こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師の佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は中学生のお子さんをお持ちのお母様からの相談をとりあげます。

娘の英語の成績のことで相談です。5歳から英会話をやっていて英語は好きだし、これまで楽しく英語を学んできました。早いうちから英語に慣れ親しんでもらいたいと思ってのことです。
中学に入ってから、最初のテストは良い点を取れたのですが、2学期に入ったあたりから雲行きが怪しくなり、2学期末には平均点以下の点数を取ってしまいました。娘は「自分は英語が得意」と思っていたため、今回の結果は非常にショックだったようです。
どうして英語ができなくなってしまったのか、原因と対策がありましたら教えて下さい。
「中学生になってから急に英語が苦手になったみたいで…」というご相談をよくいただきます。
たとえば、こんなお悩みです。
「小学校のときは英語が好きだったのに、中学のテストではまさかの平均点以下。本人も落ち込んでいて、どう声をかけたらいいか困っています」
「小さいころから英会話を習っていて発音もきれいだったんです。でも中学校に入ったら、書けない・点が取れない。親の私も驚いています」
もし、あなたのお子さんにも同じような様子が見られたら、それは決して“本人のやる気の問題”ではないかもしれません。
実は、中学生が英語に苦手意識を持ちやすくなる“タイミング”というものがあります。そしてその背景には、小学校と中学校の英語の学び方の違いや、文法への戸惑いが隠れていることが多いのです。
今回の記事では、「なぜ中学生は英語が苦手になりやすいのか」をわかりやすく解説しながら、ご家庭でできる具体的なサポート方法をご紹介していきます。
大切なのは、「どうしてできないのか」を一緒に見つけてあげること。
ちょっとした声かけや学習の工夫で、英語への苦手意識はゆっくりと和らいでいきます。
英語が苦手になりやすい時期とは?
実は、「中学生が英語を苦手になるのはよくあること」と聞いても、なかなか安心できないですよね。でも、それにはきちんとしたデータがあります。
ベネッセ教育総合研究所が実施した「中高生の英語学習に関する実態調査2020」では、**英語に対して「苦手だと感じるようになった時期」**として、特に多かったのが以下の2つでした。
- 中学1年生の前半(約29.5%)
- 高校1年生の前半(約24.8%)
つまり、英語への苦手意識が芽生えるのは “中学1年の最初の数か月”がピークなんですね。
これはちょうど、英語が「楽しい遊び」や「音になじむ時間」から、「評価される学習科目」に切り替わる時期です。
親御さんから見ると「急にできなくなったように見える」この現象。
実際は、英語の学び方がガラッと変わることで、子どもたちの心にブレーキがかかってしまう時期だということがわかります。
3.【よくある原因1】話せるけど、書けない
小学校で英語に親しんできたお子さんほど、中学校の英語でつまずくことがあります。
「英語の歌が好き」「英会話を習っていた」「発音はきれい」――
そんなふうに“話すこと”には自信があったのに、テストでは点が取れない。そんなギャップにショックを受ける子が少なくありません。
中学校では、英語が「話すためのことば」から、「書いて表現し、正解を求められる科目」に変わります。特にテストでは、「正しい文法・正しい語順・正しいスペル」で書けることが求められます。
つまり、これまで「英語ができる=話せる」だったのが、「英語ができる=書ける・解ける」に変わっていくのです。
この変化に気づかないまま中学校に入ると、「えっ、自分って英語苦手だったの?」と自信をなくしてしまうこともあります。
◆親としてできるサポート
