こんにちは。横浜・鎌倉のプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
学生さんに勉強を教える仕事をしていると、必ず訊かれる質問がコチラ。
「なぜ、勉強しないといけないのですか?」
「勉強する理由ってなんですか?」
昨日も生徒さんから訊かれました。
これは永遠のテーマかもしれませんね。
「義務教育だから!!」
というのももちろんですが、せっかく毎日何時間もかけて勉強しているのだから、その意味が知りたい、勉強する目的をはっきりさせたいと思うのは当然のことだと私は思います。
そこで本記事では、大きく分けて6つある「勉強する理由」について見てみたいと思います。
勉強のする理由は6つ
専門的な話になるのですが、やる気の2要因モデルという理論があります。
※市川伸一『勉強法が変わる本』やる気の2要因モデルより作成
ざっくり解説すると、著者の市川先生が、学生に勉強をする理由についてアンケートを取ったところ、大きくこの6つに分けられた、という理論です。
報酬思考
報酬すなわちごほうびがもらえるから勉強するという考え方です。
成績がよかったらお小遣いがもらえるとか、学歴があればいい仕事につけるだろうからとか、そういう理由です。
関係思考
仲間のために勉強するという思考です。
それもありだと思います。特に日本人は多いですよね。みんなやるから当たり前だと思って勉強するとか。あるいは親や先生に認められたいと思って勉強することもここに含まれるでしょう。
自尊思考
自尊心というと少し難しいですが、要するにプライドのことです。
自尊心のために勉強することもあると思います。成績がいいと先生やクラスメイトみんなから一目置かれたり、尊敬されますね。いい点をとって自尊心を持ちたいという人も多いでしょう。
訓練思考
自分を鍛えて強くなりたいという思考です。RPG風にいうと「レベルアップのためにスライムを倒しまくる」的なやつです。
勉強することが頭の訓練になる。脳トレにもなりそうです。ものごとを考えられるようにもなるでしょう。
実用思考
実際に何かに活かしたい。例えば車に乗るために運転免許を取るように、すぐ使うから学びたいという理由ですね。資格試験の勉強もこれに当たるでしょう。
充実思考
それ自体が楽しい!勉強楽しい!勉強好き!うれしい!たのしい!大好き!状態ですね。
勉強する動機は、大きく分けてこの6つ。
結構複雑ですね!
えっ、じゃあ何で2要因?
いい質問ですねえ!!
この理論が他の理論と違うところは、勉強する内容と関係があるかないかで分けている点です。
勉強の内容と関係が薄いやる気が「報酬思考、関係思考、自尊思考」
勉強と内容と関連性が高いのが「充実思考、訓練思考、実用思考」というわけですね。
皆様はどうですか。どの動機が強いでしょうか。
どの理由が一番いいのか?
この6つの理由ですが、可能であれば、あとの3つである「内容に大きく関わる理由」で勉強に取り組めることが理想とされています。
勉強の内容そのものに興味を持っている方が、学習はしやすくなると言われています。
一番いいのは充実思考(勉強そのものが楽しい!)でしょう。
私の願いは、子どもたちにも、勉強がキライな大人にも、「勉強の楽しさ」を知ってもらうことです。勉強している瞬間、それが何かに活かされた瞬間って、とっても幸せなんです。
別に何でも良いんじゃないかな
しかし、最初から「勉強って楽しいよね」と思えなくてもいいと私は思っています。
最初は別の理由から勉強を始めて、だんだんと「あれ?面白いかも」と思えたらいいんじゃないかな。と思うのです。
最初は「生活のために」でもいい。「みんなから尊敬されたい」でも、「ライバルに負けたくない」でも、「モテたい」でも、どんなにゲスでも、なんでもいいと思うんです。
よく聞かれるのですが、「将来の夢がない」のも別に気にしなくていいと思います。勉強することで何か新しい視点が開けるかもしれません。目標がなくたって、恥じることは何もありません。
不純かもしれないきっかけだとしても、何もしないよりもずっと尊い。勉強を始めたことが、貴重な一歩なのです。
そこから、なにか新しい発見があったり、向上できたりして楽しさが分かれば、それでいいんだと思います。
勉強が苦手な人も、向上したい気持ちがあるなら、まずはやってみましょう。
勉強が苦手なお子さんをお持ちの方は、ぜひお子さんに「どんなきっかけや理由でもいい」ことを教えてあげましょう。
一生懸命やることで、勉強は楽しくなっていきますよ!
私の場合は…
私が中学生の頃、どんな動機で勉強していたか?あるいは今、どんな理由で勉強しているのか。恥ずかしながら正直に書いてみます。
■生活のため (6)報酬思考
キレイゴトだけでは生きてはいけません。
当然、生活のための勉強もしています。私も、学生時代「いい学校に入っていい仕事に」と思っていました。正直、それでいいと思います。食欲などの基本的欲求が満たされていなければ、勉強しようとか、もっと向上したいという前向きな意欲は出てくるわけがないです。
■チャンスに繋がる (3)実用思考
暇さえあれば、本ばかり読んでいます。
家には本が堆く積まれています。電車での移動時間には本がないと落ち着かないくらい、本が大好き。15分空き時間があれば本屋さんに入るし、30分あればカフェで読書をするし、2時以上あるならブックオフに行きます。
毎日のように心理学や勉強法関連の本を読みあさっては、指導の改善を考えたり、このブログのネタを探したり(笑)。
そんな時間がしあわせだったりします。
生徒さんたちへの指導をもっと良いものにしていきたい。そんな向上心をくすぐり、満たしてくれるのは、やっぱり勉強なんですよね。
■楽しいから! (1)充実思考
勉強そのものが、楽しい。
新しいなにかをインプットしていく作業は、とても楽しいです。うまく言えないのですが、とにかく楽しい。
知的好奇心を満たしたい気持ち、向上したい気持ちは人間の根源的な欲求なんだろうなと思うのです。
学生時代もそんな感じですね。勉強そのものが楽しかったです。
数学の難しい問題が解ける達成感。「あれ?この問題解けるなんて、私って天才かな?」
国語の主人公の気持ちへの共感。「こんな気持ちになるのは私だけじゃかなったんだ~!!」
英語のリズムや発音への「なんかかっこいい」というあこがれ。
社会の、実生活との繋がりを知れたこと。
理科の、・・・・実験?これだけ何も思いつかない(笑)
そして、やればやるだけ点数が上がるワクワク感。もはやゲーム感覚でした。
高校1年生の時、現代社会の授業でフロイトの考え方を学び、心理学にハマり、未だに勉強勉強です。わたしにとって、勉強は楽しいものなんです。
こうして書いてみると、私って相当な勉強好きなんですね。。
どんな理由だっていい。まずは勉強しましょう。そして勉強を楽しみましょう!
◆参考文献:
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本記事は、市川伸一先生の「学習動機の二要因モデル」を参考に書かせていただきました。勉強法を知りたい方には自信を持っておすすめします!