こんにちは。横浜・鎌倉で活動するプロ家庭教師 佐々木(@kateikyo_megumi)です。

最近、息子がまったく勉強に手をつけようとしません。
テスト前になっても焦る様子もなく、部屋にこもってスマホをいじってばかり。
「大丈夫なの?」と声をかけても「うるさいな」「あとでやるから」と返されるだけで、正直どう関わっていいのか分からなくなってきました。
私としては、いい高校に行ってほしいとか、成績を上げてほしいというよりも、将来困らないように、最低限のことは今のうちにやっておいてほしいだけなんです。
でも、あまりうるさく言って逆効果になってもいけないし、見守るだけでいいのか、それとももっと言わなきゃいけないのか、迷ってしまいます。
最近、お子さんが勉強に身が入らない様子を見て、心配になっていませんか?
「テストが近いのに、まったく勉強しようとしない」
「部屋にいるけど、何をしているのか分からない」
「スマホばかり触っていて、机に向かう気配がない」
そんな姿を見ていると、ついイライラしたり、「このままで大丈夫なのかな」と不安になったりしてしまいますよね。
「勉強しなさい」と言っても、返ってくるのは無言か、「あとでやる」「うるさいな」という反応。
真面目に声をかけているつもりなのに、まるで気持ちが届かないように感じることもあるかもしれません。
でも、もしかするとお子さん自身も、「やらなきゃ」と思いながら動けずに悩んでいるのかもしれません。
やる気がないように見えて、心の中ではプレッシャーや自信のなさと戦っていることもあります。
この記事では、勉強にやる気が出ない理由を一緒に見つめながら、親としてどんな関わり方ができるか、やさしく具体的にご紹介していきます。
子どもを変えるのではなく、“親としてできる小さな一歩”を一緒に見つけていきましょう。
子どもが勉強にやる気をなくす代表的な原因
お子さんが勉強にやる気を見せないのには、いくつかの理由が考えられます。
もちろんひとつではなく、いくつかが重なっている場合もあるかもしれません。
まずは、よくあるパターンをいっしょに見ていきましょう。
① 勉強が「わからない」「できない」と感じている
最初のつまずきがきっかけで、「どうせやっても無理」と思い込んでしまっているケースです。
授業の内容についていけなかったり、問題集を開いても解けなかったりすると、子どもは自信を失っていきます。
一度そう感じてしまうと、勉強に向かうこと自体が怖くなってしまうこともあります。
② 成績が伸びず、努力が報われないと感じている
「頑張ったのに点数が上がらなかった」「思ったほど評価されなかった」という経験をしたあと、やる気が落ちてしまう子も少なくありません。
一生懸命やっても結果が出ないと、自分の努力に意味があるのか分からなくなってしまうのです。
③ 何のために勉強するのか分からなくなっている
「なんで勉強しなきゃいけないの?」「将来使うの?」という疑問を持ちながら、誰にも相談できずにいることもあります。
勉強の目的が見えないと、モチベーションを保ち続けるのは難しくなります。
④ 周囲の期待にプレッシャーを感じている
「期待に応えなきゃ」「親をがっかりさせたくない」という思いが強すぎると、逆に動けなくなってしまうことがあります。
まじめで繊細な子ほど、「やる気がないように見える」のではなく、「やりたいのに動けない」状態になっていることもあります。
⑤ 気持ちや体が疲れている
学校生活や友人関係、部活動などでエネルギーを使い果たしていると、勉強にまで気持ちが回らなくなってしまいます。
思春期は心も体も大きく変化する時期なので、本人も「なんでこんなに疲れるんだろう」と理由が分からないまま落ち込んでいることもあります。
親がやりがちな逆効果の声かけ
お子さんがなかなか勉強しないと、「つい言ってしまった」ひと言があとから気になってしまうこともありますよね。
一生懸命な気持ちから出た言葉でも、子どもの心には思わぬ形で届いてしまうことがあります。
ここでは、よくある声かけと、それがどう受け止められてしまうかをご紹介します。
①「なんでやらないの?」
この言葉は、親としては「理由を知りたい」「やる気を出してほしい」という気持ちから出ていることが多いです。
でも子どもからすると、「責められている」「やっていないことを責められた」と感じやすくなります。
特に思春期の子どもは、感情をストレートに言葉にするのが難しい時期です。
理由を聞かれても答えられない自分にまた落ち込み、さらにやる気を失ってしまうことがあります。
②「そんなことじゃ将来困るよ」
将来を心配するのは、親として自然な気持ちです。
ですが、将来の不安を強調する言い方は、今すでに不安や焦りを感じている子にとっては逆効果になることもあります。
「今の自分はダメなんだ」「怒られてばかりだ」と感じさせてしまい、自信をなくすきっかけになりかねません。
③「○○ちゃんは頑張ってるのに」
他の子と比べる声かけは、思っている以上に子どもの心を傷つけます。
「比べられた」「自分は認められていない」と感じてしまい、自信を持つどころか、やる気を失う原因になってしまいます。
特に、兄弟姉妹との比較は、家庭の中での居場所を脅かすように感じることもあります。
④「やる気がないなら、もう知らない」
これは、ついイライラした時に口から出てしまうこともある言葉かもしれません。
ですが、「もう見放された」と感じさせてしまうと、子どもの心は閉じてしまいます。
本当は関心があるからこそ言っているのですが、子どもには“見捨てられた”ように伝わってしまうことがあります。
