はじめに：入学後に待っていた“想定外の壁”
「私立中学に入ってから、授業が速くてついていけないみたいなんです」
「小学校の頃は得意だったのに、今は全然わからないって言うんです」
そんなご相談を、毎年のようにいただきます。
中学受験を乗り越えたあと、ほっと一息ついたのも束の間。
入学して数か月が過ぎると、だんだんとお子さんの様子に変化が見えてくることがあります。
帰ってきても勉強の話をしなくなったり、宿題に時間がかかったり。
テストの点数が下がると、「このままで大丈夫かな」と心配になりますよね。
実は、「私立中学の授業についていけない」という悩みはとても多く、珍しいことではありません。
なぜなら、私立中の授業はスピードも内容も公立とはまったく違うからです。
先生方は一定の学力を前提に授業を進めるため、
理解が追いつかない子がいても、全体のペースを落とすことはほとんどありません。
しかも、進度が速いだけでなく、宿題や課題、部活など生活全体もハードになります。
お子さんにとっては、「入学前の想像とまったく違う毎日」なんです。
中学受験でがんばってきたからこそ、
「せっかく入ったのに…」という気持ちを抱えて苦しむご家庭も少なくありません。
でも、どうか安心してください。
今は少し遅れて見えても、正しい方法でサポートすれば必ず取り戻せます。
この記事では、
・なぜ授業についていけなくなるのか
・そのとき親としてできる関わり方
・塾ではなく家庭教師を選ぶべきケース
について、実際の指導経験をもとにお伝えします。
お子さんが「わかる！」を取り戻し、笑顔で学校に通えるようになるために。
今日からできる第一歩を、一緒に考えていきましょう。
なぜ？私立中学の授業についていけなくなる子が多いのか
中学受験を終えて入学したばかりの頃は、
「これからの6年間が楽しみ！」と、
お子さんも親御さんも明るい気持ちでいっぱいですよね。
ところが数か月たつと、「思っていたより勉強が大変…」と感じるご家庭が増えてきます。
それもそのはず。私立中の授業は、公立中とはスピードも内容もまったく別物なんです。
1．カリキュラムが“高校内容まで先取り”
多くの中高一貫校では、6年間で大学受験に対応できる力を育てることを目標としています。
そのため中1から中3の3年間で中学範囲を終わらせ、
高1以降は早くも大学受験内容へ進む学校もあります。
つまり、「1日でも置いていかれると、どんどん差が広がる」状態。
少しつまずいただけでも、次の単元が理解できなくなることがあります。
「わかっていないのに授業が進んでしまう」
これが“ついていけない”最大の原因です。
2．「できる子」前提で授業が進む
私立中の先生方は、一定の学力レベルを前提に授業を組み立てています。
ですから、授業では基本的に説明が要点だけで終わることが多く、
一人ひとりの理解度に合わせてゆっくり進めることはあまりありません。
「質問したいけど、授業の流れを止めたら迷惑かも」
「自分だけわからないなんて言えない」
そんな気持ちから、わからないままにしてしまう生徒も少なくありません。
この“わからないのに質問できない空気”が、苦手意識を育ててしまうのです。
3．小学校の勉強法とのギャップが大きい
小学校までは先生が一人ひとりを見てくれ、
「理解できるまで丁寧に教えてくれる」環境でした。
でも中学では、授業のテンポが速く、内容も抽象的になります。
板書を写すスピードも求められ、
**「先生の話を聞く」「ノートを取る」「内容を理解する」**を同時にこなさなければなりません。
これがうまくできないと、
「授業中に何を聞いているのかわからない…」という状態になってしまいます。
4．生活リズムの変化も影響する
新しい友人関係や部活動、通学時間の長さなど、
中学生活そのものに慣れるまで時間がかかります。
特に私立中は通学距離が長く、部活動も本格的。
その結果、疲れやストレスから集中力が続かなくなる子も多いです。
夜の勉強時間が減ったり、朝の準備に時間がかかったり。
「勉強しない」というよりも、体力的に追いつかない時期もあるのです。
5．家庭で「頑張っているように見えない」理由
親御さんからよく聞くのが、
「前みたいに机に向かわない」「やる気がないように見える」という言葉。
でも実際は、“何をすればいいのか分からない”状態になっていることがほとんどです。
やる気がないのではなく、**「やり方がわからないから動けない」**のです。
ここを誤解してしまうと、
つい叱ってしまったり、プレッシャーを与えてしまうことも。
お子さんの「沈黙のサイン」を読み取ってあげることが、第一歩になります。
授業についていけない理由は、
「勉強ができないから」ではなく、環境とリズムのズレにあります。
つまり、きっかけさえつかめば、誰でも立て直せるということです。
次の章では、そんなお子さんを支えるために、
家庭でできる具体的なサポート方法をお伝えします。
授業についていけないサインを見逃さないで！
授業についていけなくなっても、
子どもはなかなか「わからない」とは言いません。
むしろ、**“できない自分を見せたくない”**という気持ちから、
