心理学部への進学をおすすめしない理由

進路相談室

こんにちは。佐々木です。

生徒さんから「大学で心理学を学びたい」と相談されることが結構あります。やりたいことを見つけるのはいいことですね!!!!

  • 心理学部ってなんだか面白そう
  • 心理って実社会でも役に立つことが多そう
  • 心理テストとか興味があるから毎日楽しそう
  • 人の心が読めるようになりたい
  • 心理を学んだらコミュ障が治るかも
  • カウンセラーになりたい
  • 人間心理を学んで困っている人の役に立ちたい!

 

うんうん。どれもすごく素敵なことです。

ただし、私はあまり心理学を大学で学ぶことはあまり勧めません。その理由を書きたいと思います。

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心理学をすすめない理由① イメージと違う

「心理学」というと、どんなことをイメージしますか?

多くの人は心理テストとか、占いとか、メンタリスト◯◯さんを想像するかと思います。

で、心理学を学んで、人の心を読めるようになりたいとか、コミュニケーションをうまくやりたいとか。

本記事ではこれを「いわゆる心理学」と呼ぶことにしましょう。

大学で学ぶ心理学は「いわゆる心理学」とは全くちがいます。

実はわたしも大学で心理学の講義を取っていたのですが、世間的な心理学とは全く違う内容でした。

ひたすら鳥などの動物の行動原理とか、脳のつくりとか、脳はどうやって発達したのかとか、そういう話でした。いわゆるイメージ上の心理学というより、生物学でした。

 

後ろに座っていたカップルが、「イメージとちがうんだけどー」と大きな声で文句を言っていました。

彼女さん的には「心理テストとか読心術とかかと思ってたのにー」だそうです。

いやこれシラバス(授業の説明書)に書いてあるからね。ほぼ生物学だから人間の話はほとんどしないって。

 

ちなみにその授業が鳥の行動原理とか脳の作りの話ばかりだったのは、人の心と脳は切っても切り離せないから

加えてなぜ鳥や動物の話かというと、人間の心は複雑すぎるから、動物の行動をみることで 原理を知ってほしいという意図なんです。

 

というように、心理学を「心理テストとか人の心が読めるとか」と想像していると面喰らっちゃいます。気をつけましょう。

 

心理学をすすめない理由② 文系には結構きつい

このように、心と脳、人体はつながっているので、心理学を学ぶ上で生物の知識が必要です。(少なくとも私が受けた講義では生物学が必要でした)

加えて、100人の人を集めてそのうち何人がA、さらに何人がBという行動をとったみたいな実験を行って結果を出すというというように、実験やそこから得られる結果を出すための統計学の知識も必要です。これは数学ですね。

 

なぜか日本では心理学は文学部の中にあることが多く、文系に区分されます。

これはもともと心理学が哲学や文学から来たものとする考えから来ているのですが、欧米をはじめ諸外国では理系の学問として分類されます。

だから、心理学は文系に分類されていても、中身を見ると見るとごりっごりの理系です。「理系が苦手なので文系を選びました」系の人はかなり苦労するので要注意です。

 

心理学をすすめない理由③  カウンセラーになれない?

カウンセラーになりたいから心理学部を志す人もいると思います。

ただし、カウンセラーの国家資格は「公認心理師」のみ。もう一つ有力な資格として「臨床心理士」があります。

ただし、いずれも大学院まで卒業する必要があり、ハードルが高い。

カウンセラー養成をうたう民間団体もたくさんありますが、混交玉石です。つまり、しっかりしている団体もあれば、適当すぎる団体もあって、1日講座を受ければ認定されるような資格もあります。

カウンセラーって、人の悩みに深く入っていく仕事ですよね。その資格を1日で認定してしまうことがどういうことなのか・・・賢いあなたならわかるはず。

だから、カウンセラーになるためにはきちんと大学、大学院で学ぶ必要があるわけですが、公認心理師はまだできたばかりの資格で、就職がどうなのか未知数です。

さらに、日本ではカウンセリングが一般的ではないので、就職も引く手あまた・・・とはいかないらしいです。

決して安泰な仕事ではない、ということですね。

 

