こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
勉強嫌いな子を指導していると、時々、こんなことを言う人がいます。
「どうせ自分にはできないです」
「こんなの無理です」
と、自己否定を繰り返すのです。
自信の無さから出てくる言葉なのですが、なぜその言葉が出てくるのでしょうか?
私が思う理由は、自己防衛です。
フロイトは、人間の心には防衛機制があると考えました。
(フロイトの娘がそれを完成させました)
人間の体は、危機的状況があるとその状況を無意識に避けようとします。
例えば、モノが落ちてきたらとっさに避けたり、目を閉じたりしますよね。これは「反射」と呼ばれます。体だけではなく心も、危機的状況に置かれると防衛しようという本能が働くのです。
「どうせ無理!」と言うのも、心を守るために言っているのですね。
何から守っているかというと、「叱られること」「けなされること」「できない人だと思われること」などが挙げられますが、深層心理では「自分がダメだと自分で思いたくない」、つまり自尊心を傷つけられたくないのです。
叱られると危険を感じるから守ろうとしていたり、プライドを傷つけられることから守ろうとしていたり。
他人から「ダメだね」と言われる前に、自分から「私はダメ」と言ってしまえば怒られません。
それどころか、同情してもらったり、笑いが生まれたり、「そんなことないよー、だってあなたは…」と褒めてもらえたり。
危険から逃れられて、いい思いまでできるなら一石二鳥ですよね。
自虐がクセになってしまうのは、おそらくそのためでしょう。
自虐を繰り返す人は、
・そのことに対して自信がない
・できればあまり触れないでほしい
そういうサインのように思います。
だから、叱ったり怒鳴ったりしてやる気を引き出そうとするのは逆効果。よけいに殻にこもってしまうかもしれません。
もし、こういう人が周りにいて、変わってほしいと思うのであれば、方法は一つ。簡単なことから初めて、階段を1つずつ、登れるように支援することです。
「できるかも」という気持ちを育ててあげることから始めましょう。
私自身も、時々「いやーむりだってー」と言いたくなる時があります。(大人になって、過度の自虐が人を不快にすることを学んでからは、控えるようにしています)
そういうときは決まって自信がない時です。予防線を張りたくなるんですよね(T_T)
自信があるとき、余裕でできそうだという時には、「無理だよ」なんて言いません。自虐が働くということは自分の弱さを守っている証拠です。
しかし、これは本人が気付いて、直そうと思わない限り、治りません。他人の自虐を、無理に矯正しようと思わないほうがいいです。
それよりも、受け入れつつ、不安を和らげるアプローチが効果的です。
もし、お子さんに自信が足りない、無理無理!と言ってやろうとしない時は、お子さんを励ましてあげて下さい。
やり方がわからない方は、遠慮無く、ご相談くださいね。
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