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子どもが勉強するごほうびのあげ方

勉強のやる気

こんにちは。やる気スイッチは甘いもの。そろそろサーティーワンに行きたい佐々木(@kateikyo_megumi)です。誰か一緒にトリプル食べましょうよ~。

さて、今日はブログ読者様から質問をいただきました。

子どもが勉強しないので、ごほうびをあげて勉強させようと考えているのですが、具体的にどのような作戦が良いでしょう?

中学生になると、ご褒美内容にもご褒美レベルにも迷ってしまいます。
上手くスイッチにつながる方法を見つけたいです。

ご質問ありがとうございます。

子どもがあまりにも勉強しないと、

 

もうなんでもする!

何でも買ってあげるから!

頼むから勉強して!

 

という方も少なくないのでは^^;

 

でも、ごほうびを与えてしまうと「ごほうびで釣って勉強させているみたいで良くない気がする」「クセになりそうで心配」という方もいらっしゃると思います。

 

そこで、今日はごほうびの有効な与え方について書きたいと思います。

 

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ごほうびで勉強させるのはアリ?ナシ?

ごほうびとやる気の関係

まずは人間心理について少しお話させてください。人のやる気には二種類あります。

ひとつは、「誰かにやらされた」とか「ごほうびがあるからやる」というような、自分以外の人からの圧力で取り組むやる気です。これを外発的動機づけといいます。

 

もう一つは、「楽しいからやる」、「自分が興味を持てるからやる」というような、自分がやりたくてやっている状態です。これを内発的動機づけといいます。

 

勉強のやる気

勉強のやる気としてどちらが理想かといわれたら、もちろん「勉強が楽しい」と思えたほうがいいので、後者の内発的動機づけですね。勉強が楽しいとか興味があるから勉強する人が一番伸びます。

 

ただ、どんなに勉強が好きな人でも、内発的動機づけ100%で勉強しているわけではありません。外発的動機づけも多少は持っているし、時と場合によっても変わります。2つが複雑に絡み合っています。

 

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ごほうびをあげてはいけない人

これもやる気の研究で明らかになっていることですが、内発的動機づけで勉強している子どもにごほうびを約束すると、やる気が下がります(これをアンダーマイニング効果といいます)。

 

自分のためにやっているのに、ごほうびをだされると「やらされている感」「評価される感」が出て、楽しくなくなるのですね。

 

すでに勉強が好きで、現在テストで90点を取っている子どもに「100点とったらゲーム機買ってあげる」みたいな約束するのは逆効果です。

 

この場合はゲーム機をもらってしまっても勉強に対して冷めてしまう可能性がありますし、達成できなかったときに自信を失わせるかもしれません。

 

ただし、ごほうびがモノではない場合(要するにほめ言葉)や、ごほうびがサプライズだった場合は、やる気が下がりません。ものをあげないようにするか、ごほうびの約束をしないようにしましょう。

 

・勉強が好きな子どもには、ごほうびの約束をしない。
・ほめ言葉や、サプライズ(約束なし)のごほうびは効果あり

ごほうびが効く人

一方、勉強に興味がない子どもは、ごほうびでやる気をなくすことはないと分かっています。

勉強に興味がないということは、内発的動機づけがない状態ですね。そのまま放っておけば自分から勉強することはありえないでしょう。

そういう子どもには、外発的動機づけ、つまりごほうびを与えてやる気を出させるという策は、アリです。

 

これは私の考えですが…。私は基本的に「きっかけや目的は何でもいいから、勉強はしておくべきだし、勉強を嫌いになってはいけない」と考えます。

ごほうびは最善策とは言えませんが、そのまま放っておいて勉強しない子どもになるよりは、ごほうび目的でも勉強はしたほうがいいと思います。

 

ごほうびの効果的な使い方

勉強しない子どもは、いわば外発的動機づけも内発的動機づけもゼロの状態です。そのダブルゼロの状態から「勉強が楽しいから勉強する!」という理想の状態に持っていくのは、プロでも至難の業です。

 

つまり、いきなり内発的動機づけ100%で勉強させようとするのではなく、勉強しない子どもに「ごほうびをあげる」という外発的動機づけできっかけを与え、徐々に勉強って面白いと思えるように導いていくのは「アリ」です。

 

①勉強嫌いに「ごほうび」は一定の効果あり
②ごほうびで外発的動機づけをする
③徐々に内発的動機づけを得られるようにする

ごほうびの目標設定

ごほうびで実はすごく大切なのは、「何を達成したらごほうびをあげるのか」です。

 

ここでのポイントは、条件を本人の努力で達成可能なことにすることです。

 

たとえば、「偏差値65にしなさい」だと、周りの子達の成績に左右されるのでNGですね。

周りが賢い子ばかりだと相対的に偏差値は下がります。反対に、勉強しない子たちの集団なら容易に達成できてしまうでしょう。同じく、「平均点以上」も危険です。このように、相対評価で条件を決めてしまうのは危険です。

 

それに比べて、「テストで〇点取る」なら、本人の努力で達成可能です。ただ、どうしても試験が難しくなったり簡単になる可能性もありますが…。

 

もしくは、「一日問題集を3ページ、それを〇日続けられたら」これなら確実に本人の努力で達成可能です。

このように、ごほうびをあげる条件は相対評価ではなく絶対評価にしましょう。

 

ごほうびをあげる条件は、本人の努力で達成できて、達成したかどうかが明確な内容にしましょう。

 

勉強のごほうびを何にするか?

