こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
勉強の教え方セミナーに来てくださった方から、こんな相談を受けたことがあるんです。
娘に勉強を教えていると、イライラして仕方がないんです。で、ついつい叱ってしまって、お互いに嫌になる…の繰り返しなんです。これじゃあ成績だけでなく親子関係まで悪くなりそうで。どうしたら教える時にイライラしないで済むのでしょう?
すごくわかります。それ。
勉強を教えていて、すんなり伝わることばかりならいいですけれど、そうもいかない。だって、人間同士ですからね。分からないことだって、分かり合えないことだって多々あります。
私はこの仕事をして述べ10年近いのですが、最初の頃はイライラしていました><なんでできないの?とも思いましたし、イライラを我慢しきれない時もありました…。
しかし、ある方法を試すようになってからは、ほとんどイライラしなくなったんです。今ではほぼノーストレスで勉強を教えられます。
教える時にイライラしてしまうのは、相手に過度の期待をしてしまうことと、相手と臨戦態勢になっていることのふたつが挙げられます。この二つを解決すると、教えるのがとっても楽になりますよ。
そこで今日は、人にものを教えるときにイライラする原因と、対策をご紹介します!
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教えるときのイライラの正体とは
教える際にやってくるイライラ感には理由があります。大きな理由は2つです。
期待値が高すぎる
まずはマインドのお話です。
こっちが一生懸命伝えているのに伝わらないと、イライラしますよね。なんでこんなこともわからないんだろうって。関係性が深くなればなるほど、相手への期待値も上がってしまうもの。
怒りという感情は、期待とセットで起こります。
100を期待していたのに、80が出てきたら「期待を裏切られた」ことから怒りを感じる。50を期待して80なら、期待以上のものが出てきたということだから、怒らない。
その期待の気持ちの種類は様々で、「わかってほしい」であることもありますし、「この子はもっとできるはず」であることもあるでしょう。
期待があるから、その期待が高いから、イライラが生まれてしまうのです。
臨戦態勢になっている
次は物理的なお話です。
イライラするというのは、アドレナリンが出ている状態ですよね。つまり、「これから戦います」という状態に体がなっているんです。だから、臨戦態勢に入らないことが重要。
向き合って、対面に座ることは「これからあなたと戦いますよ」という意思表示です。目を見ると緊張するのは、戦いを仕掛けられる気がするからですね。
では、臨戦態勢とは何かというと、「目をあわせる」こと。人と目があうとドキドキしたり緊張したりしますよね。本来、動物同士が目を合わせるということは、戦いが始まるサインです。
「人と話すときは目を見ろ」といいますね。それは目を見ることで自信があると伝えることができるからです。
教える側はスピーカーズ・ハイ(話しながらだんだん気分が盛り上がる現象)になることがあるので気が付きにくいのですが、教わる側は対面で目を見られながらああしろ、こうしろと言われるの、結構きついです。
もちろん目を見るのは大切ですが、教えるときに目を見すぎないこと。自分も臨戦態勢になりイライラしますし、相手に相当なプレッシャーをかけてしまうことになります。
教える時にイライラするときの対策
次に、教える時にイライラしないための具体策を。
・相手に期待しない
相手に過度な期待をしないことが一つです。
ただし、決して馬鹿にしろということではありません。実力レベルが50の相手に対して60を望んだら、お互いに苦しくなるでしょう。相手にはすでに50が備わっているのに、その良さに気が付くことができないのです。
相手に期待をしすぎないとはどういうことかというと、
- 「これくらいはできるはず」という気持ちを脇に置く
- 「1回言えば伝わるはず」という思い込みを捨てる。
- 「これは常識だから知っているはず」という先入観を外す。
そんな簡単に理解してもらえるなんてまれだし、「わかった」と言われても、おそらく口だけで分かっていません。人はわかっていなくても「わかった!」と言ってしまう生き物だからです。
だから、相手を「ゼロの状態」だと思いましょう。ゼロだから、何もできなくて当然なんです。ゼロだと思っていれば、相手が1や2だったら嬉しくなりますよね。
相手をゼロの状態だと考えておけば、1つできるようになったら純粋に喜べるようになります。これならお互いにハッピーですね。
わからなくて当然で、できなくて当然なんです。そのくらいで臨んだほうがあなたもラク。
相手ができなくても情けなくもないし、あなたの力不足でもないんですよ。
相手がゼロの状態だと思って接すると気が楽です。
・横に座る
そして物理的な話ですが、教えるときは絶対に向かいあって座ってはいけません!
教えるときに対面すると臨戦態勢に入るためアドレナリンが出て、イライラしやすくなります。
何かを教える時は、対面ではなく、横に座ったり、90°になるように座るのがオススメ。
これなら目をまっすぐ見る必要なく、適度に目をそらすことができるから、教える方も教わる方も気が楽になります。
横、90°で座れば、資料の向きも同じなので、向きが違うと混乱しなくて済みますし、一つの資料を一緒に見ることもできます。親近感upです。
イライラするときは座り方を変えてみましょう。
教える時には、絶対に向き合ってはダメ!
横並びに座りましょう。
教える時にイライラしない方法 実際にやってみたら…
相談者さんから話を聞いてみたところ・・
案の定、
娘さんに強い期待感を抱いていたうえに、娘と対面で座っていました
とのことでした。やっぱり。
早速横に座ってもらうことにしたら、それだけでお互いのストレスが減ったのか、娘さんは勉強に集中でき、お母様は優しい気持ちになり、成績がアップしたそうです。
教えていただいた事をやってみました。不思議と今まで敵(?)のように感じていた娘が仲間のように思えるようになりました。私の気持ちに余裕が生まれたのでしょうか?今日とてもよかったのでこのまましばらく続けてみたいと思います。
また、今まで娘の苦手な科目ばかりが気になって得意な科目に目を向けることが無かったのですが、先生とお話しする中で社会が得意という事に気が付きました。
娘に、今度のテストは「社会頑張ろうね」と声をかけたところその場ではどうでもいいというような態度でしたが、一晩過ぎると「社会の勉強しなくちゃね」と口にするようになりました。
相手に対してゼロの気持ちで接することと、横あるいは90°で座ることで、イライラを軽減できるはず。ぜひ実践してみてください。
教える時にイライラしない方法まとめ
- イライラするのは期待しすぎと、臨戦態勢だから
- 相手に期待をしない
- 教えるときは対面せず、となりに座る
教える時にイライラするのは、期待しすぎているのと、臨戦態勢であることが原因です。相手に何も期待せず、自分の当たり前を押し付けずに、相手をゼロだと思って対応することが大切です。
そして、細かいことですが、座り方も重要です。教えるときは絶対に対面せず、横に座って目を合わせないようにしましょう。教える方も教わる方も緊張しすぎずに臨むことができます。
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