何も言わずに抱え込んでしまうことのほうが多いのです。
親御さんから見ると「反抗的」「やる気がない」と見えることもありますが、
その裏には「わからないのに頑張れない苦しさ」が隠れていることがあります。
そんなときは、次のような小さなサインを見逃さないようにしてください。
1．テストや宿題に対する反応が変わる
以前は「できた！」と嬉しそうに見せていたのに、
最近はテストの話をしたがらない。
宿題をやる時間がどんどん遅くなっている。
こうした変化は、勉強に対する自信が下がっているサインです。
「どうせやってもできない」と感じてしまうと、
努力すること自体を避けるようになります。
2．学校や授業の話題を避ける
「今日どうだった？」と聞いても、「別に」「普通」としか返ってこない。
そんなときは、学校での不安をうまく言葉にできていない可能性があります。
私立中学はクラス替えが少ない学校も多く、
周りに“できる子”が多い環境です。
その中で「自分だけわかっていない」と感じると、
授業そのものが苦手になってしまうこともあるのです。
3．勉強時間は長いのに成果が出ない
真面目に机に向かっているのに、テストの結果が伸びない。
それは“勉強の仕方”が合っていないサインです。
私立中では「授業の板書をそのままノートに写すだけ」では理解が追いつきません。
内容を自分の言葉で整理する力が求められます。
つまり、努力が報われない状態になってしまうのです。
この状態が続くと、本人のやる気も下がってしまいます。
4．生活リズムや表情の変化
「朝起きるのがつらそう」「ため息が増えた」「無口になった」
こうした変化も、心が疲れているサインです。
授業についていけない不安を抱えていると、
学校生活そのものにプレッシャーを感じるようになります。
“勉強の悩み”が“登校しづらさ”につながる前に、
小さな変化を見逃さず、声をかけてあげましょう。
5．「塾をやめたい」と言い出す
成績が下がると、「塾を増やそう」「もっと勉強を」と考えがちですが、
本人が「やめたい」と言い出すときは、
「ついていけていない現実」を隠していることもあります。
塾で習っても理解できない → 置いていかれる → 自信がなくなる。
この悪循環に入ってしまう前に、
“その子の理解度に合わせたサポート”に切り替えることが大切です。
小さな変化が「最初のサイン」
親御さんが「気のせいかな」と思うくらいの小さな変化。
それが、実は最初のサインであることが多いです。
ここで早めにサポートを始めれば、
お子さんの理解も自信も十分に取り戻せます。
次の章では、そうしたお子さんを支えるために、
家庭で今日からできるサポートの工夫を紹介します。
私立中学の“独自カリキュラム”は、塾ではカバーしきれないことも
私立中学では、学校ごとに使う教材・進度・テスト形式がまったく異なります。
同じ「中1数学」でも、
・3か月先に高校範囲へ入る学校
・中学内容をじっくり深める学校
と、方向性が大きく違うのが特徴です。
この“学校ごとのクセ”を把握していないと、
いくら勉強しても内容がかみ合わず、
「塾で習ったのに学校のテストが解けない」という状態になりやすいんです。
特に、一般的な集団塾や大学生講師が中心の個別塾では、
・学校指定の教材を扱っていない
・担当講師が毎回変わる
・「どの単元をどこまで戻るか」の判断が難しい
といった理由で、私立中の進度に追いつけないケースが少なくありません。
一方、家庭教師なら学校の教材と進度に完全対応。
教科書・プリント・定期テストの傾向をもとに、
「次の授業に間に合わせるための復習計画」を立てることができます。
つまり、授業についていけないお子さんにとって、
**最短で成果を出せるのが“学校対応型の家庭教師”**なのです。こそ、
“頑張らせる”より“仕組みを整える”。
その視点が、子どもを確実に立て直す第一歩になります。
実際のサポート事例：つまずきを立て直した3人のケース
家庭教師のサポートは、単なる「勉強の教え方」ではありません。
お子さんの理解度や気持ちに寄り添いながら、
学校の授業に“追いつく仕組み”を整えることができます。
ここでは、実際に私たちがサポートした3人のケースをご紹介します。
ケース1：中1女子／英語の文法が苦手で「授業が怖い」
入学して間もない頃、英語の授業で泣いてしまうほど不安を感じていたAさん。
文法の基礎がつかめず、「なんとなく書いている」状態でした。
最初の2週間は、学校のテキストとノートを使って文法の“しくみ”を整理。
「S＋V」「be動詞」「一般動詞」など、文の形を一緒に視覚化していくと、
「なるほど！」と理解が進み、自信が戻ってきました。
1か月後の定期テストでは平均点を上回り、
「授業がわかるようになった」と笑顔を見せてくれました。
ケース2：中2男子／数学の赤点続きからの立て直し
Bくんは数学の評定が2。
どれだけ勉強しても結果につながらず、やる気を失っていました。
まず、問題を解く前に“考え方”を説明してもらう練習からスタート。
「なぜそうなるのか」を口に出すことで理解が定着し、
“なんとなく解く”から“根拠をもって解く”に変わりました。
