1.はじめに:ノートがもったいない?それってよくある悩みです
こんにちは。苦手科目を得意に変えるプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
「うちの子、最近ミスが多いな…」と思って、ふとノートを見てみたら、途中式がほとんど書かれていなかった。
理由を聞いてみると、「ノートがもったいないから」と。
こうしたエピソード、実は多くのご家庭で見られます。
もしかすると、この記事を読んでくださっているあなたのお子さんも、同じようなことを言っているかもしれませんね。
勉強のミスの原因をたどると、案外「途中式を書いていない」ことが関係しているケースが少なくありません。
そして、その背景には、「もったいない」「めんどうくさい」「どうせ書いても見られない」といった、いろいろな気持ちが混ざっていることもあります。
この記事では、
・なぜ子どもは「ノートがもったいない」と感じるのか
・途中式を書かないことによる影響
・親としてどんな声かけやサポートができるか
を丁寧にお伝えしていきます。
まずは、子どもが本当に「ノートがもったいない」と思っているのか、その気持ちの奥をのぞいてみましょう。
2.「ノートがもったいない」と言う子どもの本音とは?
「ノートがもったいないから、途中式は書かない」
子どもがそう言うと、つい大人は
「そんなこと気にせず書いていいのよ」
「使い切ったらまた買ってあげるよ」
と返してしまいがちです。
たしかにその通りなのですが、ちょっとだけ立ち止まって、その言葉の“奥”にある気持ちを想像してみてほしいのです。
ノートがもったいない、というのは、もしかするとこういう気持ちの表れかもしれません。
- できれば早く終わらせたい(面倒くさい)
- 自信がないから、あまり見られたくない
- 途中式を書いても、誰も見てくれないし評価されない
- うまく書けないから、きれいに残すのが恥ずかしい
- 学校で「書きすぎ」と言われたことがある
中には、ほんとうに「家にノートの在庫がないから、節約しなきゃ」と思っている子もいるかもしれません。
けれど多くの場合、「もったいない」は“本音そのもの”というよりも、“本音を隠す言い訳”になっていることがあるのです。
特に思春期の子どもたちは、自分の気持ちをうまく言葉にできないこともあります。
そのため、「やらない理由」をノートや鉛筆といった“モノのせい”にして、距離を取っているのかもしれません。
もしお子さんが「ノートがもったいないから書かない」と言っていたら、
「それはなぜなんだろう?」
「もしかすると何か気になることがあるのかな?」
と、やさしく寄り添うような気持ちで接してみてくださいね。
3.途中式を書かないことのデメリット
途中式を省いて答えだけを書いてしまうと、一見スピーディに進んでいるようにも見えます。
でも実は、勉強の成果や正確さをじわじわと削ってしまうような側面もあるのです。
ここでは、途中式を書かないことで起きがちなデメリットを3つご紹介します。
(1)ミスが増えやすくなる
途中の計算過程を飛ばしてしまうと、どこで間違えたのかが自分でもわからなくなってしまいます。
特に分数や小数、割合など少しややこしい計算では、暗算でやろうとしてミスが発生しやすいです。
また、見直しをしても途中式がないと答えが正しいかの判断がつかず、「何となく合ってるかな」で終わってしまうこともあります。
(2)考え方を伝えられなくなる
テストで点が伸び悩んでいるとき、親や先生が一緒に見てあげようとしても、途中式が書かれていないと「どこから説明すればいいかわからない」状態になります。
せっかく頭の中で考えていても、それを表に出さない限り、周りの大人には伝わりません。
「どう考えているのか」を記録しておくことは、他人に伝える練習にもなっていきます。
(3)“考える力”が育ちにくくなる
途中式を書くことは、ただのメモではありません。
「どこで何を計算するか」「どう順序立てるか」など、頭の中の処理を外に出す行為です。
つまり、「思考を言語化する訓練」そのものなんですね。
途中式を書きながら解いているうちに、子ども自身が「あれ?ここってなんでこうなるんだっけ?」と気づくこともよくあります。
これは、自分で学びを深める大切なチャンスです。
4.親ができる3つのサポート法
途中式を書く大切さは、きっとお子さん自身もなんとなくわかっているはずです。
でも、わかっているのにやらないのが、子どもというもの。
そこで、ここでは親御さんができるちょっとした声かけや工夫を3つご紹介します。
ほんの少しの働きかけで、お子さんの行動が前向きに変わるきっかけになることがあります。
(1)「ノートは使ってなんぼ」と伝える
まずは、ノートは“節約するもの”ではなく、“使い切るもの”だという考え方を共有するところから始めましょう。
