こんにちは。佐々木です。
「下手の横好き」という慣用句をご存知でしょうか。物事が下手なのに好きだという意味です。「好きこそものの上手なれ」の対義語といえるでしょう。
勉強については、「下手の横好き」というのはすごく難しい、もはやそんな人存在しないのでは?と思っています。
長年やってきましたが、「分からないしテストの点数も上がらない。でも数学が好き」みたいな話、聞いたことが一度もありません。
だいたい、勉強苦手と勉強嫌いはセットです。苦手だけど好き!という人ってそうそういない。
物事を「好きになる」瞬間、きっかけって色々あると思うのですが、そのうちのひとつに「上手にできるから」というのがあると思います。
みんなと一緒にやったら、みんなより早くできた。
あんまり努力していないのに、いい点数が取れた。
なんかよく分からないけれど、上の人から褒められた。
だから好き。みたいな。そういうきっかけで何かを好きになるというのはよくあることです。
勉強を好きな人って、「うまくできるから好き」な人が他の分野よりも多いように思います。テストで点が取れるから。一発で理解ができるから。なんか周りから天才とか頭いいとか褒められるから。だから好きになった、みたいな。
もちろん、勉強した内容が面白いから好き!というモチベーションもあると思います。
ただ、面白いから勉強した、けれどテストで平均点以下だった!追試だ!みたいな展開になったとき、それでも好きと言えるのか?
これが結構難しいんですよね。
勉強はどうしても数値化と縁を切れないし、そのせいで評価がオープンになりがちで、誰かとの比較から逃れることができません。
ダンスにも上手い下手はあるかもしれませんが、全員に点数をつけるのは勉強よりも難しく、評価されたとしても勉強ほどオープンにはなりません。それに、ダンスはみんなで踊ることで「仲間と協力して楽しい、だから好き」みたいなモチベーションを持てます。
勉強は孤独との戦いなので、「仲間と協力しあって楽しいから好き」にはならない。
だから、勉強で成績が下がる、他の人と比較される、そして貶されることがあると、勉強嫌いまっしぐらになってしまいます。
だから、勉強が嫌いな子が勉強を好きになるためには、周囲のポジティブな関わりは重要なので、できる限り明るく楽しく接して「ここ、よくできているよ!」と伝えることに意味があります。また、本人が「自分は頑張っている」と自分で自分を評価できることも大切だと思います。
一人でも勉強嫌いの人の力になれますように。
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