中学3年生の生徒さんです。
とても真面目で努力家な子でした。
塾にも通っており、宿題もきちんとやっていました。勉強時間も決して少なくありません。
ただ、英語だけはなかなか成果が出ませんでした。
お話を聞いてみると、塾では「英語長文はとにかくたくさん読め」と言われていたそうです。
本人も言われた通り、一生懸命長文を読んでいました。
しかし、実際に解いている様子を見ると、長文を最初から最後まで丁寧に訳そうとしていました。
わからない単語が出るたびに止まり、一文ずつ日本語に直しながら読んでいたのです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、入試問題では「どこを重点的に読めばよいか」を判断する力も必要です。
そこで、
・重要な部分を見つけること
・すべてを訳そうとしないこと
・意味のかたまりごとに区切って読むこと
を一緒に練習しました。
すると、長文を読むスピードが少しずつ上がり、問題の正答率も安定してきました。
本当の課題は「優先順位をつけること」
この生徒さんを指導していて感じたのは、とても真面目な反面、「どこを頑張るべきか」を決めるのが苦手だったことです。
英語長文でも、出てきた文章をすべて理解しようとしていました。
わからない単語も全部調べるし、一文一文を丁寧に訳そうとします。手を抜くことができないのです。
もちろん、その姿勢自体は素晴らしいことです!
ただ、受験勉強では時間に限りがあるので、全部を完璧にしようとすると、かえって苦しくなってしまいます。
そこで英語では、
「ここは読む」
「ここは流していい」
「この問題ならこの部分だけ探そう」
という考え方を練習しました。
すると、これは英語だけの話ではないことがわかってきました。
数学でも、難問に時間を使いすぎてしまうことがありました。
社会でも、細かい知識を全部覚えようとしていました。
そのため、各教科で
「今いちばん優先するべきことは何か」
を一緒に考えながら学習を進めました。
もうひとつの課題は「アウトプット力」
この生徒さんを指導していて印象的だったのは、質問することがあまり得意ではなかったことです。
わからないことがあっても、そのまま自分で抱え込んでしまう傾向がありました。もしかしたら少し「大人が怖い」と思っていたのかもしれません。
ただ、授業を重ねるうちに少しずつ変化が見られました。
LINEで質問が届くようになったのです。
最初は短い質問でしたが、そのうち
「ここがわかりません」
「こう考えたんですが合っていますか」
と、自分から積極的に聞いてくれるようになりました。
私はできるだけ早く返信するようにしていました。
すると質問の回数も増え、英語だけでなく社会や数学についても相談してくれるようになりました。
今振り返ると、この生徒さんは「質問することそのもの」に少し苦手意識があったのかもしれません。
以前に質問してうまく取り合ってもらえなかった経験があったのか、それとも遠慮していただけなのかはわかりません。
ただ、質問しても大丈夫だと思える環境ができてからは、学習の進み方が大きく変わったように感じました。
偏差値66の高校に合格
受験勉強の最後までコツコツ努力を続け、最終的には偏差値66の高校に合格しました。
この生徒さんの場合、必要だったのは「もっと勉強すること」ではありませんでした。
すでに十分頑張っていたからです。
勉強方法を見直し、わからないことを気軽に質問できる環境を作ったことで、本来の力を発揮できるようになりました。
努力しているのに結果が出ないときは、勉強時間や根性の問題ではなく、「どこでつまずいているのかを相談できる相手がいるか」が大切なこともあります。
そんなことを改めて教えてくれた生徒さんでした。
親御さんからのコメント
先生のご指導は、子供のやる気を引き出し、大事なポイントを説明するのがとても上手でした。今まで出会ったことのない対話方法で、対話とはこのようなことをいうのだと感じました。
アウトプットが苦手だったのですが説明する力がつき、アウトプットできることで知識が定着しました。
先生に出会えたことに感謝申し上げます。この出会いは子どもの人生を華やかにしてくれました。
この生徒さんは、もともと努力できる力を持っていました。
ただ、真面目だからこそすべてを完璧にやろうとしてしまい、どこに力を入れるべきか迷ってしまう場面がありました。
授業では答えを説明するだけでなく、
「なぜそう考えたの?」
「自分の言葉で説明するとどうなる?」
と問いかけながら進めていました。
最初はうまく説明できなかったことも、少しずつ言葉にできるようになり、それが理解の定着につながったのだと思います。
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