たとえば、
「ノートって、使ったぶんだけ頭がよくなるんだって」
「たくさん書いてる人ほど、後で見直したときに自信がつくんだよ」
というように、ノートを“減らすもの”ではなく“育てるもの”と捉え直してもらう声かけがおすすめです。
新しいノートを渡すときに、
「このノート、どれだけ使えるか楽しみだね」
とポジティブな視点を添えてあげるのも効果的です。
(2)気軽に使えるノートを用意する
新品のきれいなノートだと、「きれいに使わなきゃ」と気負ってしまうお子さんもいます。
そこで、あえてお家で余っているノートやメモ帳など、気軽に書ける紙を渡してあげるのも一つの方法です。
たとえば、
- 昔使いかけて余ったノート
- 裏紙を束ねたメモパッド
- 「これは途中式専用ノートね」と役割を分けたノート
など、自由に書いていいんだという安心感を持てるようにすると、途中式へのハードルが下がることがあります。
(3)途中式を“見せるもの”として褒める
途中式があると、「どう考えたのか」が目に見えるようになります。
それを活かして、「正解だったかどうか」よりも、「こうやって考えたの、いいね」「この工夫、お母さん気づいたよ」と思考の過程を認める声かけをしてみてください。
たとえ間違っていたとしても、
「このやり方を試してみたんだね」
「順序立てて考えようとしたの、すごいと思う」
と、結果ではなく“途中”に目を向けてあげると、子どもは「書いたことが認められた」と感じて、自信につながります。
こうしたサポートは、ちょっとした意識の向け方だけでできるものばかりです。
無理に叱ったり正そうとしなくても、自然と「書いてみようかな」と思えるような環境づくりが、長い目で見てとても効果的です。
5.どうしても書きたがらないときの代替案
声をかけても、ノートを変えてみても、なかなか途中式を書きたがらない。
そんなときは、「紙に書くこと」だけにこだわらず、別の形で“考えた過程”をアウトプットする方法を取り入れてみるのもひとつです。
無理に「書きなさい」と言い続けるより、本人が自然にやってみたくなる工夫を探すほうが、長い目で見て効果的な場合もあります。
● ホワイトボードを使って自由に書かせる
紙だと「間違えたら嫌だな」「きれいに書かなきゃ」と感じる子もいますが、ホワイトボードなら書いてもすぐ消せるため、気軽に試せます。
「ここは自由に考えてOKな場所」として用意してあげると、少しずつ手が動くようになることがあります。
● 下書き用の紙を1枚だけ渡す
「ノートに書くのが嫌なら、この紙1枚だけ使っていいよ」と声をかけて、コピー用紙や裏紙などを渡してみましょう。
1枚限定だと「とりあえずこの中でやってみようかな」と思いやすくなり、取り組みやすくなることもあります。
● タブレット学習やアプリの手書き機能を活用する
もしデジタル教材を使っているご家庭であれば、途中式を書き込めるスペースがあるタイプを選ぶのもおすすめです。
手書き入力ができるアプリなら、紙よりも気軽に使えると感じる子もいます。
● 声で説明させてみる(口頭アウトプット)
「どうやって考えたか教えてくれる?」と声をかけて、あえて書かずに言葉で説明させるのも、効果があります。
これは一種の思考整理であり、途中式を書くことと同じような頭の使い方になります。
説明しながら自分で間違いに気づくこともあるので、親子のコミュニケーションとしても有効です。
途中式を書くことは大切ですが、それが目的になってしまっては本末転倒です。
まずは「どう考えたのかを自分なりに表現してみよう」という意識が育つことが、いちばんの土台になります。
6.まとめ:ノートを“減らさない”より、“使いこなす”が大事
「ノートがもったいないから、途中式は書かない」
そんなお子さんの言葉に、どう返せばいいのか悩んでしまうこともあると思います。
でも、その奥には
「ミスしたくない」
「ちゃんとできる自信がない」
「早く終わらせたい」
といった、さまざまな気持ちがあるのかもしれません。
まずはその気持ちにそっと寄り添いながら、「ノートは使い切ってこそ力になるもの」ということを、やさしく伝えてあげてください。
ノートは減らすものではなく、学びを深めるための道具です。
途中式を書くことは、ただの作業ではなく、「自分の考え方を形にする力」や「間違いに気づける力」につながっていきます。
親御さんが「いっぱい書いてえらいね」「その考え方、いいね」と言ってあげるだけで、子どもは安心して手を動かせるようになります。
きれいに書けなくてもいい、間違えてもいい。
ノートをいっぱい使ったその先に、「わかった!」「できた!」の積み重ねが生まれていくはずです!
以上、佐々木(@kateikyo_megumi)でした!
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