また、家庭では毎日5分の“復習タイム”を導入。
定着スピードが上がり、2学期には評定が3→4へアップ。
「自分でもわかるようになった」と本人の表情が一気に明るくなりました。
ケース3：附属中男子／内部進学の成績基準に届かず焦り
Cくんは、内部進学のために一定の成績を取る必要がありましたが、
複数教科で成績が伸び悩み、不安を抱えていました。
まずはテスト分析＋ノート添削で「点が取れない原因」を洗い出し。
・出題傾向を意識した勉強法
・間違い直しの書き方
・ノート整理のルール化
を一緒に整えた結果、2学期以降は安定して上位をキープ。
「自分で復習のやり方がわかった」と話し、
無事に内部進学を果たしました。
共通しているのは、「理解のズレを早めに整えたこと」
3人に共通していたのは、
「勉強ができない」のではなく、“理解のズレ”が積み重なっていたことです。
このズレを放置すると、授業がどんどん難しく感じられ、
やる気を失ってしまいます。
しかし、早い段階で専門家がサポートに入ることで、
授業への不安が“自信”へと変わっていくのです。
授業についていけないとき、
お子さんに必要なのは「叱咤激励」ではなく、「仕組みの再構築」。
家庭教師は、学校の教材や進度に合わせて、
“今のつまずき”をその場で修正できる唯一の学び方です。
よくある質問（Q&A）
Q1．学校の先生に質問すれば解決できるのでは？
A：もちろん、学校の先生に質問するのは大切です。
ただ、私立中では授業の進度が速く、
授業時間内で個別に説明できる時間が限られています。
特に「一度つまずくと、どこがわからないのか本人も整理できない」ことが多く、
質問できても部分的な解決にとどまりがちです。
家庭教師は、そうした“つまずきの根っこ”を一緒にたどり、
理解の流れを整えながら補うことができます。
Q2．塾と家庭教師の違いは何ですか？
A：塾は「授業の代わりに新しい単元を教える場所」。
家庭教師は「授業についていけなくなった子の理解を立て直す場所」です。
塾はカリキュラムが一律のため、
私立中学の独自教材や学校特有の出題傾向に合わせるのは難しいのが現実です。
一方、家庭教師は学校の教科書・プリント・定期テストをそのまま使って復習できるため、
「明日の授業に間に合わせる」実践的なサポートが可能です。
特に、
- 苦手教科をピンポイントで戻りたい
- 理解度にムラがある
- 学校の教材に合わせたい
といった場合は、塾よりも家庭教師の方が効果的です。
Q3．どれくらいの期間で“追いつける”ようになりますか？
A：お子さんの状況によって異なりますが、
早い場合は**1〜2か月で「授業がわかるようになった」**という実感を持つ方が多いです。
重要なのは、「全部をやり直す」ことではなく、
今の授業に必要な基礎を“最短で”整えること。
この考え方でサポートすれば、短期間でも大きく変化が見られます。
Q4．親がサポートできることはありますか？
A：無理に教える必要はありません。
むしろ、「子どもの状態を見守り、状況を共有する」ことが一番のサポートになります。
家庭教師が入る場合、
授業内容や理解度を一緒に把握しながら、
家庭内での声かけや学習リズムを整えるアドバイスをお伝えしています。
「家庭×専門家」の連携があるほど、立て直しは早く進みます。
Q5．家庭教師を始めるタイミングはいつがいいですか？
A：「成績が落ちてから」ではなく、
お子さんが「授業が難しい」と口にした時がベストです。
私立中の授業は3週間で数単元進むこともあるため、
“少しの遅れ”が大きな差になってしまいます。
早めにサポートを入れることで、不安を自信に変える時間が増えます。
授業についていけない状態は、
「才能がない」でも「やる気がない」でもありません。
正しい方法と適切なサポートで、必ず取り戻せます。
まとめ：焦らず、“理解の回復”から始めよう
私立中学の授業は、スピードも内容も公立とは比べものにならないほどハイレベルです。
それだけに、「少しつまずいただけなのに、あっという間に置いていかれた」というケースが本当に多いんです。
でも、つまずいた原因を丁寧に整理し、
今の授業に合わせて復習を進めれば、必ず立て直せます。
お子さんに必要なのは、「もっと頑張ること」ではなく、
“わかるようになる仕組み”を整えることなんです。
私たちはこれまで、
英語・数学・国語などあらゆる科目で、
「授業についていけない」状態から再スタートを切った多くの生徒を見てきました。
焦らず、いまの位置から一歩ずつ。
そのサポートを、私たち家庭教師が全力で行います。
ご相談ください：お子さんに合った最短プランをご提案します
「授業のペースが速くて不安」
「塾に行っても伸びない」
「どこから復習すればいいかわからない」
そんなときは、一度ご相談ください。
私立中学の教材・カリキュラムに合わせて、
お子さんの“今の理解”を丁寧に見直し、
次の授業に間に合わせる最短ルートを設計いたします。
初回面談では、
・学校の進度・教材の確認
・現状の理解度チェック
・ご家庭に合った学習ペースのご提案
を行い、無理なく続けられるサポート方法を一緒に考えます。
コメント