こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。
今日は親御さんから、お子さんの勉強に対する姿勢についての相談です。

子どもの将来のためにも勉強してほしいですし。塾にも通わせています。
ただ、子どもは「どうせできない」と言って勉強に積極的になりません。私としては進学校に行ってほしいとか、有名大学に行ってほしいとかは思わないです。ただ、やりたいことを見つけた時に選択できるように勉強しておいてほしいだけなのですが、なにを言っても響かないですし、勉強に対してというか、何に対しても消極的な態度に心配になりますし、悲しくもなります。
どうして「どうせできない」なんていうようになってしまったんのか、今後子どもが勉強に前向きに向き合えるようにするにはどうすればいいか、何かアドバイスをいただけると幸いです。
「将来のために、できれば勉強を頑張ってほしい」
「だけど、うちの子は『どうせできない』と言って、なかなか前向きになれない」
そんな親御さんの声を、最近よく耳にします。
子どもには無理に高い目標を押しつけたいわけではない。
ただ、やりたいことを見つけたときに、選べる道を広げてあげたい。
そう思っているだけなのに、何を言っても響かない。
親としては、心配で、悲しくなってしまうこともありますよね。
この記事では、
「どうせできない」と感じてしまう子どもの心の背景を一緒に考えながら、
少しずつ前向きな気持ちを取り戻していくためのサポート方法をお伝えします。
親子で焦らず、ゆっくりと歩んでいけるように。
そんな気持ちで書きました。
どうぞ、気持ちを楽にして読み進めてくださいね。
「どうせできない」と感じる子どもの現状
「どうせできない」
子どもからそんな言葉を聞くと、親としてはとても胸が痛みますよね。
「やればできるよ」と励ましたくなるし、
「そんなこと言わないで」と否定したくなることもあるかもしれません。
でも、実はこの言葉、ただの甘えや怠けではないことが多いのです。
子どもは、本当はがんばりたいと思っているかもしれません。
でも、何度も失敗した経験や、誰かと比べられて傷ついた気持ちが積み重なって、
「どうせ自分なんか無理だ」と思い込むようになってしまっているのです。
心のどこかで、「やってもムダ」「どうせ失敗する」と感じていると、
チャレンジすること自体が怖くなってしまいます。
それは、
「できない」自分を見るのがつらいから。
「またダメだった」と感じるのが怖いから。
だから、あらかじめ「どうせできない」と言って、
自分を守ろうとしているのかもしれません。
もちろん、親御さんにしてみれば、
「信じているよ」「頑張ってほしい」と願う気持ちからかけた言葉だったり、
「どうしてこんなに届かないんだろう」と悲しくなったりしますよね。
子どもも、親も、どちらもつらい。
この状態を、少しずつ、でも確実に変えていくために、
まずは子どもの心の奥にある「不安」や「怖さ」に気づいてあげることが、スタートラインになります。
どうせできない!という気持ちの正体
子どもが「どうせできない」と感じるとき、
そこには単なるやる気不足とは違う、深い心理が隠れていることがあります。
その状態を、心理学では「学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん)」と呼びます。
ちょっと難しく聞こえるかもしれませんが、
簡単に言うと、心が折れてしまった状態のことです。
何度も何度も失敗を経験したり、
一生懸命やったのに報われなかったりすると、
子どもは「がんばっても無駄なんだ」と思い込むようになってしまいます。
そうなると、新しいことにチャレンジする前から、
「どうせできない」とあきらめてしまうようになるのです。
