こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
中学生の息子さんの勉強嫌いに困っている方から質問をいただきました。

中1の男の子の母です。小学生の頃は、そこまで勉強を嫌がるタイプではなかったんですが、中学に入ってから本当に何もやりません。
「明日テストなのに大丈夫なの?」と聞いても「うん、大丈夫」と言うだけで、そのままスマホを触っていたり…。
あまり言うと反発するので、見守るようにしているつもりなんですが、やっぱりこのままでいいのか不安で。
「勉強って楽しいよ」って思ってもらえるようにしたいけど、どんな声かけをしたらいいのか分からなくて、悩んでいます。
「勉強、全然してないんだけど…」
「『勉強しなさい』って言うたびに、イヤな顔される…」
「塾に行かせてるけど、まったくやる気が見えない…」
そんなふうに悩んでいるお母さん、多いんじゃないでしょうか。
中学生になると、勉強の内容も一気に難しくなり、思春期ならではの反発心も芽生えてきます。
「ちゃんとやってほしい」と思う気持ちと、「口うるさく言いたくない」という気持ちの間で、戸惑っている方も多いはずです。
今回は、そんな勉強嫌いな中学生が「ちょっと勉強、やってみようかな」と思えるような、“好きのきっかけ”をつくるために、親としてできるサポートについてお話しします。
お子さんの心にそっと寄り添いながら、少しずつ前に進めるヒントになればうれしいです。
中学生が勉強を嫌いになる理由とは?
「小学生のころはそれなりにやっていたのに、中学生になってから急に勉強しなくなった」
そんな声、よく聞きます。
でも、それにはちゃんと理由があるんです。
まずは「なぜ今、勉強がイヤになってしまっているのか?」を知ることから始めてみませんか?
■ 思春期の「反発心」と「自分で決めたい気持ち」
中学生って、ちょうど心も体も大きく変化していく時期。
親に言われるがままに行動するのが、だんだんイヤになってくるんです。
「勉強しなさい」と言われるほど、やる気がなくなってしまうのは、よくあること。
それは“反抗期”というよりも、「もう自分の意思で動きたい」という自立の始まりともいえます。
ちょっぴり扱いづらく感じるかもしれませんが、実はそれもお子さんが成長している証拠なんですね。
■ 成績やテストのプレッシャーで疲れている
中学生になると、成績が内申に関わったり、順位が出たりと、急にプレッシャーが強くなります。
まじめで頑張り屋さんほど、「期待に応えられないかも…」と不安になったり、「どうせやってもムリ」と感じてしまうことも。
そうすると、勉強そのものを避けるようになってしまうことがあるんです。
■ 楽しいことが身のまわりにたくさんある
スマホ、ゲーム、動画、SNS…。
今の子どもたちのまわりには、“手軽に楽しめるもの”がたくさんあります。
すぐに成果が出るわけでもない勉強より、楽しいものに目が向いてしまうのは、自然なことかもしれません。
つい「勉強よりゲームばっかり!」と怒りたくなる気持ちも分かりますが、そう思ってしまう子どもの気持ちも、少し想像してみてあげたいですね。
2. 無理にやらせようとしないことが、実は近道
お子さんが勉強しない姿を見ると、どうしても「このままで大丈夫なのかな…」と不安になりますよね。
「ちゃんとやらせなきゃ」「いつになったらスイッチが入るの?」と焦る気持ちも、親としては当然のことです。
でも実は、無理にやらせようとするほど、子どものやる気はどんどん下がってしまうことがあるんです。
■ 「勉強=怒られるもの」になっていない?
もしお子さんが「また怒られるかも…」「どうせできないって言われる…」と感じているとしたら、それだけで勉強がイヤになってしまいます。
特にまじめな子ほど、「ちゃんとやらなきゃいけないのにできない自分」を責めてしまいがち。
そんな気持ちのままでは、勉強に向かうエネルギーなんて出てきませんよね。
だからこそ、まず大事にしたいのは「結果」よりも「気持ち」の方なんです。
■ 「やらせる」よりも、「見守る」ことの大切さ
無理に「勉強しなさい」と言わなくても、お子さんは本当は分かっています。
親が見てくれていること、信じてくれていることが伝わると、不思議と自分から少しずつ動き出せるようになるんです。
たとえば…
- 「今日ちょっと机に向かってたね」
- 「プリント、自分で始めたんだね。えらいね」
そんなふうに、“やる気そのもの”ではなく、“やろうとした気持ち”を見つけて声をかけてあげる。
それだけでも、子どもの心はゆっくり動き出します。
「言わなきゃ、何もしないんじゃないか」と心配になる気持ちも分かります。
でも、いちばん大きな後押しになるのは、「信じてくれてるんだ」という安心感なんですよね。
お母さんのちょっとしたまなざしや、やさしい声かけが、子どもにとっては何よりのエネルギーになるんです。
3. 親だからできるサポートとは?
