こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は「先輩から総合型選抜の話を聞いて興味を持っているけれど、準備って何すればいいの?」と疑問に思っている生徒さんから質問が届いています。

高1です。最近、引退した先輩が早めに合格して部活に戻ってきました。総合型選抜で結構いいところに決まったらしいです。
「一般より楽だった」って言ってて、正直ちょっと興味があります。ただ、「でも早めに対策しないと間に合わないよ」とも言っていました。
自分はまだ進路も決まってないし、志望校とか学部とか全然イメージがなくて…。
そもそも、総合型選抜って何を準備するんですか? 今から動かないと手遅れになるんでしょうか?
総合型選抜という言葉を耳にして、「そろそろ準備を始めた方がいいのかな?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
学校の先生や先輩から「早めに動いたほうがいいよ」と言われることもありますが、
実際のところ、いつから・何を・どうやって準備すればいいのかは、はっきりと教えてもらえる機会が少ないのが現実です。
この記事では、総合型選抜の準備を「高1・高2・高3」の時期別に整理しながら、今のタイミングでできることを一緒に考えていきます。
もし、「ちょっと出遅れてしまったかも…」と感じていたとしても大丈夫です。
“今ここから始める”ことが、いちばんの早道になることも多いのです。
自分のペースで、少しずつ準備を整えていくヒントになれば幸いです。
総合型選抜ってどんな入試?
総合型選抜は、いわゆる「一般入試」とは選ばれ方が異なります。
学力試験だけではなく、書類や面接を通して“その人らしさ”を見てもらう入試です。
具体的には、次のような評価が行われます:
- 自己PR文や志望理由書などの書類
- 面接やプレゼンテーション
- 高校での活動実績や評定(成績)
これらを通して、「この人はなぜこの大学・学部を目指すのか」「どんな姿勢で学んでいこうとしているのか」といった点が見られます。
つまり、点数だけでなく、“人柄”や“考え方”も評価対象になるということです。
そのぶん、「何を見せるか」「どう伝えるか」といった準備が必要になってきます。
そして、その準備はある程度の時間があった方が、落ち着いて進めやすいという特徴があります。
「やってきたこと」と「これからやりたいこと」をつなぐ。
それが、総合型選抜で大切にされている考え方なのです。
高1のうちにやっておきたいこと
特別なことをするより、日々を大切に
総合型選抜の準備というと、何か特別な活動をしなければいけないような気がするかもしれません。
でも、高1のこの時期に大切なのは、まずは学校生活の土台をしっかりつくることです。
とくに意識しておきたいのが、この3つです。
1.勉強をしっかりやる(ここから評定が始まります)
高校受験が終わって、少し気がゆるむ時期かもしれません。
でも、実は高校1年生の成績からすべて「評定平均」に含まれるので、もうすでに「大学受験の成績」が始まっているとも言えます。
評定は、総合型選抜の出願条件として「〇〇以上必要」とされることも多いですし、学校推薦型選抜にも関わってくる数字です。
もちろん、成績だけで合否が決まるわけではありませんが、成績が高いとそれだけで選択肢が広がるのは事実です。
「毎回の定期テストを大事にする」「授業中の態度や提出物も丁寧にこなす」
そういった日々の積み重ねが、あとで大きな安心につながります。
2.やれるなら、部活も全力で
部活動は、続けているだけで自分らしさを語れる“素材”になります。
たとえば、
- チームで取り組む中で気づいたこと
- くじけそうになったとき、どう乗り越えたか
- 上手くいかない時期をどう過ごしたか
こうした体験は、総合型選抜で求められる「自分の言葉で語る力」のもとになります。
大会で入賞しなければ意味がない、ということはありません。
もし部活が合わないと感じたら、無理に続けなくても構いません。
でも、自分なりに“本気で向き合った経験”があると、それは大きな強みになります。
3.「ちょっと気になる」を見逃さない
もうひとつ、この時期に意識しておくといいのが、「興味の芽」を大切にすることです。
- 授業で「面白い」と感じたテーマ
- ニュースや記事で気になった話題
- なんとなく惹かれる本や映画、話題
そういった小さな“気になる”が、将来の進路につながるヒントになることもあります。
すぐに「これを学びたい!」と決まらなくても大丈夫です。
「なんで気になったんだろう?」と、少しだけ自分に問いかけてみると、それだけでも立派な準備になります。
まとめ
高1では、特別な準備を始めるよりも、日々の勉強と、やれることへの前向きな姿勢を大切にすることが一番の近道です。
そしてその中で、「これはちょっと面白いかも」「こういうの得意かも」と思える瞬間があれば、それが進路を考えるきっかけになっていきます。
