあります。
定期テストや入試の成績不振
勉強をしていないと、定期テストや入試での成績も当然ながら下がります。当たり前ですが、赤点を取って「やったー!嬉しいー!」と思う人なんてそうそういないはず。
嬉しい人がいるとしたら、どういう事情なのか教えてほしいのでぜひメッセージください。
進路選択の幅が狭まる
これは親も学校の先生もよく言うことですが、勉強をしないと、将来の進路選択にも大きな影響を与えることになります。耳にタコさんかもしれませんが、念の為取り上げておきましょう。
行きたい高校や大学に行けなくなる
成績が悪いと、自分が希望する高校や大学に進学することが難しくなります。勉強をしっかりしておくことで、進学先の選択肢が増え、自分の夢や目標に近づくことができます。
希望する職業に就けない可能性がある
多くの職業には、必要な学歴や資格があります。勉強をしないと、これらの要件を満たすことができず、希望する職業に就けない可能性があります。例えば、医者や弁護士などの専門職は、特定の大学や資格試験に合格する必要があります。
将来の収入に影響が出る
勉強して良い成績を収めると、より良い学校に進学し、より高いスキルや知識を身につけることができます。これにより、将来の収入が高くなる可能性が高まります。逆に、勉強しないと、将来の収入が低くなり、経済的に困難な状況に陥る可能性があります。
進路選択の幅が狭まることで、自分の夢や目標を実現するチャンスが減ってしまいます。勉強を続けることで、自分の可能性を広げ、将来の選択肢を増やすことが重要です。
. 自己肯定感の低下
見逃さないでほしいのが、勉強をしないことで「自己肯定感が下がる」という点です。本人は結構自覚がなかったりしますが、じわじわと自信を削られてしまいます。
成績が悪くなると自信を失う
テストや成績が悪くなると、自分に自信が持てなくなります。周りの友達と比べて自分の成績が悪いと、劣等感を感じることが多くなります。
努力が成果に結びつかない
勉強をしないことで、テストや課題で良い結果を出すことが難しくなります。その結果、努力が成果に結びつかないと感じることが多くなり、ますます勉強する意欲が失われます。努力しても報われないと感じると、自己肯定感がさらに低下します。
悪い点数が続くと、「自分は何をやってもダメ」みたいなメンタルになる人がいます。
ただ単に勉強しなかっただけ、勉強が苦手なだけで、他にも長所があるはずなのに「私なんかどうせ何をやってもダメなんだ」みたいなメンタルになると生きているのが辛くなります。たかが勉強、されど勉強です。
モチベーションが下がる
勉強することで達成感や満足感を得ることができますが、勉強をしないとこれらの感情を得る機会が減ります。達成感や満足感が得られないと、モチベーションが下がり、ますます勉強しなくなります。この悪循環から抜け出すのは難しくなります。
社会的なスキルが低下する
自己肯定感が低下すると、他人と積極的にコミュニケーションを取ることが難しくなります。自分に自信が持てないと、人間関係を築くのが難しくなり、友達を作るのも困難になります。
自己肯定感の低下は、学業だけでなく、人生全般において大きな影響を与えるため、勉強を通じて自信を持ち、自己肯定感を高めることが重要です。
自分に自信が持てなくなる
勉強しないことで、テストの点数が悪かったり、授業についていけなかったりすると、自分に自信が持てなくなります。自信を失うと、さらに勉強する意欲がなくなり、悪循環に陥ってしまいます。
学力が低下することで、授業が分からなくなり、テストの点数が悪くなり、自分に自信が持てなくなります。これらの問題を避けるためにも、日々の勉強が大切です。
社会生活への影響
勉強をしないことで、学業以外の社会生活にもさまざまな悪影響が及びます。具体的には以下のような問題が発生します。
コミュニケーション能力の低下
勉強を通じて得られる知識やスキルは、日常生活や人間関係にも役立ちます。例えば、文章の読み書きや論理的な思考能力は、他人とのコミュニケーションを円滑に進めるために重要です。勉強をしないと、これらの能力が十分に身につかず、他人と意思疎通するのが難しくなることがあります。
例えば、相手から褒められているのに、言葉の意味がわからなくて「けなされている」と感じてしまうとか。その逆も考えられます。国語の勉強をしなかったことで相手が何を言っているのかわからない、正しく理解できないこともあるかもしれません。