「話せるけど書けない」タイプのお子さんには、書くことへの抵抗感を減らしていくことがカギになります。
以下のようなサポートがおすすめです。
●英語の歌詞や好きなフレーズを書き写す
好きな歌手の歌詞や映画のセリフでも構いません。
書く内容に興味があると、自然とスペルにも意識が向きます。
●1日1語、知っている単語をノートに書いてみる
「apple」「pen」など、話せる単語を“書ける単語”にする練習です。
最初は3語からでもOK。目で見て、声に出して、手を動かすのがポイントです。
●書いた文章を一緒に見て、正しく伝わるか確認する
親御さんが英語に苦手意識がある場合は、「どこが好きな単語なの?」「これってどういう意味?」と聞くだけでもOKです。関心を向けてもらえると、子どもは安心します。
このように、「英語を書く」という新しいステップに無理なく慣れていけるよう、“話す”から“書く”への橋渡しをしてあげることが大切です。
4.【よくある原因2】be動詞と一般動詞の混乱
中学英語を見ていて「えっ?」と思うミスのひとつが、「I am play baseball.」「Are you play tennis?」といった文です。
大人が見るとすぐに違和感を覚えるのですが、中学1年生の英語ではこのような文を平気で書いてしまう子がとても多いのです。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
◆理由:be動詞を最初に習うから、定着しすぎてしまう
中学英語では、アルファベットと単語を学んだ後、最初に習うのが「be動詞(am / is / are)」です。
そして、それをひたすら反復練習して、教科書やワークでも「I am a student.」「She is my friend.」といった文を何度も書きます。
ここで“be動詞=英語文の基本”という認識が強くなりすぎてしまうと、動詞を使うすべての文にbe動詞を入れたくなってしまうという状態になるのです。
ところが、次に登場する「play」や「like」などの一般動詞は、be動詞とはまったくルールが違います。
それを理解する前に、be動詞がしみついてしまった子は「とりあえずam / isをつければいいんでしょ?」という感覚で、文をつくってしまうのですね。
◆親としてできるサポート
この混乱を解消するには、「be動詞の文」と「一般動詞の文」をはっきり区別して覚える練習が効果的です。
●例文をペアで覚える
- be動詞:I am a baseball player.
- 一般動詞:I play baseball.
この2つを並べて見せて、「意味は似てるけど、使う動詞がちがうんだね」と声かけをすると、子どもも整理しやすくなります。
●肯定文・否定文・疑問文のセットで練習
一般動詞なら:
- I play tennis.
- I don’t play tennis.
- Do you play tennis?
be動詞なら:
- I am tired.
- I am not tired.
- Are you tired?
こうしたセットで覚えることで、文の構造が自然に身につきます。
英語の文法は「慣れ」と「繰り返し」で定着していきます。
最初のつまずきを放っておくと、後半の文法もどんどん苦手になってしまうので、この時期の丁寧なサポートがとても大切です。
5.【よくある原因3】語順や文法がわからない子も多いです
「単語はわかってるのに、並び替え問題になると急にできなくなる」
「英文を読んでいても、なんとなく意味はつかめるけど、書くとなるとさっぱり」
こんなお子さん、いらっしゃいませんか?
実はこれも、中学生の英語でとても多く見られるつまずきのひとつです。
◆理由:日本語と英語は語順がまったく違う
たとえば、
I wanted to go shopping last Sunday.
