「人を変えたい」と思っていたら何も変わらない

「子どもに変わってほしいです」
「彼氏に考え方を変えてほしいんです」

「どうしたら、あの人は変わるのでしょうか?」

そんな相談を受けることが、増えました。勉強嫌い、勉強しない人を相手にしているから、でしょうか。みんな、誰かを変えたくて変えたくて仕方がないようです。

これに関して、思うことがあります。

結論から言いますね。
人を変えるのは、無理です。

がっかりされた方もいるかもしれません。でも、人を変えるなんてことは、無理難題だと言わざるを得ません。

 

教育歴もうすぐ10年、その中で気づいた真実

私が始めて塾講師をしたのは19歳の頃。気がつけば教育に関わるようになって、もう10年が経とうとしています。

なぜこの仕事を始めたかというと、人を変えたかったからでした。勉強しない子を、勉強するようにしたかった。そして自信を持ってほしかった。人を変えたくて仕方がなかったのです。

そのなかで得た教訓が「人を変えることは、できない」ということ。

逆説的かもしれませんが。

自分の考え方を人に植え付けたい。
無意識の中にそんな考え方を持つ人もいるでしょう。

言ったとおりに動いてくれる?
自分の思い通りに人をコントロールできる?

そんな考え方を持つのは、はっきり言って、思い上がり以外の何者でもないです。

人を変えたい人は、距離感を再考すべき

たとえ自分の子どもであったとしても、自分以外の他者は別の個体、別の肉体。別の人の血が入っていて、別の目でものごとを感じ、別の人生を生きています。

自分以外の人を思い通りに動かすことなんて、できるはずがない。

人を変えられると信じる人は、他人と人との境界が曖昧なのだと思います。
他者との距離が近すぎるのでしょう。自分が変えられると思いこんでしまう。

私が受ける相談は、変えたい対象が「恋人」「配偶者」「子ども」。近しい人だからこそ、見えなくなるのだと思います。

人は人であり、一個人である。
自分のことは自分にしかわからないし、他人になり変わることなんてできない。

その人が過去に何を経験して、何を身につけてきたのか。どんな考え方を持っているのか、こちらにはわからない。
そんな当然のことが、見えなくなります。

指導をすれば、アドバイスをすれば、人はやってくれるはずだと思いこむ。

もし人が動いてくれるなら、あなたに対して信頼してくれているのか、あなたの権威におびえているのか。

どちらかでしかない。

それらを取り払った時に、相手が自分の言うことを聞くのかどうか?熟考に値しますね。

 

できることはないのか?

では、人に対して何もできないのでしょうか?
人に対して影響力を及ぼすことはできないのでしょうか?

あきらめるしかないのでしょうか?

ですが、世の中にある仕事のほとんどは、人を動かし、考え方を変えるようなタイプのものであると思います。

年齢を重ね、責任が増えていけば、なおその色合いが強くなるはずです。

でも、人から人へできることは、確実にあります。

 

選択肢を与えることはできる。

基本的に、人間は自分で決めたい生き物です。

一方で、自分で決められないこともあります。

幼い子どもに「自分で決めさせる」のは酷でしょう。
キャリアの浅い人や、情報の少ないことに対して「自分で考えて決めて」は、責任放棄です。

だからといって、「こうしなさい」と言い続けていては、その人の自主性を奪います。やがて依存的になり、あなたの指示を待つようになるでしょう。

情報の少ない人に出来ること。
それは、選択肢を与えることです。

他人にできるのは、選択肢を与えるところまで。
最終決定は相手にゆだねる。

そうすれば、強制された感じはしません。
相手が自分で決めたと思うことができます。

きっかけを与えることはできる

あの人が頑張っているから・・・
情熱をもって話してくれたから、考えようかな・・・

そう思ったことは、あなたにもあるはずです。

言葉と熱意には、パワーがあります。
相手のことを真剣に考え、真剣に語りかければ、相手も考えを改めるかもしれません。

しかし、絶対に勘違いしてはいけません。

あなたの言葉が相手を変えたのではありません。

あなたの言葉を受けて、相手がそれを受け入れると決めたから、変わるのです。

最終判断は、相手がするのです。

自分で決めたい

人間は、自分で自分のことを決めたいと思っています。
これを自己決定性といいます。

命令するようなことや、自分を変えようとする圧力を感じたら、逃げたくなるのは当然のこと。

人を変えよう、変えようとするなら、相手はあなたから離れていくでしょう。

人を変えることはできない。
でも、きっかけを与えたり、選択肢を与えることはできる。

それを受け取るのか受け取らないのか、実行するのか実行しないのかは、その人次第なのです。選択権はあくまで相手にあります。

「人は変わらない」を知ると人間関係が変わる

「ああ、この人はこう考えるんだな」ということがわかってくると、人を変えようとか、間違いを指摘しようとか、そういう気持ちがなくなります。

人を変えようとか、思い通りに動かしてやろうという種類の、人に対する「悪い執着心」が抜ける。

誰かを動かせないことに対して、自責の念を持つ必要も、全くないのです。

その人自身を見るようになり、
その人自身を受け入れられるようになります。

私は、人を変えよう、変えようとしていました。誰かを救うことで、自分が生きる意味を見いだしたかった。

でも気づいてしまいまいました。その正体は自分の弱さであり、ゆがんだエゴだったと。

自分の人生をコントロールできるのは、自分だけ。
変えられるのは、自分自身。

人を変えたいと思うなら、変えよう動かそうとするのではなく、与える選択肢を増やすために学びを続けたり、それらを的確に伝える言葉や論理を学んだり、人を動かす情熱を持つこと。

すべて、自分が起点です。
だから私は学ぶ。自分が無力だと、苦しいくらいわかっているから、学び続ける。

わたしにできることは、それしかない。だから、私はそれをこれからもしつこくしつこく続けていきます。

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