実際、勉強が得意な子は話も端的ですが、勉強が苦手で勉強しない子の話はダラダラ長かったり話題が飛んだり、「何を言いたいの?」と思うことも少なくありません。
問題解決能力の欠如
勉強を通じて問題解決能力を養うことができます。例えば、数学や科学の問題を解くことで、論理的に考え、問題を解決するスキルが身につきます。
勉強をしないと、このようなスキルが十分に発達せず、日常生活で直面するさまざまな問題に対処するのが難しくなることがあります。
考えないといけないのに考えられなかったり、書かないといけないシーンで黙々と書けないのは結構辛いですよね。
騙されやすくなる
勉強ができないと騙される危険性も増します。
詐欺師って基本的には超頭がいい人たちです。彼らは頭の切れる人を狙いません。勉強に自信がなく、知識のない人を狙います。頭のいい人を騙すのは難しいけれど、知識のない人は騙されます。難しい言葉を使って煙に巻けばなんとかなっちゃいますから。
何か契約をするとき、大人は契約書を交わすのですが、その中で相手にとって不都合なことはすごく小さな字で書いてあったりします。
勉強が苦手で、文字を読むのが嫌いだという人は、こういう注意書きとかを面倒くさがって読みません。だから自分に不利な契約内容でも気づかずにサインしてしまったりします。
勉強ができない、勉強嫌いを公言していると、騙されやすくなります。
質問の答え
さて、質問をくれた生徒さんへ、私の個人的な考えをお伝えしてみたいと思います。
正直、勉強をしなくても、生きていくこと自体は可能だと思います。義務教育で中学までは出られるし、中卒でも仕事がゼロというわけではありません。何かしらの仕事をして、食べて寝て生きていくことはできるでしょう。
だから、質問への答えは「勉強しなくても生きていくこと自体は可能だよ」ということになります。
ただ、それは最低限の話です。
勉強しなくても、生きていける。でも、その道は岩だらけイバラだらけでひび割れた道かもしれない、ということです。勉強が苦手で自信を失ったり、騙されやすくなったり、可能性に気づくことができなかったり。私はそれでも大丈夫です!というなら全然それでいいと思います。
ただ、現代社会においては、勉強していた人には平らな歩きやすい道が用意されているのも事実です。高卒よりも大卒の方が給料が高いように、勉強した人にお金を払う文化が現代日本にはあるので、仕方がないことですね。
こんな感じで、勉強しないと見えないところで結構な不利益を食らってしまいます。ぜひそのことを知っておいてください。
「知っててその道を歩いた人」と「知らずにその道を歩いた人」は似ているようで全然違います。
納得してイバラの道をいくならいいですが、「こんなにイバラだらけなんて知らなかった!誰も教えてくれなかった!ひどい!」なんて文句を言っても時は戻せないし、なにより超ダサいです。
勉強しない選択を取るのはもちろん自由だけれど、ぜひ問題点も理解しておいてください。
まとめ
勉強をしないことによる問題点は、小さくて目に見えないものばかりです。自信を失うとか、騙されやすくなるとか。
勉強しないと生きていけない、命を奪われるレベルの問題点ではありません。
だから、現代社会で「勉強しなくても生きていくこと」は全然できます。
ただ、「よりよく生きていく」ために勉強は必要だと思います。勉強していることで、人生で起こりそうな嫌なイベントを避けることができます。自信をなくして自分が嫌いになるとか、行きたい進路に進めないとか、騙されて辛い思いをするとか、そういう「リスクを減らす」効果があります。
「教育が高くつくというなら、無知はもっと高くつく」
ベンジャミン・フランクリン
勉強しないことによって、実はすごく高い買い物をしなくちゃいけなくなったり、もらえるはずだったものがもらえない。それは悲しいことです。だから、できれば自分の生徒さんには勉強して欲しいな、と思います。
もちろん、全員が東大やハーバード大学に行く必要はありません。全員が100点を取る必要もないと思っています。自分ができる範囲でやって、自分の目的を達成できたらそれでいいと思います。
「こうなりたい」と思って勉強するのも尊いけれど、
「こうなりたくない」と思って勉強するのも大切なことだと私は思います。
勉強しないとどうなるかを知った上で、「それでもやらない!私は大丈夫」と思うのか、「嫌だけれど勉強するのも嫌だなあ」と思うのか。どちらもあなたの人生です。
あなたにとって最善の道が見つかりますように。