今はまだ遠くに感じる大学入試かもしれませんが、実は少しずつ、もう始まっています。
今できることを、ひとつずつ丁寧にやっていきましょう。
高2のうちにやっておきたいこと
「「なんとなく」を「自分の言葉」に変えていく時期
高2になると、まわりでも進路の話が少しずつ出てくるようになります。
まだ明確な目標がなくても大丈夫。
でも、「そろそろ考えたほうがいいのかな」と思ったら、それが最初のきっかけです。
この時期は、“自分の考え”を少しずつ形にしていく準備期間だととらえるとよいかもしれません。
1.「これが好きかも」を深めてみる
高1のときに芽生えた興味や関心を、少しだけ深めてみましょう。
- 好きな教科やテーマについて、記事や本を読んでみる
- 授業の探究活動をきっかけに、自分なりの問いを立ててみる
- 地域のイベントやボランティアに関わってみる
こうした行動を重ねていくと、「この大学・この学部で学びたい理由」が自然と出てくるようになります。
すぐに志望校を決める必要はありませんが、自分の興味がどの方向にあるのかを少しずつ整理していけると、書類を書くときや面接の場面で大きな支えになります。
2.評定平均を意識した勉強をする
総合型選抜では、「人物重視」と言われながらも、評定平均(=高校の成績)を出願条件にしている大学が多数あります。
特に高2の成績は、出願時の評定平均に大きく影響するため、この1年間をどう過ごすかが重要な分かれ目になります。
- 定期テスト対策をしっかり計画的に進める
- 提出物・授業態度なども丁寧に取り組む
- 苦手教科を放置せず、早めに対策する
この1年の頑張りが、「出願できる大学の幅」を大きく左右することを覚えておきましょう。
3.経験を「意味づける」練習をする
部活動や学校行事、委員会、探究活動など、経験そのものももちろん大切です。
でも、総合型選抜ではそれ以上に、その経験をどう振り返り、自分にとってどんな意味があったかを言葉にできるかが問われます。
- なぜその活動を選んだのか
- どんなことに悩み、どんな工夫をしたのか
- その経験を通して、何を学び、自分がどう変わったのか
ふだんから「なんで自分はそう感じたんだろう?」と立ち止まってみるだけでも、自己分析の力が養われていきます。
4.志望校や学部の情報を集め始める
この時期から少しずつ、大学や学部のことを調べていくのもおすすめです。
- どんなカリキュラムがあるか
- 学生がどんな活動をしているか
- どんな入試方式があるか
- 出願書類の形式や提出時期はどうなっているか
高2のうちにこれらを把握しておくと、高3での準備がスムーズに進みます。
オープンキャンパスやオンライン説明会にも参加して、肌感覚で「合いそう・合わなそう」をつかんでおくのもよいですね。
5.検定試験の挑戦
英検などの外部英語検定は、大学によっては総合型選抜の出願要件や評価加点に含まれることがあります。
- 「英検2級以上」などの出願条件を設定している大学
- 「英検〇級を持っていれば一次選考免除」などの制度
- 志望理由書や面接の“根拠”として英語力を活かせるケースも
高3になると、他の準備に追われて検定対策が後回しになりがちです。
高2のうちに取得しておくと、安心して高3の出願準備に集中できます。
すでに準2級を持っている場合は、2級や準1級へのチャレンジも視野に入れてみてください。
まとめ
高2は、総合型選抜の準備において「深めて・整える」大切な時期です。
- 興味や関心を深めて、自分の言葉に変えていく
- 成績をしっかり取りにいく意識を持つ
- 経験を“意味のあるストーリー”として整理しておく
- 志望校や学部の情報を少しずつ集め始める
- 英検などの出願要件に備えておく
焦らなくて大丈夫。
でも、“今だからできること”を逃さない意識を持って過ごすと、総合型選抜の準備がぐっと進みやすくなります。
高3のうちにやっておきたいこと
「今からでも間に合う?」と思ったときが、本当のスタート
高3になってから総合型選抜を意識し始めた方の中には、「もう遅いかも…」と不安に感じる方も多いかもしれません。
でも大丈夫です。
総合型選抜は、やるべきことがはっきりしているからこそ、今からでも方向を定めて準備を進めていくことが可能です。
ここからは、限られた時間の中で「優先順位をつけて取り組む」ことがカギになります。
1.志望校・志望学部を明確にする
総合型選抜では、「なぜその大学・学部なのか」を深く問われます。
書類でも面接でも、ここがしっかりしていないと説得力が出ません。
- 大学・学部の公式サイトやパンフレットを読み込む
- どんな学びができるか、卒業後の進路はどうかを見る
- その大学・学部で「何をしたいのか」「なぜそこなのか」を自分の言葉で説明できるようにする
まだ迷っている方は、まずは志望校を「2〜3校」にしぼって情報を集めることから始めてみてください。
2.これまでの経験を整理する
