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「したほうがいい」と言ってはいけない

就活生の頃に、ある士業の方に相談に乗っていただいていました。就業経験なんてアルバイト程度で、正社員として働いた経験なんてもちろんない私には、「採用者の意図や学生に求めること」など知る由もなかったのです。

その方と電話で話をしているときに、私がポロッと「○○した方がいい」という言い回しをしてしまい、士業の方に咎められました。

「クライアントに対して『した方がいい』なんて言い回しをするな。クライアントはプライドが高いし仕事に誇りを持っている。どんなに正しいことを言ったって、受け入れてもらえなければ、行動してもらえなければなんの意味もない。」

このような内容だったと記憶しています。

同時、塾講師アルバイトで成果を出し、上司や生徒から信頼を得ていた(ような気がしていた)私は、変な有能感と正義感を持っていて「多少の苦言でも相手のためになることは言わなければなるまい」と考えていたのです。

だから、その士業の方のいうことは理解できたけれども、腹落ちはしませんでした。正しいことをズバリ言うことこそ指導の価値ではないかと。今思うと超恥ずかしい。

で、働くようになって、家庭教師の仕事をしていて、そのことを今になって痛感しています。実際私だって、仕事のことで後輩や年下の人から「もっとこうした方がいいですよ〜」なんて言われたらいい気がしません。曲がりなりにも、ここまでやってきたプライドは持っていますし、「あなたに何がわかるの?」という気持ちは抱いてしまいます。

私にとってのクライアントは「生徒さん」ではありません。あくまで依頼者である「親御さん」です。

親御さんは人生の先輩です。子育ての中で大変なこともたくさんあった中で、お子さんを健康に育てあげ、さらに先のことを考えて教育なさっている。

そんなお親御さんに「こうした方がいいですよ」なんて言えるはずがありません。敬意を持って接するのが当然でしょう。敬意を持っていたら、言い方は自然と変わるはず。

本当に遅いですが、今になってそのことを痛感するのです。

誰かに何かをしてもらいたいと思うなら、言葉の使い方は本当に大切なことです。一つ一つの些細な言い回しに本心が出ますから。つまり、真心をもつこと、そしてそれを表現する語彙力をもつことが大切なのだと思います。言葉一つで結果は大きく変わります。人を苛立たせることもできるし、人を励ましやる気になってもらうこともできる。

だからこそ、言葉への理解を深めていきたいものです。

まだまだ、勉強することはたくさんありますね。

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