たとえば、こんな様子が見られることがあります。
- 自分からは全く勉強しようとしない
- 教科書を開いているだけで、実はぼんやりしている
- 「やってもムダだよ」と言って、最初からあきらめている
- 家庭教師や塾に行っても、その場しのぎになっている
- 夢や目標を聞いても「別にない」と返ってくる
- 小さな失敗でも、ひどく落ち込んでしまう
これらの様子に当てはまる場合、
お子さんの心の中では、知らないうちに無力感が根を張っている可能性があります。
もし「うちの子、ちょっと当てはまるかも」と思ったら、
焦らず、ゆっくりと心のケアをしていくことが大切です。
子どもが「できない」と思ってしまう背景には、
一人ひとりにしかわからない、たくさんのストーリーがあります。
今はまだ、自分自身を信じる力が弱くなっているだけ。
その力を取り戻すために、親としてできることがきっとあります。
子どもが「どうせできない」と感じる理由
子どもが「どうせできない」と思い込んでしまう背景には、
いろいろな理由が絡み合っていることが多いです。
もちろん、すべてが当てはまるわけではありません。
でも、もし心当たりがあれば、少しだけ立ち止まって考えてみてくださいね。
過去の失敗経験
一生懸命がんばったのに、思うような結果が出なかった。
そんな経験を何度も重ねると、子どもは少しずつ自信を失っていきます。
たとえば、
テスト前にたくさん勉強したのに、思ったより点数が取れなかった。
頑張ったのに「まだまだだね」と言われてしまった。
そんなとき、心の中に「どうせやっても無駄なんだ」という思いが芽生えてしまうのです。
過度なプレッシャー
「もっと頑張って」
「どうしてできないの?」
そんな言葉が、知らず知らずのうちにプレッシャーになっていることもあります。
もちろん、親御さんは応援の気持ちで言っているのです。
でも、子どもは「失敗したら叱られる」「またがっかりさせるかも」と感じてしまい、
挑戦する前からあきらめモードに入ってしまうことがあります。
自己評価の低さ
もともと少し慎重だったり、失敗をすごく気にする性格の子もいます。
そんな子は、小さなつまずきでも「自分はダメだ」と感じやすいものです。
たとえば、
「こんなの簡単だよ」と周りの子が言っているのを聞いただけで、
「自分だけできない」と落ち込んでしまうこともあります。
比較の中で生まれる劣等感
友達や兄弟と比べられる経験は、子どもにとって思った以上に大きなストレスです。
たとえば、
「お姉ちゃんはもっとできたのに」
「〇〇くんはもっと頑張っているよ」
そんなふうに比べられると、子どもは「自分はだめなんだ」と思い込みやすくなります。
たとえ直接比べられなくても、
学校のテストや通知表を見るだけで、自分で勝手に比較してしまうこともあるんですね。
こうして積み重なった「できなかった経験」や「自分なんてダメだ」という思いが、
子どもたちに「どうせできない」という感情を植えつけてしまいます。
でも、それはあくまで「今の気持ち」であって、
これから少しずつ変えていくことができるんです。
焦らなくて大丈夫。
次は、この「どうせできない」をどう乗り越えていくかを一緒に考えていきましょう。
勉強の自信の欠如とその影響
自信の欠如は、子どもの学習意欲や成績に直接影響を与えます。自信がない子どもは、以下のような問題に直面しがちです。
自信がないと、学習に対するモチベーションが低下し、勉強への取り組みが消極的になります。これは、成績不振やさらなる自信の喪失につながります。
勉強に対して自信がないと、今の実力なら余裕でできることすら、やりたがらなくなります。例えば小学6年生の子なら、小学4年生レベルの計算は普通にできるはず。それなのに「できないよ」と拒否することもあります。