勉強が苦手、嫌い、やりたくない…。
そんなふうに感じているお子さんに、親として何ができるのか、どう声をかければいいのか、迷ってしまうことってありますよね。
でも大丈夫です。難しいことをしなくても、お子さんの「気持ち」に寄り添うだけで、ちゃんと届くものがあるんです。
ここでは、今日からできる小さなサポートをご紹介します。
3-1. 「結果」じゃなくて「がんばろうとした気持ち」をほめる
ついつい、テストの点数や通知表の評価に目がいってしまいがちですが、
それよりも、**「やろうとした気持ち」や「取り組んだ過程」**に目を向けてみてください。
たとえば、
- 「今日は自分から机に向かったんだね、すごいね」
- 「昨日より5分長くやってたね、がんばってたね」
- 「やってみようって思ったんだね、えらいよ」
こんな声かけは、自己肯定感の土台になります。
「やってみてよかった」「またやってみようかな」って、お子さんの中に小さなやる気の芽が育っていくんです。
3-2. 「なんのために勉強するの?」を一緒に考えてみる
「勉強って、なんでしなきゃいけないの?」
これは、中学生になったお子さんがよく抱く疑問のひとつです。
この質問にすぐ答えを出す必要はありません。
むしろ、「お母さんも学生のころ、そう思ってたよ」と一緒に考えてみることが大切です。
「将来のため」「選択肢を広げるため」――そんな言葉よりも、
「やりたいことが見つかったときに、困らないように」
「行きたい高校に行けるように、少しずつ準備してるんだよ」
など、お子さんのペースで考えられるように寄り添うことが、やる気のきっかけになります。
3-3. 勉強を楽しめる“道具”を一緒に探してみる
今の時代、勉強は「教科書とノート」だけではありません。
アプリや動画、オンライン教材など、楽しみながら学べるツールがたくさんあります。
たとえば…
- 教科ごとに解説してくれるYouTubeの学習チャンネル
- 問題を解くたびにポイントがたまるアプリ
- クイズ形式で学べるゲーム型の教材
お子さんが「ちょっとやってみたい」と思えるものが見つかれば、
それが「勉強って意外と楽しいかも」と思える第一歩になるかもしれません。
「勉強しなさい」ではなく、
「これ面白そうだね、一緒に見てみようか」と声をかけてあげると、心のハードルもぐっと下がります。
親が“がんばらせる”のではなく、“寄り添いながら応援する”。
それだけで、お子さんの中に少しずつ変化が芽生えていきます。
完璧なサポートじゃなくて大丈夫。
お母さんにしかできない“まなざし”が、子どもにとっては何より心強いんです。
4. 勉強が好きになる“きっかけ”を一緒に探す
「勉強しなさい」と言っても動かないのに、
ある日ふと、好きなことに関係した勉強だけは集中していた…。
そんなこと、ありませんか?