公認心理師の詳細についてはこちらが参考になります。

外部サイト「【2019年最新版】公認心理師とは?臨床心理士との違い・受験資格・仕事内容・現任者講習などについて調査しました!」

【2020年最新版】公認心理師とは?受験資格・仕事内容・現任者講習・臨床心理士との違いなどについて調査しました! | なるほど!ジョブメドレー
2017年に定められた公認心理師。臨床心理士とどのような違いがあるのでしょうか。また、公認心理師の取得方法や受験資格、経過措置や現任者講習とは。最新の国家試験の概要や合格率も調査しました。「公認心理"士"」ではなく「公認心理"師"」ですので間違えないように注意しましょう。

心理学をすすめない理由④ 本屋さんで学べる

というわけで、心理学は高校生のみなさんがイメージしているものとは随分とちがうので、入ってから「こんなはずじゃなかった!」という声をよく聞きます。

ヒトの行動原理とか、言葉から嘘を見抜きたいとか、そういう「いわゆる心理学」を学びたいなら、図書館やら本屋さんに行けばたくさん本があります。

大学に行けば数百万円のお金と4年(あるいはそれ以上)の時間がかかりますが、図書館ならタダですし、本屋さんでも1万円あれば相当たくさん本を買えますし、好きなときに勉強できます。

いわゆる心理学を学びたいなら、こっちの方が簡単ですし、コスパがいいです。

ちなみにわたしのおすすめは「影響力の武器」という本です。

これを一冊読めば心理学のことが大体わかる名著です。

とりあえずこれ読んでみてください。少々雑な言い方になりますが、世の中にある心理学の本なんてこの本の焼き直しみたいなもんです。興味があるなら読んで。

 

というか、心理学に関わる本を一冊も読まないで「心理学学びたい」とか言うのは矛盾ですからね。テキトーなのがバレバレでしょうが。興味があるなら調べたり読んでみたいと思うのが当たり前でしょうが。

 

おっと、ちょっと毒を吐いてしまいました。失礼しました。

というわけで、本当に興味がある人は、大学で「教えてもらおう」とする前に、まず自分で勉強してみましょう。いまは読みやすい本もたくさん出ていますよ。

それでも心理学を学びたい人へ 入念まずは学んでみよう

どうしても大学で心理学を学びたいんじゃ!

という人は、先ほど書いた「影響力の武器」をまず読んでみてください。超有名作品なので、どこの本屋さんにもあります。これでいわゆる心理学のことはほとんどわかります。

さらに興味が出たら、いわゆる専門書を読んでみるといいと思います。ポップなやつではなくて、3,000円くらいする分厚くて堅苦しいやつです。

 

更に興味が出たら、「Google scholar(グーグルスカラー)」というGoogleの論文検索サイトで興味のあるものを検索して読んでみてください。論文なんか見てると実験は多いし、難しい数式にシグマが登場したりしてびっくりしますから。

それでも面白いとか、読み続けたいと思えたら素晴らしいです。

それでも心理学を学びたい人へ リスクを知ってから選択しよう

いろいろ書いてしまいましたが、わたしは受験生のみなさんの夢を壊したいわけでは決してありません

何を隠そう、私も心理学を志望していた時期がありましたから。よくわからず「カウンセラーって素敵!」とか思っていました。が、現実を知って諦めました←

 

だからこそわかるのですが、よく知らずに、イメージだけで進路を決めてしまうのは怖いことなのです。

一生懸命、受験勉強して入ったのに、入ってみたら興味が持てない講義ばかり・・・だったら辛くないですか?

 

決断というのは、「決めて断ち切ること」です。つまり他の選択肢を捨てること。

そのために必要なのは覚悟のような精神論ではなく、情報です。イメージで選んでしまうのではなく、実際はどうなのか?自分に合いそうか?目的を果たせそうか?よく吟味してみてください。

そして、その選択に伴うリスクも把握しましょう。リスクとは、ここまで書いてきたようなことです。心理学なら、思っていたのと違うとか、自分に合わないかもしれないとか、就職が大変そうとか。そのリスクを受け入れることができそうなら、その選択はあなたにとってベストです。

 

それでも勉強したい!と思えるなら素敵なことなので、全力で勉強してほしいです。応援しています(^^)

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都内・横浜で活動するプロの家庭教師です。
「わかりやすい説明」と、勉強がニガテな子どもの気持ちにとことん寄り添う「共感力」の指導に定評あり。趣味は歌うこと。
おかげさまで歴6年、合格率は97%超。著書5冊。取材・寄稿多数。●詳しいプロフィールはこちら

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