自信がない子どもは、新しいことに挑戦することをやめてしまいます。成長の機会を逃し、長期的な学習能力の向上が妨げられます。頑張れば偏差値50レベルの高校に進学できそうな実力があるのに、偏差値45くらいの高校でいいや・・と挑戦しないようになります。そして勉強を避けた結果、受験期に偏差値45の高校すら怪しいかも・・という状況に陥ったりもします。
このように、「どうせできない」という感情は、子どもの成長や将来に深刻な影響を及ぼすことがあります。
「どうせできない」を放っておくとどうなるか
「どうせできない」と思い込んだまま過ごしていると、
子どもの心は少しずつ元気をなくしていきます。
最初は勉強に対してだけだった気持ちが、
やがて「何をやっても無理」「がんばっても意味がない」という思いに広がってしまうこともあるのです。
こうなると、
勉強だけでなく、将来の夢や目標に向かって努力する気力もわかなくなってしまいます。
実際に、こんなケースも少なくありません。
- 中学生になっても勉強習慣がつかず、成績が低迷してしまった
- 本当は行きたい高校があったのに、「どうせ無理」と挑戦をあきらめてしまった
- 受験直前になってようやく焦ったけれど、間に合わなかった
- 「自分には何もできない」と思い込んでしまい、自己肯定感がますます下がってしまった
子どもは本当は、たくさんの可能性を持って生まれてきています。
けれど、心の中に「どうせできない」という壁ができてしまうと、
その芽を伸ばすチャンスを逃してしまうかもしれません。
だからといって、焦る必要はありません。
怒ったり、無理に引っ張ったりする必要もありません。
大切なのは、
「今のこの子を、ありのまま受け止めること」
「小さな一歩を、焦らず一緒に踏み出すこと」
です。
そしてもうひとつ、覚えていてほしいのは、
うまくいかない日があったって、全然いいということ。
毎日少しずつ積み重ねることが大事なのであって、
「昨日はできなかったな」
「今日はちょっとだけできたな」
そんなふうに、ゆったりと見守っていくことが、
子どもの心をふたたび育てる力になります。
あきらめる必要なんて、どこにもありません。
今ここから、ゆっくりでいいから、進み始めましょう。
「どうせできない」を克服する具体策
「どうせできない」と感じている子どもを支えるには、
いきなり大きな変化を求めないことが大切です。
まずは、小さな一歩から。
子どもが「できた!」を少しずつ積み重ねていけるように、
親御さんがそっとサポートしていきましょう。
今日からできる具体的な方法をいくつかご紹介しますね。
小さな課題を与える
最初から「テストで〇点取ろう!」など大きな目標を掲げると、
子どもはますますプレッシャーを感じてしまいます。
まずは、**「これならできそう」**と思える小さな課題から始めてみましょう。
たとえば、こんな感じです。
- 1日10分だけ、好きな本を読む
- 1ページだけ、計算ドリルを解く
- 前にできたことをもう一度やってみる
ポイントは、「え、これだけでいいの?」と思うくらい簡単なことから始めること。
そして、できたら思いっきり認めてあげることです。
たとえば、
「1ページできたね!ちゃんと集中してたの、見てたよ!」
こんなふうに声をかけると、子どもは「自分にもできるんだ」と少しずつ思えるようになります。
課題を分割する(スモールステップ)
大きな目標をそのまま見せると、子どもは圧倒されてしまいます。
だから、小さなステップに分けて取り組む工夫も大切です。
たとえば、
- 「漢字を100個覚えよう」ではなく「今日は5個だけ」
- 「テスト勉強しなきゃ」ではなく「まずは教科書1ページだけ読もう」
小さなステップをクリアするたびに、「できた!」を積み重ねることができます。
できたことに印をつけたり、カレンダーに丸をつけたりすると、
目に見える形で達成感も味わえますよ!