大切なのは、「何を言うか」よりも「どんな気持ちで伝えているか」です。
もし過去にこのような声かけをしてしまったとしても、あとからでも大丈夫です。
「さっきは言いすぎちゃったね」「本当は心配で声をかけたんだよ」と素直に伝えることが、子どもとの信頼関係を取り戻すきっかけになります。
やる気が出ない子へのサポート法
お子さんが勉強にやる気を見せないとき、親として何ができるのか。
つい「もっと頑張ってほしい」と言いたくなりますが、まずは気持ちに寄り添い、プレッシャーにならないサポートを意識することが大切です。
ここでは、すぐにできる5つのサポートの方法をご紹介します。
① 「大丈夫だよ」と受け止める
やる気がないとき、子ども自身も「このままでいいのかな」と不安を抱えていることがあります。
そんなとき、「何やってるの!」ではなく、「どうした?疲れてる?」とやさしく声をかけてもらえると、心がふっとゆるみます。
「どんなあなたでも見守っているよ」というスタンスは、それだけで安心感につながります。
② 小さな目標を一緒に決める
「一気にテスト範囲を終わらせよう」と思うと、子どもはますます動けなくなります。
まずは「今日は数学の教科書を3ページだけ見てみようか」といった、小さくて達成しやすい目標をいっしょに考えてみましょう。
達成できたら「できたね」「やったじゃん」と声をかけてあげることで、少しずつ前向きな気持ちが育っていきます。
③ タイマー学習や「いっしょに作戦」
子ども一人で始めるのが難しいときは、親が隣でタイマーをセットして「よーい、スタート」と始めるのも効果的です。
自分も家事や読書をするふりをして、「いっしょに頑張ろう」という雰囲気をつくると、子どもも自然と机に向かいやすくなります。
「やらせる」のではなく、「いっしょにやってみよう」というスタンスが、思春期の子どもにも届きやすいです。
④ 結果ではなく“姿勢”をほめる
テストの点数や成績ばかりに目が行ってしまうと、「どうせダメだ」と思わせてしまうこともあります。
でも、たとえ5分でも机に向かった、ノートを開いた、音読してみた…そうした“取り組む姿勢”を見つけてほめることは、子どもにとって大きな励みになります。
「ちょっとでも頑張ってみたね」「昨日より進んでるよ」と、行動の変化に気づいてあげることが大切です。
⑤ 休むことも“前向き”と考える
毎日頑張り続けることは、大人でも難しいものです。
心や体が疲れているときは、思いきって「今日は何もしない日」にするのも立派な選択です。
「何もできなかった日」ではなく、「ちゃんと休んで回復する日」として、前向きに捉える習慣をつけていくと、お子さん自身も自分を否定しにくくなっていきます。
勉強のやる気は、無理に引き出すものではなく、「出てくるのを待つ」ものでもあります。
そのためには、安心できる家庭環境と、失敗しても大丈夫だと思える関係性が何よりの土台になります。
勉強のやる気は“自分で見つけるもの”
親としては、「どうすれば子どもがやる気になるのか」と悩むことも多いかと思います。
でも本当のところ、勉強のやる気は“誰かに引き出してもらう”というより、本人の中から自然に湧いてくるものです。
もちろん、親の関わり方がそのきっかけになることはあります。
でも、無理に気合を入れさせようとしたり、急に目標を与えたりしても、それが本人にとって納得できるものでなければ、やる気にはつながりにくいのです。
やる気というのは、「あ、ちょっとやってみようかな」「これなら自分でもできそうかも」と思えたときに、ふと動き出すものです。
その“きっかけ”を子どもが見つけやすくなるように、周りが安心できる空気をつくっておくことが大事なのだと思います。
たとえば、次のような姿勢が、子どもにとって大きな後押しになります。
- できたことを小さくてもちゃんと認めてもらえる
- 「失敗しても大丈夫」と思える
- 親が落ち着いて見守ってくれている
- 自分のペースで進める安心感がある
親が「信じて待ってくれている」と感じることで、子どもは少しずつ「自分で動いてみようかな」という気持ちになっていきます。
だからこそ、すぐに結果が見えなくても、焦らずに待つ姿勢も立派なサポートです。
その“待つ勇気”こそが、お子さんのやる気を育てる土台になっていくのではないでしょうか。
まとめ
お子さんが勉強にやる気を見せないとき、親として不安になるのは自然なことです。
将来のことを考えるからこそ、「このままで大丈夫なんだろうか」と心配になってしまいますよね。
けれど、やる気が出ない理由は、ただ「怠けている」からではないことも多いです。
わからなさ、自信のなさ、プレッシャー、疲れ――そうした見えにくい気持ちが、子どもの心に重なっていることがあります。
無理に引っ張ろうとするよりも、まずは「どうしたのかな」とそっと寄り添い、本人の気持ちを受け止めてあげることが、何よりのサポートになります。
そして、やる気は本人が自分のタイミングで少しずつ見つけていくものです。
それまでの間、親ができることは、「見守る」「信じる」「安心できる環境をつくる」ことなのだと思います。
うまくいかない日があってもかまいません。
少しでも進めた日は、いっしょに喜んであげてください。何もしなかった日は、思いきって休むことを認めてあげてください。
親の関わり方がやさしく変わることで、子どもも「またやってみようかな」と思える日が、きっとやってきます。
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