総合型では、「どんな活動をしてきたか」よりも、「その経験をどう振り返っているか」が重視されます。
- 部活動、学校行事、委員会、探究活動、趣味、家庭での役割など
- 「なぜやったのか」「その中で何を感じたのか」「何を学んだのか」
とくに高1・高2での取り組みは、今から振り返っても十分に活かせます。
経験をエピソードとして語れるように整理しておくことが、書類や面接に直結していきます。
3.志望理由書・自己PRを準備する
多くの大学では、総合型選抜において「志望理由書」と「自己PR文」の提出が求められます。
これは、合否を大きく左右する非常に重要な書類です。
書き方に正解はありませんが、以下のポイントは意識しておきたいところです:
- 「この大学・この学部を選んだ理由」が自分の体験と結びついているか
- 具体的な経験や考え方を、エピソードを交えて書けているか
- 相手にとって読みやすく、伝わりやすい構成になっているか
何度か書き直しながら、自分の言葉で書くこと・客観的にチェックしてもらうことの両方が大切です。
4.面接やプレゼンの練習も視野に入れる
総合型選抜では、面接・口頭試問・プレゼンテーションなどの“対面型試験”が実施されることが多くあります。
- 自己紹介、志望理由、活動内容について答える準備をしておく
- よく聞かれる質問に対して、自分なりの答えを考えてみる
- 声のトーンや表情、言葉の選び方を意識しながら話す練習をしてみる
自分だけで練習するのが難しいときは、学校の先生や、総合型に対応している家庭教師などに見てもらうのもおすすめです。
5.やることをしぼって、ひとつずつ取り組む
この時期は、「あれもこれも」と考えると不安がふくらみやすくなります。
でも大丈夫です。いま必要なことを見極めて、順番にやっていけば、きちんと間に合います。
- 志望校と出願日程を決める
- 書類の準備スケジュールを立てる
- 必要に応じて英検や調査書の確認を早めに行う
- 困ったら、誰かに相談してみる
焦る気持ちが出てきたときほど、今やるべきことを“見える化”して、優先順位をしぼることが大切です。
6.検定はラストチャンス
総合型選抜では、英検などの外部英語検定のスコアが出願要件や評価の加点対象になっている大学が多数あります。
- 「英検2級以上で出願可」といった条件がある
- 一次審査の免除や点数換算に活用される場合がある
- 書類や面接の自己PRに“根拠ある英語力”として加えられることもある
ただし、検定のスケジュールと出願時期の兼ね合いで、高3の6月頃が事実上の最終チャンスになる場合がほとんどです。
受けようか迷っているなら、今のうちに日程を調べておきましょう。
また、すでに準2級を持っている方は、2級や準1級にチャレンジしてみるのもおすすめです。
検定スコアは、学力以外の“実力の証明”としてとても心強い材料になります。
まとめ
高3からの準備でも、総合型選抜には十分に対応できます。
大切なのは、「今からできることを、ひとつずつ積み重ねていく」こと。
そして、「自分がどんな人間で、どんなふうに学んでいきたいか」を自分の言葉で伝える準備を、ていねいに進めることです。
今ここからの努力が、そのまま志望校への道につながっていきます。
焦らず、でも一歩ずつ、前に進んでいきましょう。
まとめ
今が、いちばん早いタイミング
総合型選抜の準備というと、特別な活動や目立つ実績を思い浮かべがちですが、実際には日々の積み重ねや、自分を丁寧に見つめる姿勢こそが、一番の“準備”になります。
高1では、勉強と学校生活を大切にすること。
高2では、自分の興味を少しずつ深めていくこと。
高3では、今ある材料を自分の言葉でまとめていくこと。
どの時期からでも、そのときにできることは必ずあります。
「もっと早く始めておけばよかった」と思う必要はありません。
むしろ、**「今気づいたからこそ、今日から動こう」**という気持ちこそが、最良のスタートです。
あれもこれもと詰め込まなくて大丈夫です。
自分にとって大切だと思えることを、ひとつずつ、ていねいに向き合っていきましょう。
その先に、きっとあなたらしい道が見えてくるはずです。
ひとりで進めるのが不安なときは
もし、「何から手をつけていいかわからない」「ひとりで進めるのが心細い」と感じたときは、家庭教師などのサポートを活用するのもひとつの方法です。
総合型選抜に対応している家庭教師であれば、評定対策(=日々の学習サポート)はもちろん、志望理由書や自己PRの添削、面接対策まで、まるごと相談できることが多いです。
なかでも「家庭教師のさくら」では、こうした総合型選抜に必要な準備を一貫してサポートしています。
学校の成績アップから書類作成・面接対策まで、すべてまとめて対応できるのは、総合型に強い家庭教師だからこそできることです。
「方向性が合っているか不安」「何を優先すればいいのかわからない」
そんなときは、お気軽にご相談ください。
コメント