実は、「勉強って、思ったよりおもしろいかも」と感じるきっかけは、
すごく小さなところに潜んでいます。
親御さんがそのサインに気づいてあげられると、
お子さんの“勉強への扉”がそっと開いていくことがあるんです。
■ 好きなこと×勉強をつなげてあげる
たとえば、こんなケースがよくあります。
- 漢字は苦手だけど、地図を見るのが好き → 社会の地理が得意に
- 数学はイヤだけど、パズルやロジックゲームが好き → 図形問題にハマる
- 英語の勉強はしんどいけど、洋楽や海外の文化には興味津々
子どもは「勉強」と思うと構えてしまうけど、「好きなこと」とつながっていると気づくと、案外スッと入っていけるものです。
お母さんが
「それ、勉強と似てるね」
「それ、理科で出てくる話だよ」
とさりげなく声をかけることで、お子さんの中で“点と点がつながる”感覚が生まれます。
■ 自信の持てる経験を積ませてあげる
勉強嫌いなお子さんの多くは、「できない」と思い込んでいます。
だからこそ、小さな「できた!」の積み重ねがすごく大切なんです。
たとえば…
- 漢字テストで1問でも合っていたら「前より増えたね!」
- 自分から教科書を開いたら「今日もよく頑張ったね」
- 問題集が1ページ終わったら「やり切ったね、すごい!」
大人から見ると“ちょっとしたこと”でも、
子どもにとっては大きな成功体験になります。
その小さな成功が、「もう少しやってみようかな」「次もがんばろうかな」という気持ちにつながっていくんです。
■ きっかけは、「楽しい」の中にある
勉強が好きになる瞬間って、「役に立つ」よりも「おもしろい」が先だったりします。
「なんかこれ、好きかも」
「よくわからないけど、やってて楽しい」
そんな感覚をお子さんが持てるように、
親御さんは“きっかけの種”をそっとまいてあげるだけでいいんです。
お子さんの心がちょっと動いた瞬間を、見逃さないこと。
それを一緒に「嬉しいね」と共有していくこと。
それだけで、勉強は「やらなきゃ」から「やってみたい」に変わっていきますよ。
5. それでも悩んだら、ひとりで抱え込まなくて大丈夫
ここまでいろいろ工夫してきたけれど、やっぱりうまくいかない。
声をかけても反応がないし、イライラしてしまう日もある。
そんなふうに感じることって、ありますよね。
頑張っているお母さんほど、自分を責めてしまうこともあります。
でも、勉強のことを“家族だけで何とかしなきゃ”と抱え込まなくてもいいんです。
■ お子さんに合う“学びの形”は、家庭以外にもある
もし今、家庭学習や塾でうまくいっていないと感じるなら、
「家庭教師」や「オンライン学習」など、第三者の力を借りてみるのもひとつの方法です。
たとえば…
- 家では甘えが出てしまうけど、外の人の言葉なら素直に聞ける
- 自分のペースで学べる環境が、安心感につながる
- 家庭では言いにくいことも、外の人にはポロっと話せることがある
こんなふうに、“おうちでは見せない一面”が外では出てくることもあります。
大切なのは、「どこで学ぶか」より、「その子が安心して取り組める環境かどうか」なんですよね。
■ 親が“全部やろうとしないこと”もサポートのひとつ
子どもにとって、親はとても大きな存在です。
でもその分、近すぎてぶつかってしまうこともあるし、感情が絡んで伝わりにくくなることもあります。
だからこそ、「ちょっと手放す」という選択も、時には必要かもしれません。
「わたしがちゃんとしなきゃ」と思い詰める必要はありません。
お子さんに合う人や場所を見つけてあげることも、立派なサポートなんです。
■ だいじょうぶ、あなたはもう十分やっている
どんなに頑張っても、うまくいかない日があります。
つい怒ってしまって、あとで後悔することもあります。
でも、それって「どうにかしてあげたい」という気持ちがあるからこそ、なんですよね。
完璧じゃなくてもいいんです。
試行錯誤して、悩んで、それでも「この子のために」と思っているあなたの姿こそが、お子さんにとっての安心なんだと思います。
お子さんが「勉強がちょっと好きかも」と思えるようになる日は、すぐには来ないかもしれません。
でも、今日お母さんがこの記事を読んでくださったこと自体が、小さな一歩なんです。
どうか、ひとりで背負い込まずに。
ときには周りに頼りながら、ゆっくりと、できることから始めていきましょうね。
まとめ
中学生の勉強嫌い。
その言葉の裏には、きっとたくさんの「不安」や「モヤモヤ」があると思います。
✔ 「どうしてこんなにやる気がないの…」
✔ 「このままで大丈夫なのかな」
✔ 「つい怒ってしまって、あとで自己嫌悪…」
どれも、お子さんを思うお母さんだからこその気持ちです。
まずは、その優しさを、ご自身でも大切にしてあげてほしいなと思います。
勉強って、本当は「やりたくないことを無理にやる」ものではなくて、
「できるようになると、ちょっとうれしい」「わかると、なんか楽しい」
そんなふうに“心が動く”瞬間があるものなんです。
その小さな“好きかも”を見つけていく過程を、お母さんがあたたかく見守ってあげること。
それが、何よりのサポートになります。
今日のこの記事が、「そうか、こんなふうに関わってみようかな」と思えるきっかけになればうれしいです。
お母さんのやさしいまなざしが、きっとお子さんに届いていきますように。
以上、佐々木(@kateikyo_megumi)でした!
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