そして一番大切なのは、「ごほうびに何をあげるか」だと思います。

「テストで○点取ったら、○円あげるよ」
「成績が○○になったら、○○買ってあげる」

ごほうびというと、イメージするのは現物支給だと思います。

しかし、現物支給の問題は、続くとすぐに慣れてしまうこと。

 

例えば、もっとお金が欲しいからと、上司に給料アップを頼むとしますよね。そして、願い通りお給料アップが叶ったとしましょう。その前後は、うれしくて頑張れそうですよね!

さて、その後半年経ったら、どうでしょう?

半年くらい経ったら、その額が「当然のこと」になり、ありがたい気持ちが薄れてしまいませんか?

そのうちに、また「給料が安いんだ。上げてほしい」なんて思うようになると思います。

この原理は、心理学でも立証されており、お金のモチベーションは長続きしないことが明らかになっています。

子どもも同じです。

「90点取ったら、1,000円!」と約束して、取れなかったら、がっかりして、やる気がくじかれます。

もし90点取れたとしても、次にまた90点だったら、また1,000円出しますか?次はきっと「2,000円くらいほしい」と子どもは言うでしょう。

 

あげなかったら「じゃあ勉強しない!」と言うかもしれません。

現物のごほうびは効果的ですが、それはタバコや薬と同じで、だんだんクセになり、効かなくなります。

ごほうびの現物支給は、ここぞという時の一回限りと覚えておいてください。

勉強でのごほうびの使い方

たとえば、何かの大会で1位になったらごほうびとか、頑張ってほしいことが一回限りなら、ごほうび制は効果があります

しかし、勉強においては、勉強はずっと続けないといけませんし、試験が一回終わっても、また数か月後に試験があるので、ごほうびがクセになりやすいです。

モノやお金のごほうびをあげるなら、目標をそれなりに高くし、「頑張ればできる」レベルの目標を設定してみてください。

 

「頑張っても無理」なラインでは、やる気をなくしますので効果がありません。

「頑張らなくてもできる」ことでは、面白くありません。

ちょっと無理かな?くらいのレベルを決めて、それに見合うごほうびを設定しましょう。

「努力すればできそう」な目標がベスト

最高の「ごほうび」

ごほうびをあげることの最終的な目的は、何でしょうか?

ごほうびを与え続けて、勉強に向かわせることでしょうか?

 

違いますよね。

「ごほうびなしで、子どもが自分から勉強する」状態ですよね。

 

そのために必要なのは、

・自分はできる!という自信
・勉強で得られる達成感

この二つをお子さん自身に身につけてもらうことです。

 

つまり、少し高いハードルを設定し、ごほうびを用意し、そのハードルを跳ぶために努力してもらう。

そして、頑張ってそのハードルを飛び越えることで、ごほうびと、達成感と、自信を手に入れるのです。

これがうまくいくと、子どもはごほうびなしでも勉強するようになります。

最大のごほうびは、モノやお金ではなく、達成感と自信です。

 

最初にごほうびを設定することで、勉強へのきっかけを与え、達成感と自信を味わってもらい、「勉強やってもいいかな」という気持ちになってもらう。言い換えると、外発的動機づけ→内発的動機づけの流れをつくること。

これが大人が子どもにしてあげられるきっかけづくりだと私は考えます。

はじめはごほうび目当てで勉強していたけれど、だんだん勉強が面白くなって、もっと出来るようになりたいと思うようになった!

 

こんな状態が理想ですね!

ごほうび目的→勉強の面白さに気付く、この流れを目指す

まとめ

  • ごほうびは「勉強嫌い」の人には効果あり
  • ただし現物支給は一回限りの特攻薬。きっかけとして有効活用する
  • 最大のごほうび「達成感と自信」を得られるようにサポートする

 

「ごほうびをあげてはいけない」とか「ごほうびで勉強させるのはダメ」と言われがちです。たしかにごほうびは効果が強いぶん、取扱い注意です。ただし、きちんとシナリオを組んで、上手に使うのはアリです。

子どもを勉強しないまま放置するくらいなら、きっかけを作ってあげることが大人としてやるべきことではないかと思います。

そして最終的に「目標を達成できた自信」や「勉強をもっとやってみたい」と思えたら最高です。ごほうびは上手に使うとそれだけの効果があります。

 

子どもがなかなか勉強しなくて困っている方は、最終手段として、上手に使ってみてくださいね。

以上、横浜プロ家庭教師佐々木(@kateikyo_megumi)でした!

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