という英文。
これを日本語にすると、
**「私は先週の日曜日に買い物に行きたかった」**になります。
ところがこの訳し方、英語の語順とはまるで違いますよね。
英語では「私は(I)→行きたかった(wanted to go)→買い物に(shopping)→先週の日曜日に(last Sunday)」と、動詞が早めに来て、あとから説明が足されていくスタイルです。
日本語は動詞が一番最後。
この語順の違いが、中学生にとって大きな混乱ポイントなのです。
◆親としてできるサポート
「語順が違うから難しい」と感じている子には、以下のような学習を取り入れてみてください。
●音読をくり返す
意味がわからなくてもOK。何度も口に出して読むことで、英語の語順のリズムが体にしみこみます。
●英文を並び替える練習
教科書の例文をばらばらにして並べ替えさせるなど、遊び感覚でできると効果的です。
●文の「かたち」で覚える
「I want to 〜」「I like to 〜」「I go to 〜」など、英語にはよく出てくる“型”があります。
そのまま例文ごと覚えると、文法の知識がなくても自然に使えるようになります。
英語の文法を完全に理解するには時間がかかります。
でも、最初から理屈で覚えようとすると余計に混乱してしまうので、まずはリズムや感覚を大切にするのが近道です。
6.【よくある原因4】英語は得意だと思っていたから後回しにしがち
これはとてもよくあるパターンなのですが、
「英語は昔から得意だったから」と思って、中学のテスト勉強で英語を後回しにしてしまうお子さんもいます。
特に、数学や理科に苦手意識があると、そちらを優先して時間を使い、英語には手が回らないまま試験当日を迎えてしまう。
その結果、「あれ?英語も全然できなかった…」となってしまうのです。
◆理由:「得意=勉強しなくてもできる」と思い込みやすい
英語って、小学校では成績がつかないこともあり、「楽しくできた」「なんとなくわかった」で済んでいた子が多いです。
でも中学に入ると、「単語のスペルが違うとバツ」「aとtheを忘れたら減点」など、細かい知識まできちんと定着させないと点が取れない教科になります。
この変化に気づかずに、「なんとかなるでしょ」と油断してしまうと、一気に平均点を割り込むこともあります。
◆親としてできるサポート
「英語は得意だから大丈夫」と本人が思っている場合でも、一度一緒に問題を解いてみるのがおすすめです。
●学校準拠の問題集を一緒にやってみる
教科書に準拠した問題集を用意して、まずは試験範囲を解かせてみてください。
そのあと、丸つけを親御さんがしてあげると、ミスに気づきやすくなります。
※子ども自身に丸つけを任せると、「惜しいからマル!」「スペルはまあ合ってるでしょ」といった“自分に甘い採点”になってしまうこともあります。
●間違いの傾向をチェックする
- 単語のミス?
- 文法の理解不足?
- 時間が足りない?
- 設問の読み間違い?
こうしたことを一緒に振り返ってあげると、「どこを直せばいいか」が見えてきます。
得意だと思っていた教科ほど、つまずいたときのショックは大きいもの。
お子さんがその気持ちを言葉にできないときでも、「もしかして油断してただけかもね」とやさしく声をかけてあげると、安心して対策に向かえます。
7.【チェック】お子さんはどのタイプ?タイプ別に見る苦手の原因と対策
ここまで、中学生が英語を苦手に感じやすい理由をいくつかご紹介してきました。
ただ、実際には「全部が当てはまる」というよりも、お子さんごとに苦手の傾向が違うことが多いです。
ここでは、よく見られる3つのタイプに分けて、それぞれの原因と対策をまとめてみます。
【タイプ1】話すのは得意だけど、書けないタイプ
◯こんな特徴がある
- 英会話はスラスラ話せる
- 単語の意味はわかっている
- でもスペルがあいまい
- 並び替え問題や書き取りが苦手
◯主な原因
- 小学校の「話す中心の英語」に慣れている
- 「英語=音」だと思っている
- 書く練習の経験が少ない
◯対策
- 歌詞や英語フレーズの書き写し
- 単語テストを親子で実施
- 教科書の英文を丸写しする練習(短くてOK)
【タイプ2】書けるけど、文法が定着していないタイプ
◯こんな特徴がある
- 単語は正確に書ける
- ノートはきれい
- でも「I am play」などの間違いをする
- 並び替えや疑問文の形に弱い
◯主な原因
- be動詞と一般動詞の違いを整理できていない
- 英文の型が頭に入っていない
- 英語の構造が感覚でつかめていない
◯対策
- 肯定・否定・疑問の例文をセットで覚える
- be動詞と一般動詞の違いを比較しながら練習
- 並び替えや穴埋めをくり返し解く
【タイプ3】「得意だし何とかなる」と油断していたタイプ
◯こんな特徴がある
- 小学生のときに英語に自信があった
- 中学の最初は点数も良かった
- 他教科の勉強に時間を取られて英語が後回し
- テスト直前に焦って手をつける
◯主な原因
- 「得意だから大丈夫」という油断
- 実は覚えきれていない単語や文法がある
- 試験勉強の方法がわからない
◯対策
- 問題集やプリントで「穴」を発見
- 間違えたところだけ集中して復習
- 英語も毎日少しずつ触れるようにする
ご家庭でお子さんの様子を見て、「うちの子、どのタイプかな?」と考えてみてください。
原因がわかれば、「どうして点数が取れなかったのか」も見えてきますし、対策も取りやすくなります。
8.【家庭でできる】英語サポート5選
英語が苦手になりかけている時期こそ、家庭でのちょっとしたサポートが大きな力になります。
とはいえ、「英語は苦手で…」という親御さんも多いかと思います。
でも、発音や文法を教え込まなくても、環境を整えてあげるだけで十分効果があるんです。
ここでは、特別な知識がなくてもできるサポートを5つご紹介します。
① 発音してから書く習慣をつける
いきなり書くのではなく、「読んで、聞いて、声に出してから書く」。
この順番で学ぶと、音とスペルが結びつきやすくなり、単語のミスも減ってきます。
単語帳を使う場合も、まずは一緒に発音してから書くように促すと効果的です。
② be動詞と一般動詞の例文ペアを丸ごと覚える
- I am a student. / I study math.
