「できる」けれど「教えられない」…。こんな時に心がけるべきこと

こんにちは。佐々木です。

ブログ読者様から、教え方について質問がありました。

 

大学生で最近個別指導塾でアルバイトを始めました。
先生によっては説明を聞いたらあぁ~なるほどそういうことだったのかと思って、塾に行くのが苦でなくなるような先生もいました。私もそんな先生になれたらなと思って、アルバイトを始めたのですが、自分が解けるのと人に教えるのは違って苦戦しています。
教えることでのポイントなどがあれば教えてほしいです。(T様)

 

教える仕事を始めたばかりの方が、必ず直面する壁ですね。

自分が「できる」から相手に教えられるだろうと考えてしまいがちなのですが、実際に相手に「教える」と、「できる」と「教える」は全く別ものであると気づきます。

なぜ、「できる」のに「教えられない」のか

できるのに教えられない。原因はシンプルです。

教える人は、既にその技術を身につけている人。たとえるなら、建物の3階から物事を見ている人です。
教わる人は、まだその技術について何も知らない人です。たとえるなら、建物の1階から物事を見ている人です。

3階から見れば、下のことがよく見えるでしょう。
1階からは、上のほうはよく見えません。

視点の差があるのです。

よく、指導者が「あいつは理解力がない」と、学習者に対して文句を言っているのを聞きます。しかし、残念ですが、相手が理解してくれないのは、学習者の責任ではありません。
100%、指導者の責任です。

1階からものを見ている人に「3階に何があるか」を尋ねたところで、見えるのでしょうか?想像できるのでしょうか?
無理ですよね。

だから、3階から見ている指導者が、1階、2階、3階の状態を伝えるしかないのです。相手は見えていないのですから。「いいから上がれ」「自分で考えろ」は、指導放棄でしかありません。相手が落ちたら一大事です。

だから、相手が3階まで上がってくるために、どんな情報が必要なのか考えて、提供しなければならないのです。

初めてのときのことを思い出す

あなたは今3階にいるわけですが、最初から3階にいたわけではありませんよね。
必ず、1階から上がってきたはずです。

つまり、誰にだって初心者の時代があったのです。
その時のことを、具体的に、できるだけ鮮明に、思い出してみてください。

どんなことに思い悩みましたか?
どんなことに困りましたか?
どんなときに、助けてほしいと思いましたか?

これらをできるだけたくさん、箇条書きにしてみてください。くだらない、些細なことと思えることだったとしても、それが相手にとっては重要な情報かもしれません。とにかく、たくさん書く事です。

書いたら、その横に「どうすればよかったか?」を書いていきます。これが、解決策です。

 

実際に降りてみる

もう一つの手段として、実際に1階まで降りてしまうという方法もあります。
全く知識がないつもりで、一度やってみるのです。

そして、つまずいた点や、ハテナマークが浮かんだところを書き出す。どんな小さなことでも、取り出しておきます。

 

教えることはひとつでいい

質問者のT様は、勉強が苦手な子どもの多い個別指導塾で教えているとのこと。
苦手意識のある人に教える時は、「1をきいて10を知る」という言葉は一切忘れましょう。

「3回教えて1理解する」くらいがちょうどいいです。

なぜ彼らは勉強が苦手かというと、その原因の90%が「学校授業の理解」です。学校の授業が理解できずに、いつの間にか置いていかれて、もっとわからなくなり、どんどん嫌になってしまう…ということがほとんどなのです。

3階にいるあなたは、のぼり方のコツをたくさん知っているかもしれませんし、それを全部教えてあげたい!と思うかもしれません。
しかし、相手は多分、それを受け止める余裕がありません。大荷物を抱えて上に上るのは大変ですよね。

なので、たった一つでも理解してくれればいい、たった一つだけ持ってきてね、そんな気持ちで教えることが一番重要。

「少ししか教えられなかったな」と自分を責める必要は全くありません。たった一つのことを、頑丈に、強固に、教えられたら合格。最初はそのくらいの気持ちで臨みましょう。

相手の気持ちに寄り添えるか

教える時に心得ておいていただきたいこと。

上がるのは大変、下りるのは簡単だということです。

3階から1階に下るのはラクラク簡単でも、1階から3階まで登るのは大変。その大変さをきちんと理解できる指導者は、学習者から信頼されます。

「大変だけれど、大丈夫だよ」「私が教えるから」と言える指導者は、尊敬されます。

そんな指導者がもっと増えたら、私も嬉しいです。
Tさんも、ぜひ頑張ってくださいね。

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