こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
勉強をしているのに、なかなか覚えられない、勉強した内容がすぐに忘れてしまう、そんな経験をしたことはありませんか?
試験前に一生懸命勉強したのに、思ったように点数が取れなかったり、記憶が曖昧で答えを思い出せなかったりすることって、誰にでもあることですよね!
実は、この「覚えられない」という壁を越えるためには、記憶のメカニズムを理解し、効率的な勉強法を実践することが重要です。今回は、記憶の段階を理解し、どのように記憶を定着させるかを具体的に解説します。学習効果を最大化するために、ぜひ参考にしてください。
記憶の段階とは?
まず、記憶にはどのような段階があるのか、知っておくことが大切です。記憶は一度覚えたからと言ってすぐに定着するわけではなく、その過程にはいくつかの段階があります。これらの段階を理解することで、どのように学習を進めるべきかが見えてきます。
- ファミリア(見慣れた段階)
ファミリアは、「見慣れている」という意味です。例えば、教科書やノートに目を通して「見たことがある」と思う段階です。しかし、内容が具体的に思い出せなかったり、詳細を答えることができなかったりするのがこの段階です。つまり、知識がただの「認識」にとどまり、記憶として深く定着していない状態です。
多くの人がこの段階にとどまってしまうことがあり、覚えたつもりでも試験ではうまく活用できないことがよくあります。 - リコグニション(認識できる段階)
リコグニションは「認識する」という意味です。この段階では、例えば選択肢の問題で、正しい答えを見て「これだ!」と認識できるものの、自分で思い出すことができるわけではありません。簡単に言えば、ある情報を見たり聞いたりすることで、「あ、これが正しい答えだ!」と判断できるが、それが自分の記憶から自然に出てくるわけではないという状態です。
リコグニション段階では、問題の内容に対してある程度理解しているものの、知識が浅く、深く記憶として定着していないことが多いです。 - リコール(呼び出す段階)
リコールは「呼び出す」という意味です。この段階では、選択肢がなくても自分で情報を思い出せるようになります。つまり、問題を見て自分の頭の中から情報を引き出すことができるようになっている段階です。この段階まで進むと、テストで穴埋め問題や記述式問題ができるようになります。
リコールができると、記憶はしっかりと定着している証拠です。暗記科目でも自分の言葉で説明できるようになるため、試験で高得点を取るためには、この段階まで進むことが非常に重要です。 - オートマティック(自動的に思い出せる段階)
オートマティックは「自動的に思い出す」という意味です。この段階では、情報を意識的に思い出そうとしなくても、自然に頭に浮かんできます。例えば、自分の名前や住所、よく使う単語などがこの段階に該当します。自分で意識することなく、無意識のうちに思い出せるレベルです。
オートマティックまで進むと、試験でも論述問題や複雑な問題に自信を持って取り組むことができるようになります。記憶が完全に定着し、必要な情報をすぐに引き出すことができるため、高い学習効果を得られます。
どの段階を目指すべきか?
効率的に記憶を定着させるためには、少なくともリコールの段階までは到達することが理想的です。選択問題だけでなく、穴埋め問題や記述式問題でも得点を取るためには、記憶がリコグニション段階でとどまっていてはいけません。
例えば、数学の公式や英語の単語なども、ただ覚えるだけでなく、実際に使えるようにするためには、オートマティックの段階にまで記憶を高める必要があります。試験や実生活で困らないために、記憶を強固にするには、段階的に記憶を深めていくことが重要です。
記憶を定着させる方法
記憶を定着させるためには、ただ一度学習するだけでは不十分です。記憶は定期的に復習することで強化され、定着していきます。ここでは、記憶を定着させるために効果的な学習方法をいくつか紹介します。
分散学習
一度学んだ内容をそのままにしておくと、記憶はすぐに薄れていきます。そのため、分散学習が非常に効果的です。分散学習とは、学習した内容を何度も繰り返し、復習の間隔を空けて行う方法です。
例えば、1回の学習を1時間ずつ、数回に分けて行うことで、記憶が定着しやすくなります。これに対し、集中学習は、1回で長時間勉強する方法ですが、記憶の定着には効果が薄いことが多いです。
学習を短期間に集中して行うよりも、時間を空けて何度も復習した方が、記憶の強化には効果的です。学習間隔を空けることで、脳がその情報を忘れかけるタイミングで再度復習でき、定着率が高まります。
睡眠の重要性
学習後に十分な睡眠を取ることが、記憶を定着させるために非常に重要です。睡眠中に脳はその日の情報を整理し、必要な情報を記憶として保存します。そのため、学習後に十分な睡眠を取ることで、記憶がより強固に定着します。
特に、睡眠の質が高いと、記憶の固定化が促進されます。勉強した後は、しっかりと睡眠を取り、脳を休めることが記憶力向上に繋がるので、勉強後の過ごし方も意識するようにしましょう。
まとめ
記憶には4つの段階があり、それぞれに特徴があります。
- ファミリア(見慣れた段階)
- リコグニション(認識できる段階)
- リコール(呼び出す段階)
- オートマティック(自動的に思い出す段階)
これらの段階を理解し、学習の際にはリコールやオートマティックの段階まで記憶を高めることを目指しましょう。
そのためには、分散学習を実践し、復習の間隔を空けることが大切です。また、学習後には質の高い睡眠を取ることで、記憶が確実に定着します。
記憶力を向上させたい、または試験で点数を上げたいと感じている方は、今日紹介した方法を実践してみてください。記憶の定着が進むと、学習効率も大きく向上しますよ!
以上、佐々木(@kateikyo_megumi)でした!
《参考文献》
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