記録する
子どもが頑張ったことを、見える化してあげるのも効果的です。
- できた日にシールを貼る
- カレンダーにできたことを書き込む
- 簡単な「できたリスト」を作る
こうやって少しずつ記録していくと、
本人も「あれ、意外と続いてるかも」と自信を持ちやすくなります。
完璧にできていなくても大丈夫。
「続けてきた」という事実が、子どもの心を支えてくれるようになります。
ポジティブなフィードバック
できたことをしっかり認めて、
具体的にほめることもとても大事です。
たとえば、
- 「今日も10分集中してたね!」
- 「最後まであきらめずにやってたの、すごかったよ!」
- 「昨日よりスラスラできてたね!」
ポイントは、結果だけじゃなく努力やプロセスをほめること。
がんばった過程を認めてもらえると、子どもはぐっとやる気が出ます。
さらに、
「この調子なら、来週はもっとできるかもね!」
と、未来への可能性を一緒に描いてあげると、子どもは前向きな気持ちになりやすいです。
継続的なサポート
大事なのは、一度きりで終わらないこと。
小さな「できた!」を、少しずつ積み重ねていくことです。
ときには、できない日もあるかもしれません。
そんなときは、
「今日はお休みの日だね。また明日、ちょっとだけやってみようか」
と、やさしく声をかけてあげてください。
毎日ほんの少しずつ。
焦らず、怒らず、諦めずに。
子どもにとって「がんばったらできた」という実感が積み重なっていくと、
「どうせできない」という気持ちは、だんだん小さくなっていきます。
7. 第三者の力を借りるという選択肢
子どもに小さな成功体験を積ませること、
焦らず見守ること、
それが大切だとわかっていても、
実際に毎日続けていくのは、親にとっても簡単なことではありません。
ときには、
「もうどうしたらいいかわからない」
「また今日もできなかった…」
そんなふうに、親御さん自身が疲れてしまうこともあると思います。
そんなときは、無理に一人で頑張らなくても大丈夫です。
信頼できる第三者の力を借りるのも、立派な選択肢です。
たとえば、
- 子どもの心に寄り添いながら、無理なく勉強のペースを作ってくれる家庭教師
- 一人ひとりの気持ちに合わせて指導してくれる塾
- 学校とは違った場所で「できた!」を体験させてくれる学習サポート
こんな存在が、子どもにとっても、親にとっても、大きな支えになります。
特に、小学校高学年から中学生にかけては、
ちょうど反抗期に差しかかる時期でもありますよね。
親がどれだけ優しく声をかけても、
「うるさい!」と反発されたり、
素直に受け止められないことも増えてきます。
でも、不思議なことに、
親ではない第三者からの言葉だと、すっと受け入れられることもあるんです。
ここで大切なのは、
「誰でもいい」というわけではないということ。
子どもの気持ちに寄り添ってくれるか、
子どものペースを尊重してくれるか、
小さな成功体験を一緒に喜んでくれるか。
そんな視点で、慎重にサポートしてくれる人や場所を選びましょう。
親が選んだ第三者が、
子どもにとって「信頼できる大人」になれたら、
そこからまた、少しずつ前向きな気持ちが育っていきます。
まとめ
「どうせできない」と感じている子どもたちの心には、
たくさんの小さな傷や、がんばりたいのにがんばれない苦しさが隠れています。
そして、その子どもを見守る親御さんの心にも、
「なんとかしてあげたい」という強い願いと、
「どうしてうまくいかないんだろう」という切なさがあるのだと思います。
決して、親御さんが間違っているわけではありません。
子どもも、ダメなわけではありません。
ただ、ほんの少しだけ、立ち止まって、
焦らず、小さな一歩からやり直していけばいいのです。
できることは、いきなり大きな変化を求めることではありません。
- 「今日、10分だけ机に向かえたね」
- 「昨日よりちょっと早く宿題に手をつけられたね」
そんな、小さな「できた!」を一緒に喜ぶこと。
うまくいかない日があったって、全然大丈夫。
一歩進んで、また少し戻って、また一歩進んで。
子どもはそうやって、少しずつ前に進んでいきます。
もし途中で、親御さん自身がしんどくなったら、
第三者の手を借りたっていいんです。
誰かと一緒に、子どもを支えていけばいいんです。
お子さんがまた「できるかも」と思える日が、必ず来ます。
それは、今こうして、この記事を読んでいるあなたのおかげで、
もう少しずつ近づいているんですよ。
よかったら、ここでひとつ想像してみてください。
お子さんが「できた!」と笑ったとき、
あなたはどんなふうに声をかけたいですか?
その日を、楽しみに待ちながら。
今日からまた、ゆっくりと一緒に歩いていきましょうね。
以上、佐々木(@kateikyo_megumi)でした!
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