- She is kind. / She plays tennis.
このように、be動詞と一般動詞を対で覚えると混乱が減ります。
文の形ごと頭に入れておくと、文法の理解がスムーズになります。
③ 並び替え問題や穴埋め問題で“パターン”をつかむ
英語の文章にはよく使われる型があります。
「Do you〜?」「Can I〜?」「I want to〜」など、これらのパターンを何度も並び替えて練習することで、文法の感覚が育ちます。
「ゲームみたい」と思えるようになると、ぐんと伸びていく子も多いです。
④「英語の見直し力」を育てる
テストでの失点の中には、「うっかりミス」もたくさんあります。
英語の試験は、見直しの力=点数を上げる力です。
解いたあとのチェックでは、次のポイントを確認すると良いでしょう。
- aやtheのつけ忘れはないか
- ピリオド・大文字・疑問符は正しいか
- スペルミスはないか
- 動詞の形は合っているか
最初は一緒にチェックしてあげてもOKです。
⑤ 問題集やワークを一緒に見る
「テスト前になったら自分でやるでしょ」と思って任せていたら、実は全然手をつけていなかった……というのはよくある話です。
問題集を一緒に開いて、「どのくらい解けるか見せてくれる?」と声をかけてみましょう。
**できているところと、つまずいているところを“見える化”**するだけでも、対策が立てやすくなります。
いずれも特別なスキルはいりません。
「英語のこと、一緒に考えるよ」という姿勢が伝われば、子どもは安心して苦手に向き合っていけます。
まとめ:英語が苦手になるのは自然なこと、でもサポートで変わります
中学生が英語を苦手に感じるのは、決してめずらしいことではありません。
ベネッセの調査でも、中学1年生の前半は特につまずきやすい時期だとわかっています。
特に、
- 話すのは得意でも書けない
- be動詞と一般動詞が混ざってしまう
- 語順や文法が難しく感じる
- 得意だったから後回しにしてしまった
こうした理由が、知らないうちに成績の低下につながってしまうことも多いのです。
でも、どれも「やる気がないから」ではありません。
学び方が少し変わっただけで、これまでの学習スタイルと合わなくなっているだけなのです。
お子さん自身がそれに気づかないまま落ち込んでしまっているとしたら、
親御さんが「今が変わり目なんだよ」と気づかせてあげることが、大きな支えになります。
「英語って本当は好きだったんだよね」
「またできるようになるよ」
そんな言葉が、お子さんの心に届くとき、英語はもう“苦手な教科”ではなくなっていくはずです。
もし、「家庭ではサポートしきれないかも」「どこが苦手なのか見きれない」と感じたときは、家庭教師などプロの力を頼るのもひとつの方法です。
お子さんの“英語がわかる楽しさ”を取り戻すお手伝いができたらと思っています。
ご相談はいつでもお気軽にどうぞ。
以上、佐々木(@kateikyo_megumi)でした!
カテゴリー